筋力低下の原因は様々ですので決して高齢者だけの問題ではありません。
本記事では筋力低下の原因を年齢や病気などの観点から解説します。
筋力低下の原因
筋力は筋肉の収縮によって生まれる力であり、神経系や神経筋接合部、筋系の連携が重要です。
筋力低下の原因は加齢や不活発になること、神経に関する問題などがあげられます。
そもそも最大筋力の20~30%の筋活動があれば筋力は維持されます。
しかし最大筋力の20%未満の金活動では筋力を維持することはできなくなります。
筋活動が不足すると筋力は低下し、完全に活動しなければ1日で3~6%ずつ低下し、1か月で50%もの低下が見られることもあります。
高齢者における筋力低下の原因
高齢者にとって筋力低下は避けがたい現象であり、様々な要因が絡み合っています。
年齢が進むにつれて、筋肉量や筋繊維の減少が起こります。
これにはホルモンの変化や栄養の吸収の減少も影響しており、運動不足も一因となっています。
高齢者は通常、生活の中での身体活動が減少し、これが筋肉の衰えにつながります。
その結果、日常生活においてもっとも簡単な動作にさえ困難さを感じることがあります。
定期的な運動やバランスの取れた食事は、高齢者の筋力低下を緩和するために重要です。
筋力低下の原因における神経系の変化
神経系の問題は筋力低下の主要な原因の一つです。
神経と筋肉は密接に連携しており、この連携が損なわれると筋肉の収縮に支障が生じます。
神経の障害や疾患が筋力低下を引き起こすことがあり、これには遺伝的な要素や外部からのダメージ、病気による影響が含まれます。
神経と筋肉の調和が崩れると、筋力低下や運動機能の障害が現れやすくなります。
疼痛と筋力低下の原因
疼痛は筋力低下の原因として注目される重要な要素です。
慢性的な疼痛がある場合、運動が制限されるため筋肉の使用が制約され、これが筋力低下につながります。
また、疼痛が筋肉の収縮や伸展を妨げることがあり、これが筋力低下を引き起こす一因となります。
疼痛管理と適切なリハビリテーションが重要であり、痛みに対処することで筋力低下の進行を遅らせることが期待されます。
筋力低下で考えられる病気
筋力低下の原因となる病気はいくつかあります。
加齢や不活発な生活習慣、神経系の問題などが筋力低下の原因となることがあります。
また、特定の疾患や状態によっても筋力低下が起こることがあります。
具体的な病気としては…
- 脳卒中
- 神経障害、外傷または絞扼(例、手根管症候群)によって生じるもの、免疫性のもの(例、ベル麻痺)
- 脊髄神経根の絞扼(例、椎間板ヘルニア)
- 脊髄圧迫(例、頸椎症、転移性硬膜外腫瘍、外傷)
- 多発性硬化症
- 重症疾患
- がん
- 慢性感染症(HIV感染症、肝炎、単核球症など)
- 心不全
- 貧血
- 慢性疲労症候群
- 線維筋痛症
- 気分障害(うつ病など)など
ただし、これらは一例であり、他にも筋力低下を引き起こす病気が存在する可能性があります。
原因不明の筋力低下について
一部の個体では、筋力低下の原因がはっきりとしません。
医学的な検査や評価を受けても、なぜ筋力が低下しているのかが分からない場合があります。
原因不明の筋力低下は、様々な要素が組み合わさった結果と考えられます。
これには遺伝的な要因、不規則な生活習慣、あるいは特定の疾患や障害が関与する可能性があります。
医師の診断や適切な検査が必要ですが、その際には症状の詳細な報告が大切です。
筋力低下は高齢者の問題だけではない
筋力低下は高齢者だけでなく、あらゆる年齢層で発生する可能性があります。
ただし、加齢による筋肉量の減少や筋力低下は高齢者により一般的です。
筋力低下を引き起こす病気には複数の要因が関与し、注意が必要です。
筋力低下で疲れやすくなる理由
筋力低下によって疲れやすくなる理由は、筋肉量が減少することで、筋肉にかかる負担が大きくなり、負荷が大きくなると疲労物質が作られるためです。
筋肉量が減少すると、血液の循環も活発でなくなり、筋力が衰えて、さらに疲れやすくなる悪循環に陥ることがあります。
また、運動不足によって筋肉量が減少すると、体力や筋力低下の悪循環を招いてしまいます。
そのため、筋肉量を維持するためには、適度な運動やタンパク質の摂取が重要になります。