触覚や位置の情報を含む信号を生成する”深部受容器”。
本記事ではこの深部感覚に重要な深部受容器について解説します。
深部受容器とは
深部受容器とは、筋肉、腱、関節などの身体内部にある受容器のことで、内部の運動器官の機械的変形を検出します。
この深部受容器は、筋肉が一定以上に伸ばされない様子、あるいは関節が正常な可動域を超えないようにコントロールしています。
深部受容器の種類
深部受容器には、次のようなものがあります。
- 筋紡錘
- 腱器官
- 機械受容器
- 自由神経終末
以下にそれぞれ解説します。
筋紡錘
骨格筋に内包されている筋紡錘は、深部受容器の一つで、筋肉の長さを検知する固有受容器の一種です。
四肢の動きの方向と速度の感知に貢献しています。
筋紡錘は特殊に分化した…
- 錘内筋線維
- 感覚神経
- 運動神経
…三つの要素から構成されています。
錘内筋線維は筋紡錘内に存在し、その周りを感覚神経終末が巻き付いています。
筋肉が伸展されると、筋紡錘内の錘内筋も一緒に引き伸ばされ、感覚神経が活性化し、その情報は求心性に中枢へと送られます。
腱器官
腱器官は、骨格筋や関節にある深部感覚の機械受容器のひとつです。
この腱器官は、筋の収縮の程度や腱にかかる張力を感知します。
機械受容器
また、深部受容器のひとつに機械受容器があります。
これは、力学的な変形や振動を感知する受容器になります。
この機械受容器には…
- ルフィニ終末
- ゴルジ終末
- パチニ小体
…などがあります。
自由神経終末
深部受容器には”自由神経終末”もあります。
この自由神経終末とは、神経線維の末端で、刺激を受容するための特別な構造を持たないものになります。
髄鞘が消失しており、痛覚・触覚・温度などの刺激を受容し脳に伝える役割も担います。
深部受容器の種類が複数あるということは、逆に言えば一つだけでは成立しづらいってことかもね!
それだけ深部感覚は複雑な感覚なのかもしれませんね!