病気やケガ、精神疾患で長期間働けなくなったとき、収入が途絶えるリスクに備えるのが「就業不能保険」です。
この記事では、就業不能保険のメリット・デメリット、公的保障との違い、選び方のポイントまでわかりやすく解説します。
この記事が自分に必要な保障を見極めて、安心できる未来を手に入れるお手伝いになれば幸いです。
就業不能保険とは?
就業不能保険は、病気やケガによって働けなくなったときの収入減少に備える新たな保険として注目を集めています。
ここでは…
- 定義と基本的な仕組み
- 医療保険や生命保険との違い
- 補足ポイント
…について解説します。
定義と基本的な仕組み
就業不能保険とは、病気やケガで一定期間働けなくなった際の収入減少リスクに備える保険です。
所定の「就業不能状態」が契約条件で定義され、その状態が継続すると毎月給付金や一時金、年金形式で保険金が支払われます。
給付対象となるまでの待期期間(例:60日、180日など)や支払回数は商品ごとに異なり、契約時に設定した保障額の上限が職業や年収に応じて決まります。
保障対象は入院・在宅療養だけでなく、精神疾患や公的障害等級、要介護認定を含む場合があり、多様なライフスタイルに対応する商品が増えています。
保険期間は定期型(10年、20年など)や歳満期型(60歳、65歳までなど)から選び、主婦・主夫や自営業者も加入できるプランがあります。
医療保険や生命保険との違い
就業不能保険は「働けないことによる長期的な収入減」をカバーし、医療保険は「入院・手術など短期的な治療費」を、生命保険は「死亡や高度障害時の遺族保障」を目的としています。
医療保険は入院日数や手術回数に応じて給付金が支払われ、短期治療費の補填に特化していますが、就業不能状態には対応していません。
生命保険は被保険者の死亡や高度障害発生時に一時金が支払われるため、家族の生活保障に強みがあるものの、働けなくなった当人の収入減は補えません。
就業不能保険は死亡や短期の医療行為には給付されないため、医療保険・生命保険と役割を明確に使い分けることが重要です。
それぞれの保険を組み合わせることで、疾病リスク・障害リスク・働けなくなるリスクすべてに対して総合的な備えを構築できます。
補足ポイント
就業不能保険は、公的な傷病手当金や障害年金だけではカバーしきれない生活費の補填として有効です。
精神疾患による就業不能を保障する商品が増えている一方、すべてのプランで対応しているわけではないため、約款の「支払対象外条件」を必ず確認する必要があります。
収入保障保険や所得補償保険と混同されやすいですが、前者は主に「死亡時の遺族保障」を目的とし、後者は「休業日数に応じた日額給付」が中心である点が異なります。
保障内容や給付金額、保険料のバランスを自分のライフステージや職業リスクに合わせて選ぶことで、無駄のない保険設計が可能になります。
加入前には、試算シミュレーションや口コミ・評判を参考にしながら、保険料負担と保障水準の最適化を図ることをおすすめします。


なぜ就業不能保険が注目されているのか?
近年、長期間働けなくなるリスクに備える手段として「就業不能保険」への関心が高まっています。
このように就業不能保険が注目されている理由としてここでは…
- 公的保障ではカバーしきれない生活費への備え
- 医療保険ではカバーできない「収入減」リスクへの対応
- 働けなくなるリスクの増加と社会的背景
- 主婦・主夫や自営業者など、公的保障の対象外の人もカバー
- 経済的不安の解消と家族の安心
…について解説します。
公的保障ではカバーしきれない生活費への備え
就業不能保険が注目される大きな理由の一つに、公的保障だけでは十分な生活費をカバーできないという現実があります。
たとえば会社員が利用できる傷病手当金は、支給期間が最長で1年6か月に限られており、給付額も給与の約3分の2とされています。
長期にわたり就業不能となった場合、住宅ローンや家賃、教育費、食費などの固定費をまかないきれない可能性が出てきます。
そのような不足分を補えるのが、就業不能保険の特徴であり、生活水準の維持に役立つのです。
特に公的支援が切れた後の生活を支える手段として、この保険の存在意義は高まっています。
医療保険ではカバーできない「収入減」リスクへの対応
医療保険はあくまで「治療にかかる費用」を対象としており、長期間働けないことによる収入の減少は保障の対象外です。
入院や手術による医療費は保険でカバーできたとしても、通院や自宅療養期間の生活費には対応できません。
就業不能保険は、治療費ではなく「働けないことで収入が減る」ことに着目し、毎月の給付金で生活を支える役割を持ちます。
この点が医療保険との大きな違いであり、仕事を失うリスクが現実味を帯びる現代において、重要性が増しています。
収入減少の備えとしての保険ニーズが高まる中、就業不能保険の価値は見直されているのです。
働けなくなるリスクの増加と社会的背景
近年、病気やケガにより長期間働けなくなる人の数は増加傾向にあります。
特に精神疾患(うつ病や適応障害など)による長期休職や退職が増えており、誰にでも起こりうるリスクとして認識されています。
統計上、働けなくなる確率は死亡する確率よりも高いとされており、早期の備えが求められる時代となっています。
また、高齢出産や共働き世帯の増加により、家族を支える立場の人が長期的に休職する影響も大きくなっています。
こうした社会的背景が、就業不能保険への注目をさらに後押ししているといえるでしょう。
主婦・主夫や自営業者など、公的保障の対象外の人もカバー
会社員と異なり、主婦・主夫や自営業者は公的な傷病手当金の対象外であり、働けなくなった際の支援が非常に限られています。
就業不能保険には、こうした立場の人にも加入可能な商品が存在し、家計の支え手としての保障を確保できます。
たとえば、主婦が病気で家事や育児ができなくなった場合でも、外部サービスの利用などによる出費を補えるような設計もあります。
また、自営業者が病気で事業を休止する際の固定費(家賃、機材リース費用など)にも備えることができます。
これにより、従来カバーしきれなかった層にも安心を届ける保険として、評価されるようになってきています。
経済的不安の解消と家族の安心
働けなくなったとき、最も不安に感じるのは「今後どうやって生活していくか」という経済面の問題です。
特に一家の大黒柱が収入を失うと、家族の生活水準が一気に下がってしまう可能性があります。
就業不能保険は、一定の条件を満たした場合に毎月給付金が支払われるため、生活の継続性を確保する支援となります。
貯金の取り崩しを防ぎ、家族が精神的にも経済的にも安心して過ごせる環境を維持できるのは、大きなメリットです。
結果として、本人だけでなく、家族全体の安心感を支える仕組みとして、この保険が注目されているのです。


就業不能保険の対象となる主な疾患とは?
就業不能保険は、対象となる疾患によって給付の可否が大きく異なるため、どの病気が保障されるかを理解することが重要です。
ここでは…
- 一般的な対象疾患
- 精神疾患
- 給付の条件に関するポイント
…について解説します。
一般的な対象疾患
就業不能保険で多くの商品が対象としているのは、がん・急性心筋梗塞・脳卒中などの三大疾病です。
がんは長期治療や再発のリスクが高く、就労の継続が難しくなることが多いため、保障対象の中心に据えられています。
急性心筋梗塞や脳卒中は命に関わるだけでなく、治療後の長期入院やリハビリを必要とするため、就業不能状態になりやすい病気です。
また、肝硬変や慢性腎不全といった進行性の慢性疾患も、定期的な治療や透析などにより、就業が困難になるケースが想定されます。
これらに加えて、交通事故や転倒による重度外傷なども、働けない状態が長く続けば対象になる場合があります。
精神疾患
精神疾患による就業不能も、近年では増加傾向にあり、保障対象とする保険商品も出てきています。
対象となる精神疾患には、うつ病、統合失調症、双極性障害(躁うつ病)、不安障害、てんかん、知的障害などが含まれます。
ただし、精神疾患をカバーする商品はまだ限られており、加入条件や給付条件が厳しいことが多いのが実情です。
たとえば「60日以上の継続入院が必要」や「障害等級2級以上の認定」が条件になっていることもあり、在宅療養では給付されないケースもあります。
精神疾患に対応する保険に加入する際は、給付の可否や適用条件をよく確認することが大切です。
給付の条件に関するポイント
就業不能保険では、医師の指示による入院や在宅療養が一定期間継続した場合に給付対象となるのが一般的です。
一部の保険では、国民年金法の障害等級(1級または2級)や公的介護保険制度の要介護2以上の認定を受けることが条件になっているものもあります。
こうした公的基準を採用している商品は、客観性が高い反面、給付のハードルが高くなる傾向があります。
また、保険商品のタイプによっても保障範囲が異なり、「全疾病型」は幅広いリスクに対応しますが、「3疾病型」や「がん保障型」は特定のリスクに特化しています。
自分の健康状態や家族歴、職業上のリスクなどに合わせて、給付条件と保障対象のバランスを考慮した商品選びが重要です。


就業不能保険の選び方【初心者向け】
就業不能保険を選ぶ際には、生活スタイルや職業、家族構成に合わせて、保障内容をバランスよく設計することが大切です。
ここでは…
- 給付金額を決める
- 保険期間を決める
- 給付金の受け取り方を決める
- 支払対象外期間(免責期間)を決める
- 給付金の支払い条件を確認する
- 特約やオプションの有無を確認する
- 保険料と保障内容のバランスを考える
…について解説します。
給付金額を決める
就業不能保険を選ぶうえでまず大切なのは、自分が働けなくなった際に必要となる金額を具体的に見積もることです。
生活費、家賃や住宅ローン、教育費、保険料、公共料金など、固定費と変動費を洗い出し、それをベースに給付金額を設定します。
会社員や公務員の場合は、傷病手当金などの公的保障があるため、不足分を補う程度の金額でも対応できます。
一方、自営業者は公的保障が少ないため、長期の収入途絶に備えてやや高めの給付金設定が望ましいです。
必要以上に高額な保障を設定すると保険料が上がるため、実際に必要な額を現実的に試算することがポイントです。
保険期間を決める
保険期間とは、保障を受けることができる期間を指し、自分の働く年齢や家庭環境に合わせて設定する必要があります。
定年退職予定の年齢(例:60歳・65歳)や、子どもの独立予定などを目安に、必要な期間を見極めましょう。
「10年定期型」や「60歳満期型」などが一般的で、ライフプランに応じた柔軟な設計が可能です。
年齢が若いうちは保険料も抑えられる傾向があるため、必要な保障を無理のないコストで得るには早めの検討がおすすめです。
人生の節目や環境変化にあわせて、更新や見直しのタイミングも計画しておくと安心です。
給付金の受け取り方を決める
給付金の受け取り方法には「年金型(毎月受取)」と「一時金型」があり、それぞれ用途に応じた活用方法があります。
長期間の生活費を安定的に補いたい場合は、年金型がおすすめで、給与の代わりとして使いやすい特徴があります。
一方で、入院費用や初期出費に対応したい場合には一時金型も選択肢となります。
また、受け取り期間が「一定期間」か「無制限」か、給付回数に上限があるかなども、事前に確認が必要です。
受け取り方法によって保険料や保障範囲が変わるため、自分の目的に合ったプランを選ぶようにしましょう。
支払対象外期間(免責期間)を決める
免責期間とは、就業不能状態になってから実際に給付金が支払われるまでの待機期間を指します。
代表的な期間は「60日」や「180日」で、短くするほど早く給付を受けられますが、その分保険料は高くなります。
会社員や公務員であれば、有給休暇や傷病手当金などの公的支援と併用し、免責期間を長めに設定して保険料を抑えることもできます。
一方、自営業者やフリーランスなど、公的保障が少ない方は、できるだけ免責期間を短く設定するのが一般的です。
自分の立場や備えに応じて、負担と保障のバランスを考慮して免責期間を選びましょう。
給付金の支払い条件を確認する
就業不能保険の給付が支払われる条件は、保険商品によって異なり、重要な比較ポイントです。
たとえば、医師の診断による「入院」や「在宅療養」が一定期間続いた場合や、国民年金の「障害等級2級以上」などの認定が必要な場合があります。
また、精神疾患を対象に含むかどうか、在宅療養が認められるか、公的基準以外に保険会社独自の基準があるかも確認が必要です。
保障範囲が広いと安心感は高まりますが、その分保険料も高くなる傾向にあります。
自分の健康状態や職業のリスクを考慮し、過不足のない保障条件を選ぶことが大切です。
特約やオプションの有無を確認する
就業不能保険には、基本保障に加えてさまざまな特約やオプションを追加できる商品があります。
たとえば、万が一死亡した場合に遺族に年金が支払われる「遺族年金特約」や、死亡保障を加える特約などがあります。
特約は保障の幅を広げる一方で、保険料も上昇するため、自分に本当に必要なオプションだけを選ぶことが重要です。
生活スタイルや家族構成に合わせて、必要な機能だけを付け加えるようにしましょう。
不要な特約を避けることで、保険料を抑えつつ効果的な保障が得られます。
保険料と保障内容のバランスを考える
最後に重要なのは、保険料と保障内容のバランスを取り、家計に無理のない範囲で保険を設計することです。
保障を手厚くしすぎると保険料が高くなり、長期的な継続が難しくなる場合があります。
公的保障や勤務先の団体保険、他に加入している保険との重複を避けることも大切です。
必要最低限のリスクに備えつつ、必要以上に保険料をかけない「合理的な保険設計」を目指しましょう。
支出と保障の最適化によって、安心と経済的安定の両立が可能になります。


保険に加入できる条件と審査ポイント
就業不能保険に加入するためには、職業や年収、健康状態などの条件を満たし、保険会社の審査に通る必要があります。
ここでは…
- 職業・年収などの条件
- 健康状態・既往歴のチェック
- その他の審査ポイント
- 審査結果のパターン
…について解説します。
職業・年収などの条件
就業不能保険に加入するためには、まず一定の職業と安定した収入があることが前提とされています。
会社員や公務員、自営業者など、継続的な収入源を持っている人が主な対象です。
無職、学生、年金生活者、資産収入のみで生活している人は、多くの保険商品で加入対象外とされています。
また、パートやアルバイトであっても、年収が一定以上(例:100万円以上)でなければ加入できない場合があります。
さらに、自衛官・消防官・鳶職などリスクの高い職業に就いている方は、給付金額の制限や加入制限を受けることもあります。
健康状態・既往歴のチェック
加入審査では、過去および現在の健康状態について詳細な告知が求められます。
具体的には、直近3カ月以内の診察歴や、過去5年間の通院・入院・手術歴、健康診断での異常の有無などが問われます。
持病がある場合でも、症状が安定している・完治しているなど条件次第で加入可能なこともありますが、病歴によっては「不担保(保障除外)」や「割増保険料」が設定されることもあります。
特に糖尿病、がん、うつ病などの重い持病を持つ方は、審査に通らない可能性が高まります。
健康診断で要精密検査や再検査などの指摘があると、その結果が出るまでは審査が保留されるケースもあるため注意が必要です。
その他の審査ポイント
加入審査では、すでに契約している他の保険の保障内容や金額もチェックされます。
たとえば他の就業不能保険や医療保険に高額な保障を受けている場合、新たな契約で保障額に制限がかかることがあります。
また、保険会社によって「就業不能状態」の定義が異なるため、同じ申込内容でも審査結果が会社によって変わることがあるのが実情です。
精神疾患、とくにうつ病などは加入制限の対象となることが多く、治療歴があると厳しい審査を受けることになります。
加入を検討している保険商品が精神疾患を対象としているかどうか、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
審査結果のパターン
審査結果には主に「無条件承諾」「条件付き承諾」「加入不可」の3つのパターンがあります。
無条件承諾は、告知内容に問題がなく、そのまま契約が成立する場合です。
条件付き承諾とは、特定の病気や部位について保障しない(不担保)・保険料が上乗せされる(割増)などの条件がついたうえで契約できる状態です。
加入不可(審査落ち)は、リスクが高いと判断された場合や、重要な告知項目に虚偽があった場合などに発生します。
審査に落ちた場合でも、他社の商品で条件が異なる可能性があるため、複数社への比較・相談が有効です。


就業不能保険の保障内容と給付金の仕組み
就業不能保険を選ぶうえでは、どのようなリスクが保障され、どのように給付金が支払われるのかを正しく理解しておくことが重要です。
ここでは…
- 保障内容の主なポイント
- 給付金の仕組み
- 保障期間・その他の特徴
…という観点から解説します。
保障内容の主なポイント
就業不能保険の保障は、病気やケガによって長期間働けなくなった場合の生活費や収入減を補うことを目的としています。
「所定の就業不能状態」とは、医師による入院または指示に基づいた自宅療養が一定期間継続している状態を指し、保険会社によっては障害等級1・2級や要介護2以上の公的認定が条件になることもあります。
保障される疾病の範囲は保険商品によって異なり、すべての病気・ケガを対象とする「全疾病型」、がん・心筋梗塞・脳卒中に絞った「3疾病型」、がんに特化した「がん保障型」などのバリエーションがあります。
精神疾患に対しても保障がある商品はありますが、その多くは給付回数や期間に上限が設けられているため、事前の確認が必要です。
このように、保険会社やプランごとに「対象となるリスク」や「就業不能状態の定義」が異なるため、自分のニーズに合った内容かをしっかり見極めることが大切です。
給付金の仕組み
就業不能保険では、「就業不能給付金」として毎月一定額(例:5万円〜50万円)を受け取る仕組みが一般的です。
一部の保険では、年金形式での受け取りや、一時金としてまとまった金額を受け取れる商品もあり、ニーズに応じて選択が可能です。
ただし、給付が開始されるまでには「支払対象外期間(免責期間)」と呼ばれる期間(例:60日、180日など)があり、その間は給付金が支払われません。
給付金の支払期間は、就業不能状態が継続する限り保険期間満了まで続くのが一般的ですが、精神疾患などでは18回までといった上限が設けられていることもあります。
給付を受けるには、医師の診断書や療養状況の証明書など、所定の書類の提出が必要となるため、手続きの流れも確認しておくと安心です。
保障期間・その他の特徴
就業不能保険は定期型が主流で、保障期間は60歳・65歳・70歳満了など、働く期間やライフプランに合わせて設定できます。
多くは掛け捨て型の保険であり、解約返戻金や満期保険金がない代わりに、比較的安い保険料で加入できるのが特徴です。
保障をカスタマイズするための特約やオプションも用意されており、たとえば死亡保障や無事故給付金、高度障害保障などを追加することができます。
これらの特約は保障内容を広げる反面、保険料が上がるため、自分にとって本当に必要なものだけを選ぶのが賢明です。
保障期間や特約の有無によって保険の使い勝手は大きく変わるため、将来設計に合わせたプランニングが重要となります。


うつ病での給付は本当に出る?【よくある誤解】
うつ病による就業不能で保険金が受け取れるかどうかは、想像以上に複雑で、誤解されやすいポイントが多くあります。
ここでは…
- 「うつ病なら必ず給付金が出る」は誤解
- 「うつ病で自宅療養=給付対象」は誤解しやすいポイント
- 「他の病気やケガと同じ条件で給付される」は誤解
- 「どの保険でもうつ病の保障が選べる」は誤解
- 「うつ病で長期休職すれば自動的に給付される」は誤解
- なぜ精神疾患は給付条件が厳しいのか
…について解説します。
「うつ病なら必ず給付金が出る」は誤解
うつ病が原因で働けなくなった場合でも、すべての就業不能保険で給付が受けられるわけではありません。
実際には、精神疾患そのものを保障対象外としている保険会社も多く、一般的な病気やケガと同列には扱われていません。
精神疾患が対象になる保険商品も存在しますが、選べる商品は限られており、比較検討が欠かせません。
保障の有無や条件は保険会社によって大きく異なるため、「うつ病=保障される」と思い込んで契約すると、後で給付が受けられず後悔する可能性があります。
必ず事前に「精神疾患が保障対象か」を確認し、条件をしっかり理解しておくことが大切です。
「うつ病で自宅療養=給付対象」は誤解しやすいポイント
うつ病で仕事を休み、自宅で静養している場合でも、すべてが給付対象になるわけではありません。
就業不能保険の給付要件には「医師の指示による在宅療養」が含まれている必要があり、自己判断での休養は対象外とされます。
さらに、「所定の就業不能状態」が一定期間継続していることが条件となるため、医師の診断書などの証明書類が求められます。
保険会社によっては在宅療養を対象に含まない場合や、給付開始までの待期期間中は無給付であることもあるため注意が必要です。
療養の実態と医師の管理の有無が大きなポイントになるため、受診や書類準備を怠らないことが重要です。
「他の病気やケガと同じ条件で給付される」は誤解
精神疾患が給付対象となる保険であっても、他の疾病と同じ条件では給付されないことが多くあります。
たとえば、精神疾患では入院が必須とされたり、在宅療養は不可とされるなど、条件が厳格に設定されているのが一般的です。
また、給付金の回数や期間にも制限があり、「通算18回まで」などの上限があるケースも見られます。
これは精神疾患の症状が一律に判断しづらく、客観的な基準での継続的な認定が難しいという事情が背景にあります。
したがって、精神疾患を理由に保険給付を受けるためには、他の疾病以上に慎重な確認と準備が求められます。
「どの保険でもうつ病の保障が選べる」は誤解
うつ病が保障対象となる就業不能保険は一部に限られており、すべての保険で選べるわけではありません。
むしろ、多くの保険商品では、契約前に精神疾患の既往歴があると加入すらできない場合もあります。
保障対象であったとしても、給付のハードルが高かったり、特定の制限がかかることがあるため、注意が必要です。
契約前にパンフレットや重要事項説明書を確認し、「精神疾患の取り扱い」「給付の可否や条件」を丁寧にチェックしましょう。
インターネットや比較サイトだけではわかりにくい部分もあるため、不安な場合は専門家に相談するのも有効です。
「うつ病で長期休職すれば自動的に給付される」は誤解
長期間会社を休んでいたとしても、それだけで就業不能保険の給付対象になるわけではありません。
重要なのは、保険会社が定める「就業不能状態」として認定されるかどうかであり、単なる欠勤や自己判断の休職は対象外です。
認定のためには、医師による就業制限の診断や、必要に応じて障害等級などの公的認定が必要となる場合があります。
給付請求時には、診断書や勤務先の休職証明、病状経過報告書などの提出が求められることが一般的です。
長期の休職に備えるつもりで保険に加入するならば、給付に必要な要件や証明書類の要件も事前に確認しておきましょう。
なぜ精神疾患は給付条件が厳しいのか
うつ病などの精神疾患は、身体疾患と違って数値や画像で客観的に評価するのが難しいという特性があります。
そのため、保険会社としては「回復の判定」や「症状の継続性」の判断が難しく、給付基準の統一が困難とされています。
また、症状が曖昧になりやすいため、保険金の不正請求やトラブルを防ぐ観点から、給付条件を厳格に設ける傾向にあります。
公平性を保つため、精神疾患を対象に含む場合には「入院限定」や「通算給付制限」などの条件を設けていることが多いのです。
そのため、精神疾患の保障を希望する場合は、加入前の告知や給付要件の確認を特に丁寧に行う必要があります。


各社の就業不能保険を比較!【徹底シミュレーション】
就業不能保険は各社で保障内容や保険料に大きな違いがあるため、自分に合った商品を選ぶには比較が欠かせません。
ここでは…
- SBI生命「働く人のたより」
- チューリッヒ生命「くらすプラスZ」
- ライフネット生命「働く人への保険3」
- 比較・選び方のポイント
…について解説します。
SBI生命「働く人のたより」
SBI生命の「働く人のたより」は、保障内容のバリエーションが豊富で、ニーズに応じた柔軟な選択が可能な商品です。
「全疾病型」「3疾病型」「がん型」の3種類から選べる構成で、特に全疾病型では精神疾患も所定条件で保障対象になります(給付回数上限:通算18回)。
さらに、「満額タイプ」と「ハーフタイプ」から給付金額を選択できるため、自営業者や主婦(主夫)、会社員など立場に応じた調整がしやすくなっています。
月額保険料も比較的安く、35歳男性・月額10万円給付・65歳満了で約2,260円と、コストパフォーマンスを重視する方にも適しています。
精神疾患の保障が欲しい方や、自由度の高い設計を求める方には、特に検討すべき選択肢です。
チューリッヒ生命「くらすプラスZ」
チューリッヒ生命の「くらすプラスZ」は、低価格で加入できる点が魅力の就業不能保険です。
保障は全疾病型ですが、精神疾患は原則として保障対象外であり、身体疾患・ケガによる就業不能を中心に補償します。
特徴的なのは、短期給付(10日以上の療養で支給)と長期給付(障害状態で満了まで支給)の二段階構成で、短期的な収入減にも対応している点です。
月払保険料は35歳男性・月額10万円給付・60歳満了で約1,580円と非常に割安で、短期離職などへの備えを求める方に適しています。
精神疾患の保障が不要な方や、保険料をとにかく抑えたい方には有力な選択肢となります。
ライフネット生命「働く人への保険3」
ライフネット生命の「働く人への保険3」は、保障内容が柔軟で、ライフプランに合わせてカスタマイズしやすい商品です。
病気やケガによる就業不能を対象とし、精神疾患は一時金特約を付加することで一定範囲で保障される仕組みになっています。
また、給付金に加えて「復帰支援金」なども用意されており、職場復帰を目指す段階でのサポート体制も評価されています。
保険期間や給付タイプの選択肢が豊富なため、ライフイベントに応じた設計が可能で、長期視点で安心感のある商品です。
保険料は見積もり制ですが、機能性と柔軟性を重視する方にとっては、比較検討に値する保険です。
比較・選び方のポイント
各社の就業不能保険には、保障範囲や給付金の仕組み、精神疾患への対応、保険料など、さまざまな違いがあります。
精神疾患も含めた広範な保障を希望する場合は、SBI生命の全疾病型やライフネット生命の一時金特約付きプランが有力です。
保険料を抑えたい場合は、チューリッヒ生命やSBI生命のハーフタイプを選ぶことでコスト削減が可能です。
また、短期の収入減にも備えたい場合は、短期給付があるチューリッヒ生命が便利ですし、保障の柔軟性を重視する方にはライフネット生命が向いています。
免責期間や給付条件、職業や年収による給付制限など、細かな条件も比較しながら、自分のライフスタイルに最適な保険を選びましょう。


「就業不能保険は不要」と言われる理由とは?
就業不能保険には必要性を感じる人がいる一方で、「実は不要なのでは?」という声も少なくありません。
ここではその理由として…
- 公的保障(傷病手当金・障害年金など)が充実しているから
- 十分な資産や副収入がある場合は不要とされる
- 共働き・扶養家族がいない場合はリスクが低い
- 保険料負担やコストパフォーマンスの問題
- 保険の支払い条件が厳しい・分かりにくい
- 他の保険や制度と重複しやすい
…について解説します。
公的保障(傷病手当金・障害年金など)が充実しているから
就業不能保険が不要とされる大きな理由の一つは、会社員や公務員に対しては公的保障が比較的整備されている点です。
たとえば「傷病手当金」は最長1年6か月間、給与の約3分の2が支給されるため、短〜中期の就業不能には一定の備えになります。
また、障害等級の認定を受ければ「障害年金」も受給可能であり、制度を理解し活用すれば生活のベースを支えることは可能です。
これらの制度が存在することから、「保険をかけなくてもある程度は公的に守られている」と考える人が増えています。
特に企業勤務で福利厚生が整っている方にとっては、民間保険の必要性が低く感じられる傾向にあります。
十分な資産や副収入がある場合は不要とされる
高額な預貯金や不労所得(家賃収入、配当金など)を持つ人にとっては、就業不能に備える保険の必要性は相対的に低いと考えられます。
仮に長期間働けなくなったとしても、生活資金を資産から捻出できるため、保険で備えるメリットが小さくなります。
また、保険料を長年支払うよりも、その分を資産運用や自己投資に回す方が合理的だと考える方も少なくありません。
金融リテラシーの高い層ほど「自分でリスクに備える」という意識が強く、保険への依存度は低くなる傾向にあります。
こうした層にとって、就業不能保険は“不要な固定費”と捉えられることもあります。
共働き・扶養家族がいない場合はリスクが低い
単身者や共働き世帯では、一人分の収入が減ったとしても生活が大きく破綻するリスクは低いと考えられます。
特に扶養家族がいない場合、万が一就業不能になっても他者の生活に影響を与えることは少なく、自分の生活だけを最小限支えれば良いという判断になります。
そのため、「無理に保険料を払ってまで保障を得る必要はない」という意見が生まれやすくなります。
また、家計の余裕がある世帯では「困ったときは貯金で対応できる」という考え方が根強く存在します。
ライフスタイルに応じてリスクの重みが異なるため、就業不能保険の必要性も相対的に変わってくるのです。
保険料負担やコストパフォーマンスの問題
就業不能保険は、内容によっては月々の保険料が高額になるため、長期的なコストに見合わないと感じる人もいます。
給付を受ける機会がないまま保険期間が終了すると、「掛け捨て」で損をしたように感じられることもあります。
このような「使わないかもしれない保険」にお金をかけるよりも、その分を貯蓄や投資に回した方が合理的という判断がなされがちです。
また、保険料が高いと継続加入が難しくなり、途中で解約してしまうケースも少なくありません。
結果として、「支払うだけで終わるかもしれない」と考える人にとっては、不要とされる理由の一つになります。
保険の支払い条件が厳しい・分かりにくい
就業不能保険は、給付金の支払いに関する条件が他の保険よりも複雑で、理解しづらいと感じる人も多いです。
「就業不能状態」の定義が保険会社ごとに異なり、給付を受けるためのハードルが高く設定されているケースが一般的です。
また、精神疾患は対象外とされる場合が多く、「実際に必要な場面で使えない」との不信感につながることもあります。
給付開始までに60日・180日などの免責期間がある点も、すぐに保障されないというデメリットとして捉えられています。
そのため、加入後に思ったように給付が受けられないリスクがあることから、「最初から加入しない方がいい」と考える人もいるのです。
他の保険や制度と重複しやすい
就業不能保険の保障内容は、医療保険や収入保障保険など、他の保険商品と重複することが少なくありません。
たとえば、死亡保障がある収入保障保険には就業不能時の補償が含まれていたり、医療保険で入院中の収入減をカバーできる設計がされていることもあります。
そのため、「すでに加入している保険で十分」と判断し、新たに就業不能保険を追加する必要性を感じないケースが多くなります。
また、会社の団体保険や福利厚生の一環として、同様の保障を受けられる場合もあります。
こうした重複を避け、全体の保険設計を最適化したいという視点から、不要と判断されることがあるのです。


就業不能保険のメリット
就業不能保険には、働けなくなったときの生活を支えるための大きなメリットがあります。
ここでは…
- 公的保障で不足する生活費をカバーできる
- 医療保険でカバーできないリスクも補える
- 毎月決まった給付金で家計の安定につながる
- 定年やライフプランに合わせて保険期間を設定できる
…について解説します。
公的保障で不足する生活費をカバーできる
会社員や公務員であっても、病気やケガで働けなくなった場合、傷病手当金などの公的保障では生活費全体をまかなうことが難しい場合があります。
特に自営業者やフリーランスは公的保障が限定的であり、就業不能になったときの備えが手薄です。
就業不能保険に加入することで、こうした公的制度だけではカバーしきれない収入減を補填することができます。
住宅ローンや子どもの教育費など、毎月固定でかかる費用を支払える安心感は大きなメリットです。
「もしも」に備えた生活の安定手段として、就業不能保険は重要な選択肢のひとつです。
医療保険でカバーできないリスクも補える
医療保険は基本的に入院費や手術費など医療費の補填を目的としており、生活費までは対象としていません。
一方、就業不能保険は退院後の在宅療養期間や、療養中に発生する生活費、住宅ローンなどの支出に対しても備えることができます。
とくに長期にわたる療養やリハビリ期間中の経済的支えとして、医療保険と役割を分けて活用することが効果的です。
医療費は比較的短期間で収束することもありますが、収入減は長期化することもあるため、別の視点でのリスクヘッジが可能になります。
このように、医療保険だけではカバーしきれない生活面の経済的リスクに対応できる点は大きな魅力です。
毎月決まった給付金で家計の安定につながる
就業不能保険では、条件を満たすと毎月決まった額の給付金が支払われ、給与のように安定した収入を得ることができます。
この定期的な収入により、生活水準を大きく落とさずに済むという点は、多くの加入者が安心できるポイントです。
とくにローンの支払いや子育てなど、月々の支出が一定している家庭にとっては、精神的にも大きな支えになります。
収入がゼロになるリスクを軽減することで、療養に集中できる環境が整い、心身の回復にも良い影響を与えるでしょう。
不確実な状況下でも生活の見通しが立つという点で、毎月給付型のメリットは非常に高いといえます。
定年やライフプランに合わせて保険期間を設定できる
就業不能保険は保険期間を柔軟に設定できるため、自分のライフプランに沿った保障設計が可能です。
たとえば、子どもの独立や住宅ローンの完済時期、退職予定年齢などに合わせて60歳や65歳までの保障を選べます。
ライフイベントに応じて必要な期間だけ加入することで、過不足のない備えができます。
また、働き方が多様化するなかで、定年後も就業を続ける人向けに70歳満了の保険も増えてきています。
保障期間の自由度が高いことは、現代の働き方にフィットした保険商品といえるでしょう。


就業不能保険のデメリット
一方で、就業不能保険には理解しておくべき注意点やデメリットも存在します。
ここでは…
- 免責期間が長い(すぐに給付金が出ない)
- 精神疾患は保障対象外の場合が多い
- 持病があると保険料が高くなる、または加入できないことがある
- 保険選びが難しい・保障内容が複雑
- 保険料負担が続く
…について解説します。
免責期間が長い(すぐに給付金が出ない)
就業不能保険には「免責期間」と呼ばれる待機期間があり、就業不能状態になってもすぐに給付金が支払われるわけではありません。
多くの商品では、給付開始までに60日や180日といった期間が設定されており、その間は無給となります。
この期間中の収入減には別途備えが必要なため、保険だけに頼るのはリスクがあります。
免責期間を短くすることも可能ですが、保険料はその分高くなるため、バランスが求められます。
給付までに時間がかかるという点は、保険の使い勝手に影響を与える注意点のひとつです。
精神疾患は保障対象外の場合が多い
うつ病や双極性障害など、精神疾患を理由とした就業不能は、多くの保険商品で保障対象外とされていることがあります。
精神疾患も対象となる商品はありますが、給付条件が厳しく、たとえば入院が必要であったり、給付回数に制限がある場合があります。
また、加入時に精神疾患の既往歴があると、そもそも契約できない、あるいは不担保として扱われることも珍しくありません。
精神的な理由で働けなくなるケースが増えている現代において、保障範囲の制限は大きなデメリットです。
精神疾患の保障を希望する場合は、対象範囲や給付条件をしっかり確認することが不可欠です。
持病があると保険料が高くなる、または加入できないことがある
加入時の健康状態は審査に大きく影響し、持病や既往歴があると保険料が割増されたり、契約自体ができない場合があります。
たとえば、糖尿病や心疾患、うつ病など、再発リスクがある疾患は特に審査が厳しくなる傾向があります。
加入できたとしても、該当する病気に対しては給付がされない「不担保条件」がつくこともあります。
そのため、加入前には過去の通院歴や健康診断の結果などをしっかり整理しておくことが重要です。
持病がある場合は、加入できる保険の選択肢が限られることを理解したうえで比較検討する必要があります。
保険選びが難しい・保障内容が複雑
就業不能保険は商品によって保障範囲、免責期間、給付条件が大きく異なり、内容を比較するのが難しいと感じる人が多いです。
特に「就業不能状態」の定義や、精神疾患の扱い、公的認定の必要有無などは、商品ごとに細かく設定されています。
保険内容を十分に理解せずに加入してしまうと、実際に必要なときに給付対象外となるリスクもあります。
また、パンフレットや公式サイトだけでは情報が不足しており、FP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家に相談する必要があることもあります。
複雑な内容に戸惑いや不信感を抱きやすい点は、検討者にとって大きなハードルとなります。
保険料負担が続く
就業不能保険は毎月保険料を支払う必要があるため、長期間にわたって固定費が増えることになります。
実際に給付を受けることなく満期を迎えた場合、「掛け捨てで損をした」と感じる人も少なくありません。
また、収入に対して保険料の割合が高い場合、家計への負担となりやすく、途中で解約してしまうリスクもあります。
そのため、加入時には必要保障額と保険料のバランスをよく考慮し、長期的に無理なく継続できるかを判断する必要があります。
コストパフォーマンスの観点から、保険に慎重になる人が多いのは自然な流れといえます。


就業不能保険ランキング
就業不能保険は保障内容や保険料、精神疾患対応の有無などで商品ごとに大きな違いがあるため、比較検討が欠かせません。
ここではそのランキングとして…
- SBI生命「働く人のたより」
- チューリッヒ生命「くらすプラスZ」
- アクサダイレクト生命「働けないときの安心」
- ライフネット生命「働く人への保険3」
- 東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」
…について解説します。
SBI生命「働く人のたより」
SBI生命の「働く人のたより」は、2025年現在、最も高い評価を得ている就業不能保険のひとつです。
全疾病型・3疾病型・がん型から選べる柔軟性があり、精神疾患も全疾病型に加入すれば通算18回まで保障されます。
「満額タイプ」と「ハーフタイプ」が用意されており、職業や家計に応じて保険料を調整できる点も魅力です。
保険料水準は業界でも最安クラスで、主婦・主夫など一般的に加入が難しい層も対象となっているのが特徴です。
顧客満足度も高く、初めての就業不能保険としても安心して選べる商品です。
チューリッヒ生命「くらすプラスZ」
チューリッヒ生命の「くらすプラスZ」は、短期と長期の2段階で収入をサポートする独自の構造が魅力の保険です。
短期的には10日以上の入院・療養で給付が開始され、長期的には障害状態が続いた場合に保障されます。
精神疾患に対しても、障害等級1級や入院条件を満たすことで保障対象となるなど、条件付きながら対応があります。
復職後も給付を継続する仕組みがあり、仕事復帰の支援としても役立ちます。
保険料も割安で、コストを抑えながら短期のリスクにも備えたい方に向いている商品です。
アクサダイレクト生命「働けないときの安心」
アクサダイレクト生命の「働けないときの安心」は、精神疾患も含む全疾病型の就業不能保障を提供する数少ない商品です。
精神疾患による就業不能も通算18回まで給付対象となっており、保障範囲が広い点が特長です。
満額タイプ・ハーフタイプを選べる設計で、保険料を自分のニーズに応じて調整しやすい点も評価されています。
保険料自体も割安で、精神疾患に備えながらコストを抑えたい人には非常に適した商品です。
保障内容と価格のバランスが取れており、コストパフォーマンス重視派におすすめです。
ライフネット生命「働く人への保険3」
ライフネット生命の「働く人への保険3」は、自営業やフリーランスといった非雇用者でも手厚い保障を選べる保険です。
保険料を抑えたい人には「ハーフタイプ」、十分な保障を希望する人には「満額タイプ」があり、柔軟な設計が可能です。
年収だけで高額な保障が設定できるため、不安定な働き方をしている方にも対応力があります。
また、復帰支援一時金など、就労再開に向けたサポートが用意されている点も評価されています。
フリーランスや副業時代の働き方に合った商品として注目されています。
東京海上日動あんしん生命「あんしん就業不能保障保険」
東京海上日動あんしん生命の「あんしん就業不能保障保険」は、保障範囲が非常に広いことが特長です。
がん・急性心筋梗塞・脳卒中・糖尿病・慢性腎疾患の「5疾病」に加え、障害や介護状態まで対応する設計となっています。
重度の病気だけでなく、介護が必要になったときにも備えたい方にとって、有力な選択肢となります。
精神疾患については明記されていないため、他商品と比較して慎重な確認が必要です。
総合的にカバーしたい方や、将来の介護リスクも考慮したい方に向いています。


まとめ|就業不能保険で「もしも」に備える選択肢を
病気やケガで働けなくなる「もしも」に備えるために、就業不能保険は現代のライフスタイルに応じた重要な選択肢です。
ここではまとめとして…
- 公的保障だけでは不十分な場合がある
- 精神疾患も含めた備えが重要になる時代
- 職業や働き方に応じた保障設計が必要
- 保険料と保障内容のバランスを見極める
- 比較・相談で納得できる選択を
…について解説します。
公的保障だけでは不十分な場合がある
会社員や公務員であれば傷病手当金や障害年金といった公的保障が整備されていますが、それでも生活費すべてをまかなえるとは限りません。
特に住宅ローンや教育費、家族の生活費がかかる世帯にとっては、給与の約3分の2だけでは赤字になるケースもあります。
また、自営業者やフリーランスなどはそもそも傷病手当金の対象外であり、無収入になるリスクがより深刻です。
そうしたギャップを埋める手段として、民間の就業不能保険は有効な選択肢となります。
あらかじめ備えることで、療養中の生活を安定させることができるのです。
精神疾患も含めた備えが重要になる時代
うつ病や適応障害など、精神的な理由による休職・離職は年々増加しており、誰にとっても現実的なリスクとなっています。
しかし、精神疾患は保障対象外とする保険も多く、カバー範囲に違いがあるため注意が必要です。
精神疾患に対応した就業不能保険を選べば、休職期間中の経済的不安を軽減し、安心して回復に専念することができます。
保険会社によって条件が異なるため、保障対象の有無、給付回数や条件などをよく比較することが大切です。
現代の就労環境を踏まえ、身体疾患だけでなく精神疾患も想定した備えを検討すべき時代といえるでしょう。
職業や働き方に応じた保障設計が必要
会社員、公務員、自営業者、フリーランス、主婦・主夫など、それぞれの働き方によって就業不能時のリスクは大きく異なります。
たとえば、自営業者やフリーランスは公的保障が薄いため、手厚い保険による備えがより重要になります。
一方、会社員は傷病手当金を受け取れる期間との兼ね合いで、免責期間を長く設定し、保険料を抑える選択も可能です。
また、家族構成や収入の安定性によっても必要な給付金額は変わってきます。
自分の職業特性と家計の構造を見直し、必要な保障内容を明確にしてから商品を選ぶようにしましょう。
保険料と保障内容のバランスを見極める
就業不能保険は保障内容が充実するほど保険料も高くなるため、家計への負担と保障のバランスが求められます。
過剰な保障をつけると保険料が高くなりすぎ、継続が難しくなる場合もあります。
一方、保障が不十分だと「いざ」という時に生活を支えきれないリスクが生じます。
「満額タイプ」と「ハーフタイプ」など、給付金額を柔軟に選べる保険商品もあるため、自分の支出と照らし合わせて設計することが大切です。
将来のリスクを想定しながらも、今の生活を圧迫しないバランスを意識することが、無理なく備えるポイントです。
比較・相談で納得できる選択を
就業不能保険は、保障範囲、給付条件、免責期間、精神疾患の扱いなど、商品によって細かな違いがあります。
パンフレットや公式サイトだけでは分かりにくい部分も多く、自分だけで判断するのが難しいと感じる方も少なくありません。
その場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)や保険ショップなど、専門家に相談して情報を整理すると安心です。
複数社の商品を比較して、納得のいく選択をすることで、加入後の後悔を防ぐことができます。
保険は「万が一」に備えるものだからこそ、冷静に、そして納得したうえで契約することが大切です。

