働きたくない。
でも仕事はしなくてはいけない。
…そうなると、社会人としてできるだけ少しでもより良い生活をするコツが必要になってきます。
もちろん本人自身の努力や能力改善も重要です。
でも、それ以上に取り巻く環境の改善も必要になります。
そこで今回は「働くことに関わる環境の特徴」についてまとめました。
仕事したくない。
働きたくない。
…といった人はもちろん、
少しでも働きやすいようにするためのコツが知りたい。
…という働きにくさを感じている人の一助になれれば幸いです。
働くことに関わる環境は2つに分けられる
「働くことに関わる環境」って、実は大きく次の2つに分けることができます。
- 職場の環境
- 地域生活や職業生活に関する環境
それぞれ詳しくみていきます。
職場の環境
これは自分が勤務する職場の環境そのものを指しますね。
一般的な職場の環境は次のような項目で構成されています。
- 物理環境
- 技術環境
- 組織環境
- 心理社会環境
- 経済環境
- 職場外環境
こういった項目別で職場の環境を捉えなおすことで、個人の特性を考えた環境の調整や修正が可能になっていきます。
では、以下にそれぞれ解説します。
物理環境
この“物理環境”に当てはまる項目としては…
- 建築・作業空間
- 温度
- 湿度
- 騒音
- 照明
- 振動
- 換気
- 危険性
- 姿勢・動作を規制する機器・道具の構造
…などがあげられます。
いわゆる「ハード」として扱われるものがこの物理環境といえます。
技術環境
この“技術環境”に当てはまる項目としては…
- 製品・サービス・情報の生産に必要な機器や道具
- 操作技能
- ノウハウ情報
- 感覚・判断・識別能力
- 知識と技能
- 例外処理の仕方
- 注意の対象と程度
- 作業方法
- 作業分担などの条件
…などが当てはまります。
これらは「ソフト」として扱われるものになると思います。
項目内にある、「操作技能」や「ノウハウ情報」、「感覚・判断・識別能力」や「知識と技能」などは環境に当てはまるのか?という意見もあるかもしれません。
しかし、その『職場が抱える資産』という観点でみれば、そういった技能や能力をもつ“人材”に当たると解釈できます。
組織環境
“組織環境”に当てはまる項目としては…
- フォーマルな地位と役割の体系
…があげられます。
これは、職業的な目的を達成するために意図的で計画的に設けられた環境ともいえます。
例としては「課長」「係長」「部長」「主任」「プロジェクトリーダー」といった成員の役割行動を規定する枠組みになると解釈できます。
これは人事や時期によって変わっていくので、比較的変動的な環境とも言えます。
心理社会環境
“心理社会環境”に当てはまる項目としては…
- 心理的な結合関係
- 社会的な価値観や規範
…があげられます。
「心理的な結合関係」とは、組織内の成員間の“心理的な結合関係”を意味します。
そして「社会的な価値観や規範」とは、その職業に対しての社会的なイメージや印象…という解釈ができます。
前述した“組織環境”とは異なり、どちらかと言えば情緒的な人間関係の基礎になり得ます。
この環境の根底にあるものが、人間関係(リレーションシップ)になります。
経済環境
これは給料やボーナスといった…
- 経済的な報酬
…に関する項目が当てはまります。
その労働への対価としての給料も“働くことに関わる環境の一部分”という視点で考えることが、ここでの考え方になります。
職場外環境
これは職業的な活動以外の様々な役割遂行に許容される時間とされています。
その職場環境が、どれだけプライベートな時間を侵害せずにいるのか?という解釈でしょうね。
地域生活や職業生活に関する環境
もちろん仕事を継続していくためには、職場を離れた地域生活の維持も必要になります。
ここではプライベートな環境を意味します。
そのプライベートが、働くことを支援し、サポートする環境であるかどうか?ということになります。
地域生活環境
領域と項目 | 内容 |
---|---|
1.住宅事情 | 障害特性に適合した構造、専用住宅 |
2.地域生活の状況 | 地域の店舗、地理 |
3.家族等の状況 | 適切な支援、擁護できる状況 |
4.余暇生活の状況 | 現場を離れた余暇の過ごし方 |
5.福祉制度の利用 | 福祉や年金制度の知識、活用の仕方 |
6.支援体制の状況 | 援助機関の種類や内容、人的資源の状況 |
7.社会の態度と理解 | 地域住民や雇用主の障害者への態度や理解 |
まとめ
本記事では、働くことに関わる環境の特徴の分類について解説しました。
障害を有するクライアントを、どういう風に仕事復帰、職場復帰できるようにするか?ってことを考えるのも、リハビリである作業療法の一つなんです。
その方法は大きくわけると2つで、本人の能力を訓練し向上させる直接的なアプローチと、取り巻く環境を本人の目的遂行のために合わせるような間接的(代償的)アプローチとの2つに大きく分けることができます。
今回ご紹介した働くことに関わる環境の特徴の分類を知ることは、まさにこの間接的(代償的)アプローチといえます。