高次脳機能障害の一つである”遂行機能障害”は日常生活では、具体的にどのような影響を及ぼすのでしょうか？
本記事ではこの遂行機能障害の日常生活への影響について解説します。
遂行機能障害の日常生活への影響
遂行機能障害は日常生活に大きな影響を及ぼします。
ここでは代表的な影響として…
- 計画的な行動ができない
- 段取りがうまく取れない
- 自分で物事を決めることができない
- 物事を始めることができない
- 複数の作業に優先順位をつけてすることができない
…について解説します。
計画的な行動ができない
遂行機能障害の日常生活への影響の一つは、計画的な行動が難しいことです。
たとえば、週末に友達と出かける計画を立てる際、具体的な日程やアクティビティの選択が困難で、目標が明確になりません。
結果として、友達との予定が順調に進行せず、計画が実行されないことがあります。
また、仕事においても、プロジェクトの進捗を適切に管理できないため、期日に間に合わないことが起こります。
計画的な行動が制約されることで、日常生活のスムーズな遂行が難しくなり、ストレスや効率性の低下が生じます。
段取りがうまく取れない
遂行機能障害の日常生活への影響の一つは、段取りが上手くできないことです。
例えば、料理をする際に、料理の手順や調理時間を適切に考えず、材料や調味料を混ぜ合わせる過程で混乱してしまうことがあります。
また、日常の買い物でも、必要なものをリストアップせずに店に行き、必要な物を忘れてしまうことがあります。
このような段取りの難しさは、家事や買い物だけでなく、仕事やプロジェクト管理にも影響を及ぼします。
プロジェクトのスケジュールやタスクの順序を考えることが難しく、遂行機能障害がある場合、計画的な作業が効果的に行えないため、時間とリソースの無駄遣いが生じることがあります。
自分で物事を決めることができない
遂行機能障害の日常生活への影響の一つは、自己決定力の低下です。
具体的な例を挙げると、友人との食事の場面で、レストランや料理の選択に迷い、他人に選んでもらうことが多いです。
また、仕事においても、プロジェクトの方向性や意思決定において自分から積極的に意見を述べることが難しく、他人の意見に従うことが増えます。
自己決定力の低下は、個人の主体性と自己表現に影響を及ぼし、日常生活や仕事において他者の影響を強く受けることとなります。
これにより、個人のニーズや目標の達成が難しくなり、他人との調整が必要になることがあります。
物事を始めることができない
遂行機能障害の日常生活への影響の一つは、新たな物事を始めることが難しいことです。
たとえば、新しい趣味やプロジェクトに取り組む場合、具体的なステップを踏むことが難しく、計画や行動の開始に時間がかかります。
また、仕事においても、新たなプロジェクトや課題に取り掛かる際、最初の一歩を踏み出すことが難しく、タスクの先延ばしや達成感の低下が起こります。
この影響により、目標設定から実際の行動への移行が滞り、日常生活や仕事において計画的な進行が難しくなります。
遂行機能障害を抱えた人は、新しいことを始める際に特に支援や戦略が必要であり、自己モチベーションを高める取り組みも重要です。
複数の作業に優先順位をつけてすることができない
遂行機能障害の日常生活への影響の一つは、複数の作業に優先順位をつけて同時に遂行することが難しいことです。
たとえば、家庭内で洗濯と料理を同時に行おうとすると、どちらを優先すべきか判断がつかず、両方の作業が滞りがちです。
仕事においても、複数のプロジェクトが同時に進行している場合、どれを最初に取り組むべきかを決定できないため、時間の無駄遣いやタスクの遅延が発生します。
この影響により、効率性が低下し、重要なタスクが疎かにされることがあります。
遂行機能障害を抱えた人は、優先順位をつけるスキルを向上させるために支援が必要であり、計画的なタスク管理の戦略を習得することが役立ちます。
