浮腫の評価、検査としてなにより最初のステップに”問診”があげられます。
本記事では、この浮腫の問診のポイントについて解説します。
浮腫に関する問診
浮腫の検査と評価の最初のステップは、問診になります。
問診では、患者との対話を通じて症状や病歴を詳しく尋ねることで情報を収集します。
項目としては…
- 浮腫の発生箇所
- 浮腫の程度
- 時間的な経過
- 関連する症状
- 自覚症状
- 既往症
- アレルギー歴
- 家族歴
- 薬物の使用
- 生活状況
…などがあげられます。
以下にそれぞれ解説します。
浮腫の発生箇所
むくみがどの部位に現れているかを特定します。
代表的な箇所として、例えば、顔、手足、腹部などが浮腫の発生箇所として挙げられます。
浮腫の程度
浮腫の程度について問診でも確認します。
軽度、中等度、重度などで表現され、むくみの広がりや腫れの大きさを把握します。
時間的な経過
浮腫がいつから始まり、それ以降に変化があったかを尋ねます。
急性的な発症か、慢性的な継続かを確認する必要があります。
関連する症状
浮腫と関連する他の症状について詳細を尋ねます。例えば、疼痛、発熱、発赤、かゆみ、呼吸困難などの症状があるかを確認します。
自覚症状
患者自身が感じている症状を尋ねます。
例えば、むくみ以外に体重増加、足首の太さの増加、身体の重だるさなどが自覚症状として挙げられます。
既往症
過去に経験した疾患や手術、慢性的な疾患の有無を詳しく尋ね確認することも問診には必要です。
特に心臓病、腎臓病、甲状腺疾患などが浮腫の原因に関連することがあります。
アレルギー歴
アレルギーも浮腫の原因となるため、食品や薬剤によるアレルギーの有無についても確認します。
家族歴
遺伝的な要因が関与する場合があるため、浮腫や関連疾患について、家族に同様の症状があるかを確認することも重要です。
薬物の使用
現在使用中の薬物、処方薬、サプリメント、漢方薬など、薬物の使用歴を尋ねます。
特定の薬物が浮腫の原因となる場合があります。
非ステロイド系消炎鎮痛剤、Ca拮抗薬、漢方薬仁丹、ホルモン剤などの使用がある場合は浮腫につながりやすいといえます。
生活状況
日常生活のパターンや環境に関する情報を詳しく尋ねます。
食事習慣、運動量、排尿や排便の状態などが浮腫の要因に関与することがあります。