呼吸障害の患者の肺の状態は、打診でも評価することができます。
本記事では、肺の打診方法のポイントについて解説します。
呼吸障害の打診(パーカッション)においては…
- 打診する場所
- 打診音の種類
- 打診音の比較
- 打診音の変化
- 打診音の対称性の比較
- 打診音の広がり
…といったポイントに注意することが重要です。
以下にそれぞれ解説します。
打診する場所
肺の打診は、非利き手の中指全体を胸郭の測定部位に置き、皮膚が少しへこむ程度に圧をかける方法が一般的です。
患者の胸部を指や手のひらで軽くたたき、左右の肺野を比較します。
打診音の比較
打診音は、清音、濁音、鼓音の3種類があります。
空気の多い肺野では清音、空気の多い胃部では鼓音、空気の少ない肝臓や心臓などでは濁音が生じます。
正常な肺では、胸部のパーカッション音は均一で清音です。
異常な音や音の変化を注意深く聴診します。
打診音の反響
パーカッション音の反響は、肺組織の状態や肺野の空気の量に関連しています。
正常な肺では、空気の多い部分(気腫部位)では鼓音が増加し、肺組織が異常な密度を持つ部分では鼓音が減少します。
音の反響を注意深く聴診し、異常な反響を探ります。
打診音の変化
肺の異常部位では、パーカッション音が変化することがあります。
例えば、肺気腫の場合は過度の鼓音が生じることがあり、肺浸潤や炎症の場合は音が減弱することがあります。
音の変化に留意し、異常な所見を捉えることが重要です。
打診音の対称性の比較
肺野のパーカッション音は左右で比較して評価します。
左右の肺野で音の差異がある場合、特定の領域で音が変化している場合には、その部位に異常がある可能性があります。
打診音の広がり
異常な気腫や肺浸潤のような病態では、パーカッション音の広がりが見られることがあります。
肺の異常部位の境界が広がっているかどうかを確認します。

肺の打診による検査は、道具を使わないからすぐに実施できる方法といえるね!
呼吸器リハに関わるセラピストは、聴診技術と一緒に身につけておきたい技術といえますね!
