メイソン‐椎野変法 – 検査目的、評価方法・カットオフ値について

検査

“メイソン‐椎野変法”とは慢性関節リウマチの方の活動性を評価する方法の一つです。
本記事ではこの検査目的や評価項目、カットオフ値などについて解説します。


メイソン‐椎野変法とは?

元々、慢性関節リウマチのクライアントに対しては血液検査によってその疾患の程度を評価していました。
しかし、1992年にJH Masonらは「rapid assessment of desease activity in rheumatology:RADAR」という、血液検査を必要としないクライアントの活動性を評価する方法を発表しました1)

このRADARを“椎野泰明”と“白浜正人”が改良し、ADLとの妥当性を見出して、リハビリテーションにおける活動性評価表として有用的にしたものが“メイソン‐椎野変法”になります。

メイソン‐椎野変法のメリット

メイソン‐椎野変法はクライアント自身に行ってもらう“自己記入式”です。
また、5分程度と短い時間で行うことができる点がメリットとしてあげられます。

加えて、被験者であるクライアントの活動性の変化をリアルタイムに把握することができます。
つまり、その評価結果を基に作業療法計画の立案にすぐに役立つこともメリットの一つとしてあげられます。

メイソン‐椎野変法の項目について

メイソン‐椎野変法は主に4つの質問によって構成されています。

  • 被験者の関節について
  • 手指のこわばりについて
  • 現在の状態について
  • 関節毎の痛みや腫れについて

以下にそれぞれ解説します。

被験者の関節について

Q:あなたの関節について答えてください。(線上にバツ印をつけてください)
1)本日の関節の腫れの程度はどのくらいですか?(10)
2)本日の関節の痛みはどれくらいですか?(10)

手指のこわばりについて

Q:今朝、目か覚めたとき、手指が動かしにくくこわばっていましたか?
1)いいえ
2)はい

こわばった感じの持続時間はどれくらいですか?1つだけ〇印をつけてください。

時間 点数
30分以内 0
30分~1時間 2
1~2時間 4
2~4時間 6
4時間以上 8
1日中 10

③現在の状態について

Q:本日あなたの状態を表している項目を1つ選んで〇印をつけて下さい。

状態 点数
不自由なく通常の仕事ができる 0
不快感はあるが普通の仕事ができる 4
通常の仕事はほとんとできない 7
寝たきりあるいは座ったきりでほとんどあるいはまったく自分のことができない 10

④関節毎の痛みや腫れについて

Q:本日の関節の痛みや腫れの程度を下記の関節ごとに左右ともに、0~3の1つに〇印をして下さい。

関節
0 1 2 3 0 1 2 3
0 1 2 3 0 1 2 3
0 1 2 3 0 1 2 3
0 1 2 3 中手指関節 0 1 2 3
0 1 2 3 近位指関節 0 1 2 3
0 1 2 3 0 1 2 3
0 1 2 3 0 1 2 3
0 1 2 3 0 1 2 3
0 1 2 3 足の甲 0 1 2 3
0 1 2 3 足趾 0 1 2 3

メイソン‐椎野変法の点数とカットオフ値について

メイソン‐椎野変法は100点満点で、その点数が高ければ高いほど活動性としては低いことになります。
またメイソン‐椎野変法はあくまで慢性関節リウマチの被験者の“現在の活動性”を数値化した評価法なので、カットオフ値というものは特に決められていないようです。

進行性の疾患だからこそ、経時的にモニタリングする必要があるだろうね!
だからこそ定量的な評価を行うことも重要でしょうね!

参考

1)Mason JH, Anderson JJ, Meenan RF, Haralson KM, Lewis-Stevens D, Kaine JL. The rapid assessment of disease activity in rheumatology (radar) questionnaire. Validity and sensitivity to change of a patient self-report measure of joint count and clinical status. Arthritis Rheum. 1992 Feb;35(2):156-62. doi: 10.1002/art.1780350206. PMID: 1734905.

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