髄膜炎でよくみられる典型的な症状に”髄膜刺激症状”があります。
本記事では…
- 髄膜刺激症状とは?
- 髄膜刺激症状の典型的な症状、特徴
…について解説します。
髄膜刺激症状とは?
髄膜刺激症状(meningeal irritation)とは、出血や感染などで髄膜が刺激された時に出現する症状の総称になります。
髄膜刺激症候とも呼ばれます。
髄膜刺激症状の典型的な症状と特徴
では、髄膜刺激症状の典型的な症状、特徴とはどのようなものになるのでしょうか?
一般的には…
- 頭痛
- 嘔吐
- 項部硬直
- ケルニッヒ徴候
- ブルジンスキー徴候
…などがあげられます。
以下にそれぞれ解説します。
頭痛
髄膜が刺激されることで、脳内の神経や血管が牽引されたり、炎症物質によって刺激されます。
そのため強い頭痛が起こります。
嘔吐
また、髄膜への刺激によって嘔吐中枢が刺激されたり、頭蓋内圧が上昇することもあります。
その結果、嘔吐が起こります。
項部硬直
頸部の筋肉が反射的に収縮して、首を曲げることが困難になる”項部硬直”も典型的な髄膜刺激症状の兆候の一つです。
仰臥位の患者の頭部を持ち上げると抵抗がある診察所見を指します。
髄膜炎以外ではくも膜下出血などでも認められます。
ケルニッヒ徴候
髄膜刺激症状には、腿屈筋の攣縮によって足を伸ばすことが困難になる”ケルニッヒ徴候(Kernig’s sign)”も認められます。
これは、仰臥位の状態で下肢を曲げ伸ばししようとすると、抵抗や疼痛を感じる診察所見を指します。
この場合、膝関節の伸展角度が135度未満になると陽性と判断されます。
通常、両足にみられるようです。
ブルジンスキー徴候
加えて、髄膜刺激症状には”ブルジンスキー兆候”も認められます。
これは仰臥位の状態で患者の頭部を前屈させると、自動的に下肢が屈曲する反射的な動きを示す状態です。
股関節、膝関節の屈曲に伴って腰も屈曲する場合もあります。
髄膜刺激症状がわかると髄膜炎の早期発見にもつながるだろうね!
早期発見・早期治療が重要な疾患ですからね!