小腰筋- 起始・停止・支配神経・血液供給・主な働きや作用

小腰筋は、脊柱の最下部から始まり、骨盤に向かって伸びる大きな筋肉で、股関節の屈曲や体幹の前屈などに重要な役割を果たしています。
本記事では小腰筋について解説します。


小腰筋の起始・停止

起始 T12、L1 椎骨の椎体
停止 腸恥骨隆起、恥骨稜

小腰筋(psoas major muscle)は、その構造と機能が複雑で、腰部から骨盤にかけての重要な役割を果たしています。
ここでは、小腰筋の…

  • 起始
  • 経路
  • 停止

…について具体的に解説します。

起始

小腰筋は脊椎のT12(第12胸椎)とL1(第1腰椎)の椎体およびそれらの間にある椎間板から起始します。
これにより、この筋肉は胸椎と腰椎の接続部に強く固定されており、脊柱の動きと密接に関連しています。

経路

小腰筋はその起始点から下方へ向かって伸び、腹部を通過しながら徐々に平らで長い腱に移行します。
この腱は筋肉部分よりも長く、筋肉の収縮力を骨盤に効率的に伝達する役割を担います。
小腰筋の腱は、主に筋肉の収縮と伸張をスムーズに行うための構造です。

停止

小腰筋の腱は最終的に骨盤の特定の部位に停止します。
具体的には、恥骨櫛(pecten pubis)と腸恥隆起(iliopubic eminence)の間にある腸恥筋膜弓(iliopectineal arch)に付着します。
腸恥筋膜弓は、腸恥筋(iliopsoas muscle、小腰筋と大腰筋の腱が一体化した部分)の腱を覆う厚い腱状の筋膜で、腱が直接骨に摩擦することなくスムーズに動くことを可能にします。

小腰筋のこの構造的配置は、脚を前に上げる(股関節の屈曲)動作や、体を前方に屈曲させる動作において中心的な役割を果たすんだ!
また、体幹の安定性にも寄与し、特に立位や歩行などの動作で重要なんですね!

小腰筋の支配神経

神経支配 脊髄神経 L1 の前枝

小腰筋は、脊髄神経L1の前枝から支配を受けています。
この神経支配により、小腰筋は脊椎と関連する運動機能を担います。

この神経支配の理解は、腰痛や姿勢の問題などの症状の原因を特定するんだ!
リハビリテーションにおける適切な治療法を選択する際に役立つ知識といえますね!

小腰筋の栄養血管

血液供給 腰動脈

小腰筋(psoas major muscle)と大腰筋(iliacus muscle)は、腰部の重要な筋肉で、腰部から大腿部にかけての動きに関与しています。
これらの筋肉の血管供給についてここでは…

  • 小腰筋の血管供給
  • 大腰筋からの寄与
  • 関連動脈

…について解説します。

小腰筋の血管供給

小腰筋は主に腰動脈(lumbar arteries)から血液が供給されます。
腰動脈は腹部大動脈の側枝であり、各腰椎のレベルで分岐して脊柱筋や腹壁の筋肉にも血液を供給します。
小腰筋に対しては、これらの腰動脈が筋肉の深部に浸透し、必要な酸素や栄養素を供給します。

大腰筋からの寄与

大腰筋は、小腰筋と共に骨盤の内側に位置する筋肉ですが、その血液供給は主に外腸骨動脈(iliolumbar artery)と大腿動脈の枝から来ることが多いです。
ただし、小腰筋との近接性から、大腰筋の血管ネットワークからも若干の血液が小腰筋へ寄与することがあります。
これらには…

  • 腸腰動脈
  • 閉鎖動脈
  • 外腸骨動脈
  • 大腿動脈の枝

…が含まれる場合があります。
それぞれ解説します。

腸腰動脈(iliolumbar artery)

これは外腸骨動脈から分岐する動脈で、大腰筋への主要な血液供給を提供します。

閉鎖動脈(obturator artery)

これも外腸骨動脈から分岐し、骨盤の筋肉や腹部の一部に血液を供給します。
小腰筋に直接的な影響は少ないが、近接部位への血液供給に寄与する可能性があります。

外腸骨動脈(external iliac artery)

これは主に下肢への血液を供給しますが、骨盤の筋肉にも影響を与えることがあります。

大腿動脈の枝(branches of the femoral artery)

大腿動脈は腿の前面を走り、多くの小枝を分岐させて周囲の筋肉に血液を供給します。

これらの血管は複雑に絡み合いながら、これらの筋肉に対して必要な血液供給を行っているんだ!
特に、小腰筋と大腰筋は機能的に密接に連携しているため、その血液供給も相互に関連しているのが一般的なんですね!

小腰筋の機能・作用

機能 体幹の弱い屈曲・側屈

小腰筋の主な機能、働きとしては…

  • 体幹の屈曲
  • 腰椎の前屈
  • 下肢の動き

…があげられます。
それぞれ解説します。

体幹の屈曲

小腰筋は体幹を前に曲げる動作(屈曲)を補助します。
例えば、座位から立位への移動や、体を前に曲げる動作に関与しています。

腰椎の前屈

小腰筋は腰椎部分に直接付着しているため、腰椎の前屈(前方への曲げ動作)を可能にします。
これにより、体の柔軟性と動きの範囲が増加します。

下肢の動き

小腰筋は大腿骨(femur)にも接続しているため、歩行や走行時の腿の持ち上げ(股関節の屈曲)にも寄与します。

小腰筋の機能的重要性

小腰筋は比較的大きな筋肉であり、その機能的重要性は人によって異なるかもしれませんが、一部の人々ではこの筋肉が特に発達していることがあります。
特に、ランナーやバレーダンサーなど、腰椎と腿の動きが頻繁に必要とされるスポーツ選手においては、小腰筋の強化がパフォーマンス向上に寄与することがあります。

小腰筋の弱点

小腰筋が「非常に弱い」という表現は、一般的に筋肉の損傷や疾患に対する脆弱性を指す場合があります。
実際には、この筋肉は重要な機能を担っているため、適切な強度と柔軟性を維持することが重要です。
怪我や過度のストレスが小腰筋に影響を与えると、痛みや機能の障害を引き起こすことがあります。
そのため、適切なトレーニングと休息が重要です。

小腰筋が存在しなくても日常生活に大きな影響がないという観点は、他の筋肉が小腰筋の機能の一部を代替可能であるためかもしれないんだ!
しかし、特定の活動や動作の効率を高めるためには、この筋肉の健康を維持することが推奨されますね!

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