頭蓋内圧の亢進の症状

講座

頭蓋内圧が亢進すると、様々な症状を引き起こします。
本記事では頭蓋内圧亢進の症状について解説します。


頭蓋内圧の亢進による症状とは?

頭蓋内圧の亢進による症状は、次のようなものが一般的に報告されています。

  • 頭痛
  • 嘔吐
  • うっ血乳頭
  • 意識レベルの変化
  • 徐脈
  • 痙攣

以下にそれぞれ解説します。
*もちろんすべての症状が必ずしも現れるわけではありません。

頭痛

頭蓋内圧亢進による頭痛は、しばしば非常に強く、持続的な特徴を持ちます。
この頭痛は、特に朝方に激しくなる傾向があり、体位変更や咳、くしゃみで増悪することがあります。
頭蓋内圧が高まると、脳の神経組織や血管に圧力がかかり、痛みの信号が引き起こされます。

頭痛は、頭蓋内圧亢進のもっとも一般的な症状の一つであり、他の原因による頭痛と区別するためには詳細な診察が必要です。

嘔吐

頭蓋内圧亢進に伴う嘔吐は、しばしば頭痛と並行して発生し、突然かつ警告なしに起こることがあります。
この嘔吐は、脳の圧迫が増加することにより脳幹の嘔吐中枢が刺激されるために発生します。

嘔吐は、特に脳腫瘍、脳出血、脳炎などの頭蓋内疾患によく見られる症状ですが、消化器系の問題と誤診されることがあるため、他の神経学的症状と合わせて評価することが重要です。

うっ血乳頭

うっ血乳頭は、視神経乳頭の腫れであり、これは頭蓋内圧の上昇による視神経の圧迫により発生します。
うっ血乳頭は眼底検査によって確認され、視力低下や視野欠損などの視覚障害を引き起こす可能性があります。

うっ血乳頭の発見は、頭蓋内圧亢進の重要な診断指標となり、迅速な治療が必要な場合があります。

意識レベルの変化

頭蓋内圧亢進による意識レベルの変化は、軽度の意識の混濁から深刻な昏睡に至るまで幅広い症状を示すことがあります。
意識レベルの変化は、脳幹や大脳皮質への圧迫が原因で起こることが多く、緊急性が高い状態を示唆します。

意識の変化は、頭蓋内圧亢進による直接的な影響である場合もありますが、低酸素血症や代謝異常など他の原因による可能性もあるため、包括的な評価が必要です。

徐脈

頭蓋内圧亢進に伴う徐脈は、脳幹の圧迫によって生じる自律神経系の反応です。
徐脈は、特にクッシング反射(高血圧と徐脈の組み合わせ)の一部として現れることがあり、脳幹の重篤な圧迫を示唆する重要な徴候です。

徐脈の発現は、頭蓋内圧が危険なレベルに達していることを示し、緊急の治療が必要な状態を示します。

痙攣

頭蓋内圧亢進による痙攣は、脳の圧迫による神経細胞の過剰な興奮によって引き起こされます。
痙攣は、特に脳腫瘍、脳炎、脳出血などの症状として現れることがあり、しばしば最初の症状として現れることもあります。

痙攣は、特定の脳領域の障害を示すことがあり、神経学的な損傷の可能性を示唆するため、注意深い評価が必要です。

頭蓋内圧の亢進にみられる症状を知っておくことで、患者さんの変化にもすぐに気づくことができると思うんだ!
リハビリセラピストにも、疾患の発生機序と症状を結び付けて考える癖が求められますね!

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