TEG3(東大式エゴグラム)は、東京大学医学部心療内科が開発した性格検査で、交流分析理論に基づき、5つの自我状態のバランスから性格特性や行動パターンを評価します。
本記事ではこの特徴や対象年齢、方法や活用場面などについて解説します。
TEG3とは
TEG(Tokyo University Egogram)は、東京大学医学部心療内科TEG研究会が開発した性格検査で、交流分析理論に基づいています。
新版TEG 3(2019年出版)は、1984年の初版以来の改訂を重ねたもので、5つの自我状態のバランスから性格特性と行動パターンを把握します。
回答は「はい」「いいえ」「どちらでもない」の53問で構成され、診療報酬点数は80点です。
TEG3の特徴
TEG3の特徴として…
- 東京大学医学部診療内科TEG研究会が開発
- 項目反応理論を用いた新しいテスト理論
- 53問の質問項目と簡単な回答形式
- 5つの自我状態を測定
- 幅広い分野での活用
…があげられます。
それぞれ解説します。
東京大学医学部診療内科TEG研究会が開発
TEG(Tokyo University Egogram)は、東京大学医学部心療内科TEG研究会が開発した性格検査です。
この研究会は1984年に初版を発表して以来、複数回の改訂を重ねてきました。
TEGは交流分析理論に基づいており、エリック・バーンの理論を基礎としています。
最新の『新版TEG 3』(2019年出版)は、2006年の『新版TEGⅡ』の改訂版です。
この長い歴史と改訂の積み重ねが、TEGの信頼性と妥当性を高めています。
項目反応理論を用いた新しいテスト理論
『新版TEG 3』は、新しいテスト理論である項目反応理論を用いて開発されました。
項目反応理論は、従来の古典的テスト理論とは異なり、各質問項目の特性を詳細に分析することができます。
これにより、より精度の高い性格特性の測定が可能となりました。
特に、個々の質問項目がどの程度信頼できるか、どのように回答が分布するかを評価することで、テスト全体の質を向上させています。
この理論を採用することで、TEG 3は現代の心理測定においても高い信頼性を維持しています。
53問の質問項目と簡単な回答形式
TEG 3の質問項目は全部で53問あり、回答形式は「はい」「いいえ」「どちらでもない」の三択です。
このシンプルな回答形式により、回答者は短時間でテストを完了することができます。
通常、回答には10分程度、採点には5分程度しかかかりません。
この手軽さは、忙しい現代人にとって非常に便利であり、ストレスなく性格検査を受けることができます。
また、コンピューターによる採点も可能で、迅速かつ正確な結果を得ることができます。
5つの自我状態を測定
TEG 3は、5つの自我状態(批判的親、養育的親、大人、自由な子ども、適応的子ども)のバランスを測定します。
これにより、個人の性格特性と行動パターンを把握することができます。
各自我状態は、エリック・バーンの交流分析理論に基づいており、個人の内面的な状態を詳しく分析します。
例えば、批判的親は厳格さや規律を象徴し、自由な子どもは創造性や自発性を象徴します。
これらのバランスを見ることで、個人の強みや改善点を明確にすることができます。
幅広い分野での活用
TEG 3は、医療、産業、教育などの幅広い分野で活用されています。
医療分野では、心療内科や精神科での患者の治療方針の決定やメンタルヘルスの改善に役立っています。
産業分野では、リーダーシップ開発やマネジメント開発、コミュニケーション能力の向上に利用されています。
教育分野では、学級の現状分析や生徒指導、進路指導に活用されています。
これにより、様々な場面での人間関係の改善や自己理解の促進に貢献しています。
TEG3の対象年齢
EG3の対象年齢は16歳以上と設定されています。
これは、16歳以上の人々が一般的に自己認識や抽象的思考能力を持ち、性格特性や行動パターンを自己報告式で適切に評価できると考えられているためです。
高校生以上であれば、質問項目に対する理解度も高く、正確な回答が期待できます。
年齢が上がるにつれて、個人の経験や知識も増え、より深い自己理解が可能になるため、TEG3は幅広い年齢層に適用可能なツールとなっています。
エゴグラムにおける5つの自我
TEG3ではその結果を5つの自我状態として解釈します。
その5つの自我とは…
- 批判的親(Critical Parent, CP)
- 養育的親(Nurturing Parent, NP)
- 大人の自分(Adult, A)
- 自由な子どもの自分(Free Child, FC)
- 適応的子ども(Adaptive Child, AC)
…になります。
それぞれ解説します。
批判的親(Critical Parent, CP)
批判的親(CP)は、厳格さや規律、道徳を象徴する自我状態です。
この自我状態が高い人は、ルールや基準を重視し、他人に対しても厳しい評価を下すことがあります。
CPの特徴として、判断力や批判力が強く、問題解決においても厳しい態度を取ることが多いです。
この自我状態は、適切に活用されれば、組織や社会の規律を維持するために重要な役割を果たします。
しかし、過度に強いと、人間関係において対立やストレスの原因となることもあります。
養育的親(Nurturing Parent, NP)
養育的親(NP)は、優しさや保護、支援を象徴する自我状態です。
この自我状態が高い人は、他人に対して思いやりや援助を提供することに長けています。
NPの特徴として、他者の感情やニーズに敏感であり、支援的な行動を取る傾向があります。
この自我状態は、育成や教育、カウンセリングなどの場面で非常に有用です。
しかし、過度に強いと、他人に依存されやすくなり、自分自身のニーズを犠牲にすることがあるかもしれません。
大人の自分(Adult, A)
大人(A)は、論理的思考や客観性、現実的な判断を象徴する自我状態です。
この自我状態が高い人は、冷静で合理的な判断を下し、感情に流されずに事実に基づいて行動します。
Aの特徴として、問題解決や意思決定において、データや情報を重視し、現実的なアプローチを取ることが挙げられます。
この自我状態は、ビジネスや科学的研究、戦略的計画などの場面で重要な役割を果たします。
しかし、過度に強いと、感情や直感を無視し、人間味に欠けると見なされることがあります。
自由な子ども(Free Child, FC)
自由な子ども(FC)は、創造性や自発性、楽しさを象徴する自我状態です。
この自我状態が高い人は、自由奔放で、独創的なアイデアや行動を取ることを楽しみます。
FCの特徴として、柔軟で革新的な思考を持ち、新しい挑戦や冒険を好む傾向があります。
この自我状態は、創造的な仕事や芸術活動、問題解決において新しい視点を提供するために非常に有用です。
しかし、過度に強いと、規律やルールを無視しがちで、無責任な行動を取ることがあるかもしれません。
適応的子ども(Adaptive Child, AC)
適応的子ども(AC)は、従順さや適応性、他人の期待に応えることを象徴する自我状態です。
この自我状態が高い人は、他人の意見や要求に敏感で、それに応じて自分の行動を調整します。
ACの特徴として、協調性が高く、対人関係において柔軟に対応する能力があります。
この自我状態は、チームワークやサービス業、教育現場などで重要な役割を果たします。
しかし、過度に強いと、自分の意見やニーズを抑え込み、自己表現が困難になることがあります。
このようなバランスを取ることが、健康な人間関係と自己成長に繋がります。
TEG3の方法
TEG3の方法としては…
- 質問紙の準備
- 質問への回答
- 採点
- 結果の解釈
- 結果の活用
…というステップにわけられます。
それぞれ解説します。
質問紙の準備
TEG 3は、53項目からなる質問紙で構成されています。
各質問には、「はい」「いいえ」「どちらでもない」の三つの選択肢が設けられています。
この簡潔な形式により、回答者は直感的に回答することが容易となっています。
質問項目は性格や行動に関するもので、回答者の日常生活や自己認識に基づいた回答が求められます。
この準備段階では、質問紙を手元に用意し、リラックスした状態でテストに臨むことが重要です。
質問への回答
各質問に対して、自分に最も当てはまると感じた選択肢に〇を付けます。
このプロセスでは、深く考え過ぎずに直感的に回答することが望ましいです。
直感的な回答は、より正確な性格評価を得るために重要です。
通常、全ての質問に回答するのに約10分程度かかります。
回答者は、自己の内面と向き合いながら、できるだけ正直に回答することが求められます。
採点
回答用紙に記載のある採点方法に従って進めます。
具体的には、各質問の回答をもとに、CP(批判的親)、NP(養育的親)、A(大人)、FC(自由な子ども)、AC(適応的子ども)の5つの尺度(自我状態)の得点を計算します。
採点には約5分程度かかりますが、専用のソフトウェアを使用することで迅速かつ正確に行うことも可能です。
このステップで得られた各自我状態のスコアが、エゴグラムの基礎となります。
結果の解釈
得点を棒グラフに表し、自己の性格傾向や行動パターンについて把握します。
このエゴグラムは、各自我状態のエネルギー量を視覚的に示すもので、性格特性を一目で理解することができます。
例えば、批判的親(CP)が高い人は厳格で規律を重視する傾向があり、自由な子ども(FC)が高い人は創造的で自発性が高い傾向があります。
この解釈を通じて、自己理解を深めることができ、個々の強みや課題を明確にすることができます。
結果の活用
得られた結果をもとに、自己理解を深めたり、自己改善のための行動指針を立てたりします。
例えば、エゴグラムで特定の自我状態が極端に高い場合、その特性をどう活かすか、またはバランスを取るためにどのような行動を取るべきかを考えることができます。
これにより、日常生活や職場でのコミュニケーション改善、ストレス管理、リーダーシップの向上などに役立てることができます。
また、専門家(カウンセラーや医療従事者)によるフィードバックを受けることで、具体的な改善策やアドバイスを得ることができます。
これらの活用方法を通じて、個人の成長とメンタルヘルスの向上を図ることができます。
TEG3のメリット
TEG3のメリットとしては…
- 自己理解の深化
- 客観的な理解
- 負担が少ない
- 結果が視覚的に理解しやすい
- 自己変化の把握
自己理解の深化
TEG3は、自分の性格特性や行動パターンを理解するための強力なツールです。
各自我状態(批判的親、養育的親、大人、自由な子ども、適応的子ども)を測定することで、個人の内面を詳細に分析します。
これにより、自己の強みや弱み、潜在的な課題を明確にすることができます。
自己理解を深めることで、日常生活や仕事、対人関係において、より効果的に行動するための指針を得ることができます。
TEG3を活用することで、自己改善やパーソナルグロースの一助となります。
客観的な理解
TEG3は、信頼性や妥当性が厳密に検証された心理検査です。
大規模な標本を基に標準化されており、個々の結果が全体の中でどのような位置にあるのかを客観的に理解することができます。
これにより、自己評価が主観的なバイアスに影響されることなく、より正確な自己認識が可能になります。
標準化されたデータを基にした結果は、他者との比較や自己の成長を測る際にも有用です。
この客観性は、自己理解を深めるだけでなく、他者とのコミュニケーションにも役立ちます。
負担が少ない
TEG3は、質問紙法というシンプルな方式で実施されます。
全53項目の質問に対して、「はい」「いいえ」「どちらでもない」の三択で回答する形式であり、通常10分程度で回答が完了します。
短時間で完了するため、回答者にとっての負担が少なく、気軽にテストを受けることができます。
さらに、コンピューターによる採点が可能であり、迅速かつ正確な結果を得ることができます。
この手軽さと効率性が、TEG3を多くの人々にとって利用しやすいものにしています。
結果が視覚的に理解しやすい
TEG3の結果は、エゴグラムとして視覚的に表示されます。
各自我状態のスコアが棒グラフとして示され、視覚的に一目で理解することができます。
この視覚化により、自己の性格特性や行動パターンのバランスを直感的に把握することができます。
グラフ化された結果は、専門家によるフィードバックや自己改善の計画を立てる際にも非常に有用です。
また、結果を他者と共有することで、コミュニケーションの質を向上させることも可能です。
自己変化の把握
TEG3を定期的に実施することで、自己の変化を追跡することができます。
例えば、一定期間ごとにTEG3を受けることで、自分の性格特性や行動パターンの変化を確認できます。
これにより、自己改善の進捗を評価し、さらにどのような対策が必要かを判断することができます。
自己変化の把握は、個人の成長や目標達成に向けた重要なフィードバックを提供します。
このように、TEG3は長期的な自己理解と成長を支援するための強力なツールとなります。
TEG3のデメリット
一方、TEG3のデメリットとしては…
- 誤解や理解不足
- 年齢による知識の差
- 自己報告式の限界
- 意図的な操作
- 一時的な状態の影響
- 結果の過度な一般化
…があげられます。
それぞれ解説します。
誤解や理解不足
TEG3の質問に対する誤解や理解不足があると、テストの精度が低くなる可能性があります。
特に、質問が曖昧に感じられたり、解釈に個人差が生じる場合、正確な回答が得られにくくなります。
このような誤解が蓄積すると、結果として得られるエゴグラムも実際の性格特性や行動パターンを正確に反映しないことがあります。
誤解を避けるためには、テストの前に質問内容を十分に理解することが重要です。
しかし、全ての回答者が同じ程度に質問を理解できるわけではないため、結果の解釈には注意が必要です。
年齢による知識の差
TEG3の対象年齢は16歳以上とされていますが、高校生と社会人では知識や経験に大きな差がある可能性があります。
特に、社会人の方が実生活での経験が豊富であり、より深い自己理解を持っている場合が多いです。
この差がテスト結果に影響を与え、年齢層によって異なる傾向が出ることがあります。
そのため、同じテスト結果でも、年齢や経験に基づく背景情報を考慮しながら解釈することが求められます。
これを無視すると、結果の信頼性や妥当性が低下する可能性があります。
自己報告式の限界
TEG3は自己報告式の心理検査であるため、受検者が自分の性格や感情を正確に理解し、それを正確に回答する能力が求められます。
しかし、自己理解には限界があり、必ずしも自分の内面を完全に把握しているとは限りません。
また、回答者の自己認識が現実と一致していない場合、テスト結果もそれに伴って誤ったものになる可能性があります。
自己報告式のテストの性質上、この限界を完全に克服することは難しいですが、結果を多角的に捉えることで精度を高める工夫が必要です。
意図的な操作
受検者が自分を良く見せたい、あるいは特定の結果を得たいと思った場合、意図的に回答を操作する可能性があります。
このような操作は、特に職場や学校などの評価に関わる場面で発生しやすいです。
結果として、得られるエゴグラムが実際の性格や行動を反映しなくなるため、信頼性が低下します。
この問題に対処するためには、回答者に対してテストの重要性と正直な回答の必要性を強調することが重要です。
それでも、完全に意図的な操作を防ぐことは難しいため、結果の解釈には慎重さが求められます。
一時的な状態の影響
受検者の一時的な気分や状態がTEG3の結果に影響を及ぼす可能性があります。
例えば、ストレスが高い時期や感情が不安定な時期にテストを受けると、その一時的な状態が結果に反映され、通常の性格特性とは異なる結果が出ることがあります。
このような場合、得られたエゴグラムはその時点の一時的な状態を反映しているに過ぎず、長期的な性格特性を正確に表しているとは言えません。
そのため、テストの結果を解釈する際には、回答者の一時的な状態も考慮に入れることが重要です。
結果の過度な一般化
TEG3の結果はあくまで一つの指標であり、それを過度に一般化して全体的な性格や能力を判断することは適切ではありません。
エゴグラムは性格特性や行動パターンの一部を示すものであり、全体像を把握するためには他の評価方法や情報も必要です。
例えば、他の心理テストやインタビュー、観察結果などを組み合わせることで、より包括的な理解が得られます。
結果を過度に一般化すると、誤った判断や対応が生じる可能性があるため、慎重な取り扱いが求められます。
TEG3の注意点
TEG3の注意点としては…
- 質問への理解
- 年齢による知識の差
- 回答の操作
- 結果の解釈
…があげられます。
それぞれ解説します。
質問への理解
TEG3の質問に対する誤解や理解不足があると、テストの精度が低くなる可能性があります。
各質問項目は性格特性や行動パターンを測定するために設計されているため、回答者が正確に理解して回答することが重要です。
質問が曖昧に感じられたり、解釈に個人差が生じる場合、正確な結果が得られにくくなります。
例えば、専門用語や抽象的な表現が含まれている場合、回答者が適切に理解できないことがあります。
誤解を避けるためには、テストの前に質問内容を十分に説明し、回答者が質問を正しく理解しているか確認することが重要です。
年齢による知識の差
TEG3の対象年齢は16歳以上とされていますが、高校生と社会人では知識や経験に大きな差がある可能性があります。
特に、社会人は実生活での経験が豊富であり、より深い自己理解を持っている場合が多いです。
この差がテスト結果に影響を与え、年齢層によって異なる傾向が出ることがあります。
そのため、同じテスト結果でも、年齢や経験に基づく背景情報を考慮しながら解釈することが求められます。
年齢による知識の差を認識し、適切な解釈を行うことが、テスト結果の信頼性と妥当性を保つために重要です。
回答の操作
TEG3の検査意図が明確であるため、回答者が自分を良く見せたい、あるいは特定の結果を得たいと思った場合、意図的に回答を操作する可能性があります。
このような操作は、特に職場や学校などの評価に関わる場面で発生しやすいです。
結果として、得られるエゴグラムが実際の性格や行動を反映しなくなるため、信頼性が低下します。
この問題に対処するためには、回答者に対してテストの重要性と正直な回答の必要性を強調することが重要です。
それでも、完全に意図的な操作を防ぐことは難しいため、結果の解釈には慎重さが求められます。
結果の解釈
エゴグラムの結果は5つの自我状態(批判的親、養育的親、大人、自由な子ども、適応的子ども)の高低だけで表されます。
この単純化された表示は、一見して理解しやすい反面、パターンに当てはまりの悪い中間型や微妙なニュアンスを見逃す可能性があります。
特に、エゴグラムの結果を性格の全体像として捉えることは危険であり、誤解を招くことがあります。
各自我状態を個別に理解し、その相互関係やバランスを慎重に考慮することが重要です。
また、結果を他の心理評価や観察と併せて総合的に判断することが望まれます。
TEG2とTEG3との違い
TEG2とTEG3の違いとしては…
- 質問項目の変更
- 標準化
- テスト理論の採用
- テスト理論の採用
…があげられます。
それぞれ解説します。
質問項目の変更
TEG3では、TEG2からの変更点として、質問項目が一部変更されています。
TEG2の質問項目は、初版から長年にわたり使用されてきましたが、時代の変化や新しい研究成果を反映するために、TEG3ではより現代的かつ精度の高い質問項目に改定されました。
これにより、回答者の性格特性や行動パターンをより正確に測定することが可能になりました。
具体的には、旧版の質問の中で曖昧だったり、解釈に個人差が出やすかった項目が見直され、より明確で理解しやすい質問に変更されています。
これにより、回答者の誤解や理解不足を減らし、テストの信頼性を向上させています。
標準化
TEG3では、新たに標準化が行われています。
標準化とは、大規模なサンプルを基にして、各質問項目の信頼性や妥当性を検証し、テスト全体の基準を設定するプロセスです。
TEG2も標準化されていましたが、TEG3では最新のデータを用いて再度標準化が実施され、より現代の日本社会に適合した基準が設定されました。
これにより、個々のテスト結果がより正確かつ一貫性のあるものとなり、回答者の特性を全体の中で適切に評価することが可能となりました。
新しい標準化によって、TEG3は幅広い年齢層や職業層に対して、より適切な評価を提供できるようになりました。
テスト理論の採用
TEG3では、新しいテスト理論である項目反応理論(IRT: Item Response Theory)が採用されています。
項目反応理論は、各質問項目の特性を詳細に分析し、個々の回答者の能力や特性をより正確に測定するための方法です。
これに対して、TEG2では古典的テスト理論(CTT: Classical Test Theory)が主に使用されていました。
IRTの採用により、TEG3は各質問項目がどの程度の信頼性を持っているか、回答がどのように分布するかを精密に評価することができるようになりました。
これにより、テスト全体の質が向上し、より信頼性の高い結果を提供することができます。
出版年
TEG2は2006年に出版されましたが、TEG3は2019年に出版されました。
この13年間の間に、心理学や測定理論の分野では多くの進展があり、これらの新しい知見がTEG3に反映されています。
また、社会的な変化や人々の価値観の変化も考慮されており、TEG3は現代の日本社会における回答者の特性をより正確に評価するための内容となっています。
出版年の差は、テストの信頼性や妥当性に直接影響を与え、TEG3は最新のデータと理論を基にした、より現代的で信頼性の高い心理テストとなっています。
このような背景から、TEG3はTEG2に比べて、より洗練された評価ツールとなっています。