WeeFIM(子供のための機能的自立度評価法)- 特徴・検査項目・評価尺度について

WeeFIM(子供のための機能的自立度評価法)- 特徴・検査項目・評価尺度について 検査

ADLを評価する方法の代表的なものとしてFIMがあげられます。
しかし、FIMの対象年齢は7歳以上であるため、7歳未満の小児に対しては“WeeFIM”という評価方法を使用することになります。

今回は、子供のための機能的自立度評価法である“WeeFIM”の特徴や検査項目、評価尺度などについて解説します。


子供のための機能的自立度評価法(WeeFIM)とは?

子供のための機能的自立度評価法である“WeeFIM(functional independence measure for children)”は、1990年にマッケイブ(McCabe)らによって開発されました。
成人のFIMと同じように一般のADLである13項目と、心理社会ADLである5項目の合計18項目から構成されています。

ちなみに“Wee”とは“小さな”という意味になるそうです。

WeeFIMの対象年齢について

生後6か月から7歳までを対象としています。

評価尺度と点数について

WeeFIMの評価尺度についてですが、主介護者による介助の度合いに応じて7段階に分かれています。
また、総得点は最低18点最高126点になります。

WeeFIMと他の検査の相関性について

WeeFIMの総得点と各発達検査法(津守式乳幼児精神発達検査法と遠城寺式乳幼児分析的発達検査法)から求めた発達年齢との間には高い相関がみられるとの報告があります。
また、“WeeFIMは発達検査でとらえきれないADL項目ごとの自立度や介護度を評価することが可能である”との報告もあります。

WeeFIMの検査項目について

WeeFIMの検査項目についてですが、基本的には成人用のFIMと同じ18項目になります。

  • セルフケア:食事・整容・清拭・入浴・更衣(上半身)・更衣(下半身)
  • 排泄コントロール:排尿・排便
  • 移乗:ベッド/いす/車いす・トイレ・浴槽/シャワー
  • 移動:歩行/車いす・階段
  • コミュニケーション:理解・表出
  • 社会的認知:社会的交流・問題解決・記憶

以下に詳しく解説します。

セルフケア

セルフケアの項目では、次のような日常生活動作について評価します。

  • 食事:咀嚼、嚥下を含めた食事動作
  • 整容:口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔
  • 清拭:風呂、シャワーなどで首から下(背中以外)を洗う
  • 更衣(上半身):腰より上の更衣および技師、装具の装着
  • 更衣(下半身):腰より下の更衣および技師、装具の装着
  • トイレ動作:衣服の着脱、排泄後の清潔

排泄管理

排泄管理の項目では、次のような排泄に関してのコントロールについて評価します。

  • 排尿:排尿コントロール、器具や薬物の使用を含む
  • 排便:排便コントロール、器具や薬物の使用を含む

移乗

移乗の項目では、次のような移乗動作について評価します。

  • ベッド、いす、車いす、トイレ:それぞれの間の移乗、起立動作
  • 風呂、シャワー:浴槽、シャワー室へ(から)の移乗

移動

移動の項目では、次のような移動動作について評価します。

  • 歩行、車いす、這い這い:屋内での歩行、車いす移動、または這い這い
  • 階段:12~14段の階段昇降

コミュニケーション

コミュニケーションの項目では、次のようなコミュニケーション能力について評価します。

  • 理解:日常会話の理解、複数の指示の理解
  • 表出:基本的欲求、考えの表現(音声的、非音声的)

社会的認知

社会的認知の項目では、次のような能力について評価します。

  • 社会的交流:遊びへの参加、決まりの理解
  • 問題解決:日常生活上での問題解決 (例)電話をかける、食料品を選り分けてしまう
  • 記憶:ゲームやおもちゃの遊び方、休日や誕生日の記憶、詩や歌の記憶、氏名、年齢、性、いないいないばーのマネ

FIMとは異なって小児向けであることが評価項目からもわかるね!
セラピストだけではなく保護者の協力も得られるとより精度が増しそうですね!

WeeFIMの評価尺度について

WeeFIMの評価尺度についてですが、介助者の介助量、介助負担によって7段階で判定します。

  • 7点:完全自立(補助具などを使わずに、通常の時間内で安全に)
  • 6点:修正自立(補装具などを使用、時間がかかる、安全性に問題)
  • 5点:監視または準備(見守り、指示、準備の時間内で、安全に)
  • 4点:最小介助(子供自身で課題の75%以上=介助量25%以下)
  • 3点:中等度介助(子供自身で課題の50%以上=介助量26%以上50%未満)
  • 2点:最大介助(子供自身で課題の25%以上=介助量51%以上75%未満)
  • 1点:全介助(子供自身では課題の25%未満=介助量75%以上)

WeeFIMも“しているADL”が検査対象

WeeFIMもFIM同様、できる活動ではなく、普段している活動を介助の程度でみることで、自立度を評価しようとする方法になります。
また、項目別自立度のパターンが明らかになるので、作業療法プログラム作成と効果の継時的評価に有効であるとの意見もあります。

WeeFIMでは6か月からが評価対象年齢だから、評価者が標準の月齢や年齢と可能な動作や日常の様子を把握しておく必要があるだろうね!
でないと、被験者のそのADL動作が正常なのか異常があるのかわからなくなってしまいますからね!

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