遂行機能とは? – 定義・要素や種類について

“遂行機能”とはどのような機能になるのでしょうか?
本記事では…

  • 遂行機能の定義
  • 遂行機能の要素

…について”料理”を例にして解説します。

遂行機能とは?

遂行機能(executive function)は、日常生活で問題に遭遇した際に、それを解決するために必要な一連の認知・行動機能の総称です。
これは、計画立て、集中力を維持し、自制心を持つなどの能力を含みます。

この機能は、人が社会的、自立的、創造的な活動を行うのに非常な重要な役割を果たします。

遂行機能の要素

遂行機能は4つの要素で構成されています。
具体的には…

  • 目標設定
  • 計画立案(プランニング)
  • 計画実行
  • 効果的遂行

…になります。
以下にそれぞれ解説します。

目標設定

“目標設定”は遂行機能の不可欠な要素であり、特定の目的や望む結果を明確に定義するプロセスです。

例えば、料理をするという目標を設定する場合で考えてみます。
この場合、さらに具体的な目標として「家族のために健康的で美味しい夕食を毎日準備する」と定義することができます。
そうすると、この目標設定により、料理に関する具体的なスキルや知識、食材の調達方法、調理時間の管理など、必要な要素が明確になります。

この目標に向けて、具体的な料理レシピを学び、食材の選定方法を知り、効率的な調理手順を習得する計画を立てることができます。
目標が明確であれば、食材の買い物リストを作成したり、料理のスケジュールを組んだりすることが容易になります。

つまり、遂行機能における目標設定とは、意志や動機付けによって、今後何が必要か、何をしたいかを考えることとされています。

計画立案

遂行機能における「計画立案」とは、目的をもって一連の活動を有効に成し遂げるため、自ら目標を設定し、細かい手順の計画を立てることです。

料理をするという目標を持つ場合、計画立案は具体的な料理プロジェクトを計画的に進める手段となります。
例えば、「週に一度、家族のために健康的でバランスの取れた夕食を用意する」という目標で考えてみます。

計画立案の最初のステップは、料理のレパートリーを調査し、家族の好みや特別なニーズに合わせたレシピを選ぶことになります。
次に、必要な食材をリストアップし、効率的な買い物方法を計画します。
また、料理に必要な時間や道具、調味料などを把握し、準備を整えます。

週の始めにメニューを計画し、必要な食材を購入する日を設定します。
さらに、具体的な調理手順や時間管理を考慮したスケジュールを立てます。

つまり、遂行機能における計画立案は、目標を達成するための道筋を明確にし、効果的な行動を可能にする鍵になるということです。

計画実行

遂行機能における”計画実行”とは、将来の目標を達成するために、計画を立てて実行する能力のことです。
この段階では、計画を具現化し、目標に向かって行動化が必要です。

「週に一度、家族のために健康的で美味しい夕食を用意する」という目標を設定した場合、計画実行はその目標を実現するための具体的なステップを踏むことです。

もちろん料理をするという目標を実現するためには、計画を具現化し、具体的な行動に移す計画実行のスキルが必要になります。

効果的遂行

遂行機能における”効果的遂行”とは、常に目標を意識し、遂行中の行動がどの程度目標に近づいているかを推測して、より効率的な方法を採ることです

例えば、健康的で美味しい夕食を家族に提供することを目標にした場合、効果的な遂行は以下のようなステップに現れます。

最初に、料理のレパートリーを調査し、家族の好みや栄養的なニーズに合わせたレシピを選びます。
次に、料理の準備を始めながら、途中で目標に向かってどの程度進んでいるかを常に意識します。
例えば、野菜の切り方や調理時間、調味料の量などを調整し、目標に近づけるよう努めます。

さらに、途中で問題が発生した場合には、即座に対処策を考え出し、効率的かつ目標に合致した方法を採ります。
たとえば、予期せぬ食材の不足に直面した場合には、代替の食材を使ったり、既存の材料でクリエイティブな料理を考案することで、目標達成の方策を見つけ出します。

このように、効果的な遂行は、料理のプロセス全体で目標に向かって最適な方法を見つけ出し、効率的かつ効果的に目標を達成する能力を高めることに繋がります。

“遂行機能”はこの4つの要素で構成されているってことを把握しておく必要があるだろうね!
普段何気なく行っていることを、こうして要素別に分けて考えることも重要でしょうね!
もしこの記事に修正点やご意見がございましたら、お手数ですがお問い合わせまでご連絡ください。 皆様の貴重なフィードバックをお待ちしております。
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THERABBYを運営している臨床20年越えの作業療法士。
行動変容、ナッジ理論、認知行動療法、家族療法、在宅介護支援
ゲーミフィケーション、フレームワーク、非臨床作業療法
…などにアンテナを張っています。

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