リハビリの臨床で使われる”筋緊張”とはそもそもなんでしょうか?
本記事ではその定義や種類について解説します。
筋緊張とは?
筋緊張(Muscle Tone)は、人体の筋肉が安静時に示す持続的な軽度の収縮状態を指します。
これは、筋肉が安静であっても一定の程度の収縮を保ち、身体の姿勢を維持し、動作時の安定性を提供します。
筋緊張は、中枢神経系と末梢神経系、さらには筋肉自体の相互作用によって調節されています。
筋緊張の種類
筋緊張といってもいくつかの種類があります。
ここでは…
- 正常筋緊張
- 筋原性緊張
- 反射性緊張
…について解説します。
正常筋緊張
正常筋緊張(normal muscle tonus)とは、静止時において筋が一定の緊張度を保っている状態を指します。
筋は刺激に対して応答し、収縮することができる興奮性組織です。
筋緊張は神経インパルスや直接的な刺激によって発生します。
正常な筋は静止時にも一定の緊張度を保っており、これを正常筋緊張と呼びます。
筋原性緊張
また筋原性緊張(myogenic tonus)とは、筋自身が持つ生理的特徴の一つであり、筋が弛緩した状態でも一定の緊張を保っている状態を指します。
これは筋自身の持つ粘弾性による静止張力が働いています。
筋を支配する神経を切断しても、筋原性緊張は完全にはなくならず、一定の緊張が残ります。
反射性緊張
反射性緊張(reflex tonus)は、感覚神経を上行するインパルスが脊髄で統合されて反射的に生じる筋の緊張のことを指します。
これは、神経系の自動的な反応によって引き起こされる緊張です。
反射性緊張は、後根を切断すると消失し、異常に亢進した状態の典型例は除脳動物に見られます。