最近はリハビリや医療、福祉業界以外でも”QOL”という言葉が使われるようになりました。
本記事では、このQOLについてわかりやすくできるだけ簡単に解説します。
QOLとは?
QOL(Quality of Life)とは、わかりやすく言えば”生活の質”を表す指標です。
読み方としては”クオリティ・オブ・ライフ”になります。
もともと医療や福祉の分野で重要視されており、人々がどれだけ充実した生活を送っているかを評価するためにも使用されます。
QOLの概念は最初に誰が提唱した?
QOLの概念は、1960年代にアメリカやスウェーデンで生まれました。
当時、経済成長によって物質的な豊かさが増し、一方で人々の心理的な充足が軽視されていることに気づかれました。
このような非人間性に対する意識の変化から、QOLの概念が広まってきました。
QOLについて厚生労働省の見解
厚生労働省によると、QOL(生活の質)は疾患や治療が患者の主観的健康感や日常生活に与える影響を定量化したもの…とされています。
自分らしい生活や精神的な豊かさ、満足度などを評価する概念・指標として使われています。
また、QOLは医療・介護だけでなく、ビジネスや他の分野でも使用されていることからも、かなり一般化した言葉ということがわかります。
QOLを構成する2つの要素について
QOLは大きく分けると…
- 客観的QOL
- 主観的QOL
…に大別されます。
以下にそれぞれ解説します。
客観的QOL
客観的なQOLはさらに…
- 生物レベル(生命の質)
- 個人レベル(生活の質)
- 社会レベル(人生の質)
…の3つの要素で構成されます。
生物レベル(生命の質)
客観的QOLの生物レベル(生命の質)とは、人の生活において生物学的な側面に関連する要素を指します。
具体的には、身体的な健康状態や身体機能の維持・向上、病気や障害の有無、生理的な不快感や痛みの程度などが含まれます。
個人レベル(生活の質)
また、客観的QOLの個人レベル(生活の質)とは、個人が日常生活を送る上での物質的な充足や生活環境の質に関する要素です。
これには、住居の快適さ、食事や衣服の充足度、教育や雇用の機会、社会的なつながりなどが含まれます。
個人の生活がどれだけ充実しているか、物質的な面での満足度や生活の安定性などが客観的QOLの個人レベルに影響を与えます。
社会レベル(人生の質)
さらに客観的QOLの社会レベル(人生の質)とは、個人が社会的な環境や関係の中で生活する上での満足度や充実感を指します。
これは、個人が社会的なつながりや役割を持ち、自己実現や社会的な目標を達成することによって向上するとされています。
主観的QOL
一方、主観的なQOLは、実存レベル(体験としての人生の質)に関連しています。
これは、個人の主観的な評価や感じ方に基づいて、その人の生活の質や満足度を測る指標です。
この主観的QOLは、人々が自分自身の生活に対してどれだけ満足しているか、幸福感や充実感を感じているかを指します。
主観的QOLは、客観的な要素だけでなく、個人の感情や価値観、目標達成感なども考慮に入れます。