識別感覚の一つである”二点識別覚”。
物体の大きさや位置などを把握するために重要な感覚ですが、本記事ではこの…
- 二点識別覚の定義
- 日常生活への影響
- 標準値
…などについて解説します。
二点識別覚とは?
二点識別覚(TPD:two point discrimination)とは、皮膚に同時に二点を触れたときに、それが二点であると感じることができる感覚のことです。
二点識別覚は、複合感覚と呼ばれる高度な感覚の一種で、頭頂葉の機能に関係しています。
言い換えれば、体表面上の二点に触覚刺激を与えたとき、それらが別々の二点であることを識別できる最小の距離のこと…ということになります。
つまり、触二点識別閾が小さいほど皮膚の空間解像度は高いと言えます。
二点識別覚が消失すると生じる日常生活への影響
二点識別覚が消失すると、物の形や大きさ、重さ、位置などを触って判断することが困難になります。
また、細かい作業や文字の書き取りなどにも影響が出る可能性があります。
日常生活への影響は、障害の程度や部位によって異なりますが、例としてあげれば…
- 小銭やボタンなどの小さな物をつかむのが難しくなる
- 鍵やファスナーなどの操作がスムーズにできなくなる
- 紙や布などの質感や厚みを感じにくくなる
- 手や足の位置や動きを正確に把握できなくなる
- 痛みや温度などの他の感覚に頼りすぎて過敏になったり、逆に鈍くなったりする
…などがあげられます。
先ほども触れたように、二点識別覚は脳の頭頂葉に関係しています。
頭頂葉は、視覚や聴覚といった他の感覚と統合して、身体イメージや空間認知を形成する役割を担っています。
そのため、二点識別覚が消失すると、自分の身体や周囲の環境に対する認識が低下する可能性があります。
二点識別覚の標準値
二点識別覚の基準ですが、以下のような値があります1)。
ただし、個人差もありますのであくまで参考として扱ってください。
部位 | 二点識別覚の距離 |
---|---|
指尖 | 3〜6 mm |
手掌 | 15〜20 mm |
手背 | 30 mm |
足底 | 15〜20 mm |
足背 | 30 mm |
脛骨面 | 40 mm |
参考
二点識別覚は物品操作や身体のイメージングに欠かせない感覚の一つということだね!
運動や動作だけでなく、メンタル面への影響も大きいでしょうね!