“失認”に対しての評価はどのように行ったらよいのでしょうか?
本記事では、失認の評価のプロセスについて解説します。
失認の評価のプロセス
失認の評価についてですが、ここでは失認の総合的な評価プロセスについて…
- 観察
- 視力、聴力検査
- 感覚モダリティの評価
- 統覚型と連合型の鑑別
…について解説します。
以下にそれぞれ解説します。
観察
まずは、患者が盲や聾のように振る舞っているかどうかを観察します。
つまり患者が「見えにくい / 見えない」または「聞こえにくい / 聞こえない」と訴えるかどうかを確認します。
患者は通常、「見えてはいるけど分からない」や「聞こえてはいるけど分からない」とは言いません。
視力、聴力検査
さらに患者の視力と聴力を検査します。
視力検査で白内障や聴力検査で難聴などの問題がある場合、これらの障害を確認します。
感覚モダリティの評価
そして患者の感覚モダリティごとに評価を行います。
視覚失認の場合は、物品を触ることによって物体を認識できるかどうかを確認します。
聴覚失認の場合は、聞いて分からなかった対象を見ることにより認識できるかどうかを確認します。
加えて、“視覚失認”と“視空間失認”を包括的に捉えることを目的とした標準化された検査法である”標準高次視知覚検査(VPTA)”を行うことも検討します。
統覚型と連合型の鑑別
失認の種類を特定するために、統覚型と連合型の鑑別を行います。
統覚型の場合、視覚、聴覚、触覚など、感覚モダリティ全てで障害が生じ、視覚では絵の模写やマッチング、聴覚では音の口真似が障害されることが確認されます。
連合型の場合、感覚モダリティごとにコピーとマッチングの課題を用いて評価します。
一般的に、コピーとマッチングの両方が可能ですが、閉じた本と開いた本(視覚),二人の男性の声(聴覚),大小の球体(触覚)の区別ができない現象が確認されます。
特定の対象の区別ができない場合、失認の可能性が高まります。
失認の評価の場合、統覚型と連合型によって方法も異なるんだ!
両者の違いについて理解していないと、検査や評価結果を解釈することが難しくなりそうですね…。