何か「やるぞ!」と決めても、なかなかその行動を継続することって難しいですよね?
途中で投げ出す度に「意思が弱いから・・・」「根性さえあれば・・・」と自己嫌悪してしまいがちですが、実は行動の継続には意思は関係ないことがわかっています。
大事なのは、行動の環境、条件設定の技術なんです!
様々な生活を支援する立場にいる作業療法士こそ、この「行動の条件設定」について学ぶ必要があります!
今回はこの言わば”継続力”を身に着けるコツについて解説します。
継続力を養う基本軸
なにか物事を継続する力…継続力を維持するために必要なことは次の2つになります。
- ターゲット行動の発生をコントロールする
- ライバル行動の発生をコントロールする
自分の目的の行動を「増やしたい」のか、「減らしたい」のかによってそのアプローチ方法も異なります。
ターゲット行動を増やしたい場合
目的達成のために必要なターゲット行動を「増やしたい」場合、つまり不足行動である場合ですが、結論から言えばターゲット行動が起きたり、起こしたくなるような環境条件を意図的に設定することになります。
そのためには…
- 行動のヘルプ(補助)を作る
- 動機づけ条件を作る
- 行動のハードルを低くする
…があげられます。
以下に詳しく解説します。
行動のヘルプ(補助)を作る
「資格の勉強をしやすいようにテキストをカバンに入れておく」
…というようにターゲット行動が起こりやすくするための補助的な刺激を得やすいようにしておくことです。
この行動の補助は”プロンプト”と呼ばれます。
日常生活の中の習慣や動作、行動のなかにこういったプロンプトを仕込んでおくってことが重要かもしれません。
動機づけ条件を作る
「行動した後のメリットを考える」のが動機付けの条件です。
このメリットはいわゆる「ごほうび」になるので、自分にとって本当に有益なものでないといけません。
専門用語では”確立操作”と呼ばれます。
例えるなら、女性にモテモテになるためにダイエットを始める…なんてことです。
行動のハードルを低くする
その行動のハードルを低くすることで、ターゲット行動を起こしやすくします。
資格取得のために勉強したい、けど忙しくてテキストを読む時間もない…。
…という場合には、移動時間でも気軽に聴ける音声プログラムで資格勉強をする、スマホのアプリで勉強する…なんていうのも、その行動のハードルを低くするコツとも言えます。
ターゲット行動を減らしたい場合
目的達成のためにターゲット行動を「減らしたい」場合…つまり“過剰行動”を減らす場合ですが、結論から言えば今度は“行動する条件を取り除く”ことが有効と言えます。
これも…
- 行動のヘルプ(補助)を作る
- 動機づけ条件を作る
- 行動のハードルを低くする
…の3つから考えてみます。
行動のヘルプ(補助)を取り除く
第1に、その行動を起こしやすくするための補助、、、ヘルプを取り除くことが重要と言えます。
例として、
「買い置きしておいた甘いお菓子をすべて捨てる」
「タバコを買わず、持っているタバコも捨ててしまう」
といったことがあげられます。
つまり自分でターゲット行動の発生を減らしやすくするための環境を設定する…ということになります。
動機づけ条件を取り除く
ターゲット行動を減らしたい場合には“メリット”を取り除くことでその行動に対しての動機づけが自然と減少していきます。
ただ一般的にこのターゲット行動で得られるメリットを完全になくしてしまうのは困難なので、“代替手段”を取るという方法がスムーズに行えるコツといえます。
「夜食を食べるけど、野菜や春雨といったカロリーが低いものに変える」
といったのが例としてあげられます。
行動のハードルを高くする
単純にそのターゲット行動を起こしにくくすることで、結果減らすことにつながる場合があります。
「タバコを吸わないように、奥さんに管理してもらう。」
なんてのも禁煙のための良い方法かもしれません!
行動を実行に移しにくいように環境を設定する…“反応努力”の調整が必要です。
まとめ
今回は継続力を身に着けるコツについて解説しました。
物事の継続力をつけるコツとしては、
- 行動の補助(プロンプト)を決定する
- 行動を動機付ける条件を整える(確立操作)
- 行動のハードルの高さを調整する(反応努力)
…の3つにまとめられます。
また同時にライバル行動のコントロールを行うことで、より一層物事を継続して行うことができるようになります。