エプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness Scale)- 眠気の客観的な検査方法

エプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness Scale)- 眠気の客観的な検査方法 検査

“眠気”という症状って非常に主観的です。
もちろん睡眠時無呼吸症候群の診断をつける際にも必要な指標です。
でも客観的に評価しないといけないから、数値化が必要です。

その眠気を数値化して評価する方法に“エプワース眠気尺度(ESS)”というものがあります。
そこで今回はこのエプワース眠気尺度(ESS)の…目的、評価方法、点数やカットオフ値について解説します。


エプワース眠気尺度(ESS)とは?

エプワース眠気尺度は、1991年にJohns MWによって作成された日中の過度の眠気を測定するための自己申告方式の評価方法です。
参考:A New Method for Measuring Daytime Sleepiness: The Epworth Sleepiness Scale

英語表記と略称

エプワース眠気尺度は、英語表記ではEpworth Sleepiness Scale…となります。
ESSと略称されます。

ESSは世界的な評価基準

ESSは、イギリスの“胸部疾患学会”のガイドラインにおいて眠気の評価に使用することが推奨されています。
現在、世界各国で使用されている評価方法になります。

ESS日本語版について

ESS日本語版(JESS:Japanese version of ESS)は、日本呼吸器学会,睡眠時無呼吸症候群に関する検討委員会から委託を受け、“Johns MW”と“Fukuhara S”によって作成され使用されています。
ちなみに非営利目的以外に使用する場合はQualitest株式会社への登録が必要になります。
参考:ESS (Epworth Sleepiness Scale) 日本語版(JESS)

エプワース眠気尺度は、自己申告方式の眠気の評価法だけど、家族や友人の協力を得ることが勧められているね!
客観的に本人の眠気を評価することが望ましいんですね!

エプワース眠気尺度の評価項目について

ESSでは、以下の8つの状況における眠気を0~3の4段階で評価します。

  • 座って読書しているとき
  • テレビを見ている時
  • 会議や劇場などの公の場で座って何もしていないとき
  • 1時間続けて車に乗せてもらっている時
  • 状況が許す場合で、午後に横になって休息をとっているとき
  • 座って人と話しているとき
  • アルコールを飲まずに昼食をとった後、静かに座っている時
  • 車を運転中、交通渋滞で2~3分停止しているとき

判定

  • 0点:決して眠くならない
  • 1点:まれにねむくなることがある
  • 2点:時々眠くなる
  • 3点:眠くなることが多い

点数判定とカットオフ値

ESSでは合計点が11点以上をカットオフ値としています。
つまり11点以上の点数の場合は日中の眠気が強く、生活に支障をきたしている状態…と考えられます。
参考:The Epworth Sleepiness Scale の性・年齢階級別得点分布と日中の過度の眠気の有症割合の推定 —地域住民を対象とした調査—

慢性的な眠気に対して、ESSのような評価方法を使用して客観的に症状把握することって、健康維持のためにも必要なことだろうね!
日常生活の支援を図るセラピストにとっても、この睡眠の評価っていう視点が求められるでしょうね!

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