筋緊張の視診の方法

リハビリの臨床での筋緊張の検査では”視診”も重要な方法の一つです。
本記事では筋緊張の視診の方法について解説します。

筋緊張の視診の方法

ここでは筋緊張の視診の方法として…

  • 環境の設定
  • 患者の協力とリラックス
  • 姿勢と関節の観察
  • 身体部位の評価
  • 特有の姿勢と反射の確認
  • 運動と筋緊張の評価
  • 運動の評価

…について解説します。

環境の設定

筋緊張の視診の際、患者が快適な室温であることが重要です。
室温が高すぎたり低すぎたりすると、筋緊張に影響を及ぼす可能性があるため、適切な室温を維持します。

患者の協力とリラックス

検査者は患者に協力をお願いし、できる限りリラックスした仰向け姿勢で検査を受けるよう勧めます。
特に乳幼児の場合、泣かせないように注意が必要です。

姿勢と関節の観察

まず、患者の仰向け、座位、および立位の静止姿勢を観察します。
脊椎や上下肢の関節に異常な位置(拘縮や変形)や不良姿勢がないかを確認します。

身体部位の評価

次に、身体の各部位に目を向けます。
両側の上下肢の位置の変化、各部位の筋肉の萎縮状態、随意運動および不随意運動時の関節運動における筋緊張の変化がないかを評価します。

特有の姿勢と反射の確認

重度の頭部外傷の場合、特有の姿勢や姿勢反射の影響を評価します。
また、片麻痺の患者については、特有の筋緊張を示す姿勢であるWernicke-Mann肢位を確認します。

運動と筋緊張の評価

検査の際、できるだけ患者が抗重力筋(例:脊柱起立筋、腹筋、大殿筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋、前脛骨筋など)が弛緩した背向けの姿勢で評価を始めるのが望ましいです。
両側の上肢と下肢は安定した位置から評価し、身体の位置変化が筋緊張に与える影響を確認します。

運動の評価

検査中、自発的な運動や体幹運動による筋緊張の変化を評価します。
自発的な運動が制限され、異常な筋緊張の下で患者が意図しない運動が誘発されることを確認します。

これらのステップに従って、筋緊張の検査を行います。
検査の結果に基づいて、適切な治療計画を立てることができます。

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