臨床での面接における4つの記録の方法とは?

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リハビリセラピストが患者に評価として面接し、それを記録として残す場合には様々な方法があります。
今回はこの面接における記録の方法を4つご紹介します。


面接では記録しにくい?

リハビリテーションにおいて、セラピストは特にクライアントの生活についてしっかりと情報収集をする必要があります。
そのためにクライアント自身や家族といった介護者などへ″面接”という形で情報を聴取する場面が多くあります。

しかし実際に面談で話を聞きながらメモを取る…ってなかなか難しかったり、どう要点をまとめてメモを取ればよいのか迷うようなことも多いようです。

面接での4つの記録方法について

面接において有効な4つの記録方法としては次のようになります。

  • 逸話記録法
  • チェックリスト法
  • 評定尺度法
  • 機械による記録法

以下に詳しく解説します。

逸話記録法

“逸話記録法”は、患者の日常行動や特定の状況での振る舞いを面接開始から終了までのひとつの流れとして順を追って記録する方法になります。
この方法では、セラピストが患者の言動、反応、感情表現などを観察し、具体的な状況やコンテキストと共に記録します。
このアプローチの利点は、患者の個々の特性や行動パターンを深く理解できる点にあります。
一方で、主観性が入り込む可能性があるため、客観的なデータと組み合わせて使用することが重要です。

慣れるまではコツが入りますが、クライアントの全体像をつかみやすい記録方法ともいえます。

チェックリスト法

“チェックリスト法”は、特定の行動やスキルを評価するために使用される、予め定義された項目のリストに基づいて記録を行う方法です。
この方法では、セラピストがリストに沿って患者の行動や能力を確認し、達成された項目にチェックを入れます。
チェックリスト法の利点は、簡単かつ迅速にデータを収集できることと、結果が定量的で比較しやすいことです。

しかし、一覧表の項目の設定やテック方法の適切さによってはその結果が面接を実施するセラピストによってバラツキができてしまうこと、事前に予想した以上の内容が得られにくいことが多いことなどが欠点としてあげられます。
そのため、他の方法と併用することが望ましいです。

評定尺度法

“評定尺度法”は、患者の行動や能力を数値や等級で評価する方法です。
この方法では、セラピストが特定の行動やスキルを事前に設定された尺度(例えば、1から5までのスケール)に基づいて評価します。
このアプローチのメリットは、評価が比較的容易で、結果が定量的であることです。

しかし、評価者の主観が影響を与える可能性があり、また、数値化できない質的な情報を見逃すリスクがあります。

機械による記録法

“機械による記録法”は、センサーやビデオカメラなどの技術を使用して患者の行動や動作を記録する方法です。
この方法の利点は、非常に正確で客観的なデータが得られることと、連続的なモニタリングが可能であることです。
特に運動機能の分析や進行状況の評価に有効です。
このような方法だと客観的な記録の方法に思われがちですが、記録されている言動や動作、様子といったものを分析、解釈するためにはやはりそれなりの分析力が必要となってきます。

ただし、機器のコストや操作の複雑さ、プライバシーの問題など、考慮すべき点もあります。

どの方法も一長一短はありますが、それぞれのメリット、デメリットを理解したうえで面接の記録として利用する必要があるだろうね!
また、記録をすることに手いっぱいになってしまい、クライアントのわずかな様子の変化や、関係性の破たんにつながってしまっては本末転倒ですからね!

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