マクラメ手芸がもつ特性について – 作業療法士がリハビリとして活用する理由

マクラメ手芸は、紐を結ぶシンプルな技術から無限の創造性を引き出し、作業療法にも活用されるアクティビティです。
本記事ではマクラメ手芸がもつ特性について解説します。


マクラメ手芸がもつ特性について

作業療法におけるマクラメ手芸がもつ活動としての特性については次の通りになります。

  • 手で紐を結ぶという単純な繰り返しの行為で成立している作業
  • 基本的な2通りの結び方を理解し、模様の作り方を理解すれば可能
  • いつでも中断、再開が可能
  • ミスしてもほどいてやり直すことができる
  • 最小限の用具や道具で作業が可能
  • アクセサリーからインテリアまで、様々な作品にすることができる
  • 作品の大きさや紐の太さを変化させることで粗大動作から巧緻動作の訓練として可能
  • 座位でも立位でも、セッティングによってはベッド上臥位姿勢でも実施が可能
  • エネルギー消費や疲労度が少ない動作が多いことから、作業耐久性が低い対象者でも適している

以下にそれぞれ解説します。

手で紐を結ぶ単純な繰り返しの行為

マクラメ手芸は、手で紐を結ぶという基本的かつ単純な繰り返しの行為で成り立っています。
この繰り返しにより、参加者は手と指の協調性を高め、徐々に技術を向上させることができます。

また、単純な作業の繰り返しは瞑想的な効果をもたらし、心の落ち着きや集中力の向上に役立ちます。

基本の結び方を理解すること

マクラメは、基本的に2通りの結び方を理解することから始まります。
これらの基本技術をマスターすることで、さまざまな模様やデザインの作成が可能となり、創造性や計画性を養うことができます。

このプロセスは、新しい技能を学ぶ楽しみと達成感を与え、自己効力感を高めます。

いつでも中断、再開が可能

マクラメ手芸の大きな特徴は、作業をいつでも中断して後で再開できることです。
この柔軟性により、個々のペースや状況に合わせた活動が可能となり、ストレスの少ない環境で楽しむことができます。

また、日常生活での中断と再開の管理能力が向上し、タスク管理能力の向上にもつながります。

ミスしてもやり直しが可能

マクラメでは、ミスをしても作品をほどいてやり直すことが可能です。
この許容性は、失敗を恐れずに新しいことに挑戦する勇気を育み、失敗から学び成長する大切さを教えます。

また、精密作業における忍耐力と粘り強さを養うことができます。

最小限の用具や道具で作業が可能

マクラメ手芸に必要なのは紐と少数の道具だけであり、最小限の準備で始めることができます。
この手軽さは、趣味や創造活動への参加障壁を低くし、どんな環境にいても創造的な表現が可能であることを示します。

また、資源の有効利用という点でも環境に優しい活動です。

様々な作品に応用可能

マクラメ手芸では、アクセサリーからインテリアまで、様々な作品を作ることが可能です。
この多様性は、個々の興味やニーズに合わせた活動を可能にし、幅広い年齢層や背景を持つ人々にアプローチできます。

さらに、完成した作品を通じて自己表現や社会とのつながりを深めることができます。

大動作から巧緻動作の訓練まで

作品の大きさや紐の太さを変化させることで、マクラメは粗大動作から巧緻動作の訓練にも利用できます。
この可変性により、身体能力や目的に応じて活動をカスタマイズし、細かな手の動きから全身を使った動きまで、幅広い身体能力の向上を目指すことができます。

座位、立位、臥位での実施が可能

マクラメ手芸は、座位でも立位でも、セッティング次第でベッド上の臥位姿勢でも実施が可能です。
このアクセシビリティの高さは、様々な身体的条件を持つ人々にとっても参加しやすい活動であり、身体能力や状況に応じた柔軟な取り組みを可能にします。

作業耐久性が低い対象者にも適している

マクラメ手芸は、エネルギー消費や疲労度が少ない動作が多いため、作業耐久性が低い人にも適しています。
この低負荷ながらも充実した活動は、身体的な制約がある人々にも安全に楽しんでもらえる方法を提供し、活動参加の機会を広げます。

単純な繰り返し作業と最小限の道具での実施可能性により、幅広い年齢や身体能力を持つ人々に対しての作業療法によるアクティビティとして有効なんだね!
いつでも中断と再開が可能で、失敗からの学習と修正を奨励するその性質は、忍耐力と創造性を育むことができるでしょうね!

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