超高齢化社会を迎えるにあたり、改めて“老いること”、“老化”について考えないといけません。
リハビリテーションの仕事で特に高齢者の方と接する機会が多いとなると、なおのこと考えさせられます。
今回はこの老化現象とはなにか?そして老化現象の共通原則について解説します。
老化とは?
一般的に老化とは、
年を取るにしたがって起こる生存ならびに適応機能の低下
…をいい、さらに…
原則として成熟期以後に起こるもの
…とあります。
英語では“エイジング(aging)”といわれ、最近では“エイジングケア”なんて言葉で使われているため広く浸透している印象を受けます。
“加齢”と“老化”の違いについて
似たような言葉で“加齢”がありますが、これは“老化”とはどのような違いがあるのでしょうか?
調べると次のように分けることができます。
- 加齢:広義の変化を表し、障害にわたる変化
- 老化:人生の退行期以以後の変化
つまりはどの年齢層において起こるのが“加齢”であって、人生の退行期以後では特に“老化”と呼ばれると解釈できます。
でもその基準が曖昧…
とはいっても、この“老化”の概念は非常に曖昧で明確ではなく、投下を表す指標は一つではありません。
その理由としては、
- 退行期をいつにするか決められていないこと
- 個人差が大きく、何を基準とするか決めにくいこと
などがあげられます。
老化現象の共通原則
そうなると、この捉えにくい“老化現象”についての共通原則は次の4つに分けられます。
- 普遍性
- 内因性
- 進行性
- 有毒性
以下にそれぞれ解説します。
普遍性
自分だけ不老不死になるということは実際不可能になります。
つまり、誰にでも生まれた瞬間に“加齢”は進行し、その後“老化”として進行することは、平等に訪れるという意味で“普遍性”の原則があげられます。
内因性
老化現象は食生活やストレスといった環境などによる影響は少なからずとも受けてしまいます。
これが個人差を決定づける一つの要因にもなるとされています。
しかし、老化現象は基本的には、遺伝的機構によって規定されるという“内因性”という原則があげられます。
進行性
時間と共に老化現象は進んでいきます。
時間をさかのぼって若返るということは絶対できません。
常に進んでいくので、ここから“進行性”という原則があげられます。
有毒性
老化に伴う機能低下は、医学的には有益なものをもたらすことがない現象として扱われることから“有毒性”という原則があげられます。
*ただあくまで“医学的には”という点で有毒性であって、社会的には年を取ることはそれだけ経験や知識をたくわえ、人間的に成長するという側面からは有益性が高い現象という見方もあります。
まとめ
誰にでも必ず訪れる“老化”という現象ですが、その共通原則を把握することは高齢者に関わる職業だけでなく、家族や自分自身の老化について改めて見直すことに繋がるのだと思います。
その上で「どのように老いていくか?」ということを考え、少しでも老化現象に対してポジティブなイメージにつなげていくことが、有意義な生活を送るためには必要なことなと言えます。