評価結果の分析をスムーズにする4つの方法【検査して終わりじゃ意味がないんです】


評価結果の分析方法について

結論から言ってしまえば、次のような方法にまとめられます。

  • 評価結果を俯瞰的な視点で見直す
  • 評価結果をカテゴライズする
  • 帰納法、演繹法を利用する
  • 弁証法によって対立する物事を活かし発展する

以下にそれぞれ解説します。

評価結果を俯瞰的な視点で見直す

単純に評価や測定結果だけを直接解釈しようとするのではなく、その評価結果を引き起こした背景を俯瞰的な視点で見ることで、その結果の位置づけがわかってきます。
身体機能でも精神機能でも、「おや?」と気になったことがあったらそこをフォーカスして見るのではなく、敢えて離れたところ…全体像を見直してみる…という癖をつけるとよいかもしれません。

評価結果をカテゴライズする

身体領域で言ったらクライアントのROM-TやMMT、ブルンストロームステージから痛みの有無、さらに精神、認知機能としてHDS-RやMMSE,CDTにはじまりコース立方体検査やFABなんかも行ったりします。

さらにそこに高次脳機能が加わったら、線分末梢検査や描画検査、BITなんかの検査バッテリーを使う場合もあるかもしれません。
嚥下障害や発話、聴理解といった分野も評価を行うかもしれません。

このように様々な検査や測定を行ってその結果を羅列しても、どれがどれに繋がってそこから何が課題なのか…が詳しく読み取れなくなってしまう場合があります。
このような状態を防ぐためにも、評価結果をそれぞれカテゴリー分けすることで、前述した俯瞰的な視点で見る事ができ、頭の中で整理し解釈することができやすくなります。

帰納法、演繹法を利用する

データ解析の方法に帰納法、演繹法というものがあります。

  • 帰納法:多くの観察事項(事実)から類似点をまとめ上げることで、結論を引き出すという論法
  • 演繹法:「××だから、○○である」という論理を数珠つなぎにしていき、結論を引き出す方法。三段論法とも呼ばれる手法

臨床や現場においての帰納法とは、様々な検査、測定などの評価結果のデータを積み上げていき、その原理を探っていく作業です。
逆に、演繹法は「こういう原理があるから、こうなるんじゃないか?」という想定を行った後に実際の評価結果のデータと照らし合わせ答え合わせをする作業になります。

このように、評価結果先行で探るか、原理から探るかというスタート地点の違いはありますが、収集した評価結果を分析するときにはこの2つの方法をそれぞれ試して見る事で、幅広い解釈につながると言えます。

弁証法によって対立する物事を活かし発展する

問題を解決し、結論を出す際に利用できる方法(哲学方法論ですが)に弁証法があります。

  • 弁証法:対立する二つの事象のうち、どちらか一方を切り捨てるのではなく、どちらも取り込んで結論を導き出す手法

臨床や現場における弁証法では、そのクライアントのある物事を「正(テーゼ)」とした場合、それに反したり、矛盾するような物事を「反(アンチテーゼ)」、その両者を合わせたものを「合(ジンテーゼ)」という呼び方をします。
この合(ジンテーゼ)を作ることによって矛盾や問題点を克服し、より発展的な結論に結びつける作業になります。

まとめ

今回は評価結果の分析をスムーズにする4つの方法について解説しました。
このように評価や測定結果を集めるだけ集めても、その解釈を上手に行うことができない場合は上記のような4つの方法をそれぞれ試して見る事をおすすめします。

その解釈をスムーズにするためにも、これらの方法を使うことで今まで端的にしかできなかった解釈を広く深める事ができ、よりよいリハビリサービスをクライアントに提供できることになるはずです。

もしこの記事に修正点やご意見がございましたら、お手数ですがお問い合わせまでご連絡ください。 皆様の貴重なフィードバックをお待ちしております。
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