POMS2 日本語版( Profile of Mood States 2nd Edition) – 検査の特徴・対象について

POMS2 日本語版( Profile of Mood States 2nd Edition) - 検査の特徴・対象について 検査

うつや気分の状態を検査する方法であるPOMS2 日本語版( Profile of Mood States 2nd Edition) 。
今回はこのPOMS2という検査方法の対象や特徴について解説します。


POMS2 日本語版とは?

POMS2(Profile of Mood States 2nd Edition)とは、被験者の気分や不安、うつの状態を評価することができる検査です。
1994年に初版が発行されたPOMSは“日本語版POMS”として国内でも広く使用されてきましたが、2012年に改訂が加えられた“POMS2”が刊行され、日本でも2015年より販売されました。

その後、POMS同様リハビリテーションの臨床現場のみならず、職場や学校など様々な方面で活用されています。

POMS2の対象や活用領域

POMS2は…

  • 医療、看護、福祉、カウンセリング
  • 企業、各種団体
  • スポーツ
  • 気分変化の研究etc

…といった、様々な分野、領域で活用されています。

POMS2の特徴

POMS2の特徴としては…

  • 気分の状態を7つの尺度と、TMD得点から評価可能
  • 被験者の年齢や目的によって4種類に分けられている
  • 「時間枠」を検査の目的に応じて設定することが可能
  • 日本国内の一般人口に合わせて標準化されている

…などがあげられます。

以下に詳しく解説します。

①気分の状態を7つの尺度と、TMD得点から評価可能

POMS2では、被験者の気分の状態を

  • 怒り-敵意
  • 混乱-当惑
  • 抑うつ-落ち込み
  • 疲労-無気力
  • 緊張-不安
  • 活気-活力
  • 友好

…の7尺度で評価します。

また、“TMD得点(総合的気分状態得点)”によってもネガティブな気分状態を総合的に表すことができます。

被験者の年齢や目的によって4種類に分けられている

POMS2の検査用紙は全部で4種類あり、それぞれ被験者の年齢や目的によって使い分けることができます。

  • 成人用:対象年齢18歳以上
  • 青少年用:対象年齢13~17歳
  • 全項目版:気分について十分な評価が必要な場合に行われる
  • 短縮版:モニタリングやスクリーニングとして使用される場合に行われる

つまり…

  成人用 青少年用
全項目版 質問項目65項目
回答10分程度
採点5分程度
質問項目60項目
回答10分程度
採点5分程度
短縮版 質問項目35項目
回答5分程度
採点5分程度
質問項目35項目
回答5分程度
採点5分程度

…となります。

「時間枠」を検査の目的に応じて設定することが可能

気分を評価する「時間枠」を検査の目的に応じて設定することができますが、標準化は“今日を含めて過去1週間”の時間枠で設定されています。

日本国内の一般人口に合わせて標準化されている

POMS2日本語版…ともありますので、日本の人口統計で標準化されています。

うつ状態や気分状態の自己記入式の検査は様々だけど、このPOMS2のように被検者の気分状態を7つの尺度に区分し評価するという方法は非常に客観的にわかりやすいものだろうね!
何よりもクライアント自身が現在の自分の心理、精神状態を客観視できることが改善の一歩になりますからね!

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