病態失認の責任病巣と4つの障害説

病態失認は、自己の疾患や障害の認識が欠如する現象で、特定の脳損傷が原因で起こります。
本記事では関連する4つの障害説について解説します。


病態失認の責任病巣と4つの障害説

ここでは…

  • 右頭頂葉病巣による身体図式障害説
  • 右頭頂葉病巣による感覚情報統合機能(morphosynthesis)の障害説
  • 間脳・辺縁系の異常やびまん性病巣による疾病否認説
  • 左大脳半球への感覚情報離断に伴う言語中枢の暴走(離断説)

…について解説します。

右頭頂葉病巣による身体図式障害説

右頭頂葉病巣による身体図式障害説は、病態失認の一つの説です。
この説によれば、右頭頂葉に病変がある場合、患者は自分の片側の身体を無視したり、使用しない行動異常を示すことがあります。
つまり、右頭頂葉の損傷によって、患者は自分の片側の身体を認識できず、無視してしまうのです。

この説は、右頭頂葉の病変が身体図式の処理に関与しているという仮説に基づいています。
右頭頂葉は身体の位置や姿勢を認識し、身体の一部を他の一部と関連付ける役割を果たしています。
したがって、右頭頂葉に病変があると、身体図式の処理が障害され、患者は自分の片側の身体を認識できなくなるのです。

つまり右頭頂葉の損傷は身体図式の認識を乱し、患者が自身の身体部位の存在や状態を正しく理解できなくさせるって説だね!
このため、患者さんは自分の障害を認識できず、治療への協力が得られにくくなることがあるんでしょうね!

右頭頂葉病巣による感覚情報統合機能(morphosynthesis)の障害説

右頭頂葉病巣による感覚情報統合機能(morphosynthesis)の障害説は、右頭頂葉に病変がある場合に、感覚情報の統合が障害されることによって病態失認が起こるという説です。

具体的には、右頭頂葉に病変があると、身体の半側を無視したり、自分のものと認識しなかったりする行動異常が現れることがあります。
これは、右頭頂葉が感覚情報を統合し、身体の一体感や自己の意識を形成する役割を持っているためです。

この障害説では、右頭頂葉病巣による感覚情報統合機能の障害が病態失認の発生に重要な要素であるとされています。

感覚情報の統合が困難になることで、患者は自分の身体や周囲の空間を正確に把握できなくなるという説だね!
この結果、現実の状況に対する認識が歪み、病態失認に至るのでしょうね!

間脳・辺縁系の異常やびまん性病巣による疾病否認説

間脳・辺縁系の異常やびまん性病巣による疾病否認説は、病態失認の一つの説です。
この説によれば、間脳や辺縁系の異常や広範な脳の病巣が存在する場合に、患者は自身の疾病や障害を認識できない状態になるとされています。

具体的には、この説では以下のような症状が考えられます。

  • 患者は自身の身体の一部や機能の障害を認識せず、否認することがある。
  • 患者は他人のものと自分のものを混同することがある。
  • 患者は自分以外の人格や存在として自身の身体の一部を扱うことがある。

この説では、間脳や辺縁系の異常が病態失認の発生に関与していると考えられています。
ただし、この説だけでは病態失認の全てを説明することはできず、他の要因や仮説と組み合わせて考える必要があります。

感情や記憶に関連する脳領域の損傷は、自己の健康状態に対する認識を損なわせるって説だね!
患者さんは自身の疾患を否認し、必要な治療を受け入れないことで、回復が遅れる可能性があるでしょうね!

左大脳半球への感覚情報離断に伴う言語中枢の暴走(離断説)

左大脳半球への感覚情報離断に伴う言語中枢の暴走(離断説)とは、左半球にある言語中枢が感覚情報の入力を受け取れなくなった結果、言語の処理が過剰に活発化する現象を指します。
この状態では、患者は言葉を連続的に話し続けたり、穴埋めのような反応をすることがあります。

この説は、右半球の脳梗塞などによって左大脳半球への感覚情報の伝達が遮断された場合に、言語中枢が過剰に活性化することによって生じるとされています。
この状態は、病態失認の一つである言語反応面の異常の基盤となると考えられています。

言語中枢と感覚情報の連携が断たれることで、患者さんは自身の状態についての適切な認識や表現が困難になるという説だね!
この情報の非連携は、自分の障害を認識できない原因になって、その結果治療過程において課題となり得ますね!

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