高次脳機能障害の一つである”身体失認”。
本記事ではこの身体失認の定義や種類について解説します。
身体失認とは?
身体失認(asomatognosia)は、身体の一部または全体に対する認識障害のことです。
具体的には、自分の身体の一部が存在しない、または自分の身体の一部が他の場所にあると感じるなどの異常な認識が生じます。
身体失認の種類
この身体失認は大きく…
- 片側身体失認(hemiasomatognosia)
- 両側身体失認(bilateral asomatognosia)
…の2つにわけられます。
以下にそれぞれ解説します。
片側身体失認(hemiasomatognosia)
片側身体失認(hemiasomatognosia)は、自己の身体の半側に対する認知障害です。
この状態では、患者は自分の片側の身体部位やその関係を認識することができません。
例えば、片側身体失認の患者は、片手や片足が自分のものであると認識できないことがあります。
片側身体失認は、病態失認(anosognosia)とも関連しており、病気や障害に対する認識障害としても現れることがあります。
この状態では、患者は自分の麻痺や失語症などの症状を認識できない場合があります。
両側身体失認
両側身体失認(bilateral asomatognosia)は、身体の両側に関わる認知障害です。
片側身体失認とは異なり、両側の身体に対する認識が障害されています。
この状態では、患者は自分の身体の一部を認識できず、触覚や位置感覚の障害も起こることがあります。
両側身体失認は、特に脳の両半球の損傷や疾患によって引き起こされることがあります。
この状態では、患者は自分の身体の一部を見たり触ったりしても、それが自分のものであると認識できません。
例えば、患者は自分の手を見ても、それが自分の手であると認識できないことがあります。
両側身体失認は、身体のイメージや身体図式の障害に関連していると考えられています。
この状態では、身体の一部が自己の一部であるという認識が失われているため、日常生活に支障をきたすことがあります。