認知症とは? -定義・頻度・4つの種類や原因について

リハビリの臨床で多くみられる”認知症”。
本記事では認知症の定義、頻度、そしてその種類と原因について解説します。


認知症とは?

認知症とは、脳の病気や損傷によって、記憶、考える力、判断力、言語能力などの認知機能が慢性的に低下する状態を指します。

この認知機能の低下は、人の日常生活に影響を及ぼすほどのもので、社会生活や職業活動に支障をきたします。

認知症は1つの病気ではない

“認知症”とは決して一つの病気ではありません。
さまざまな原因によって引き起こされる症状の総称になります。

認知症の頻度

認知症の頻度は、年齢が上がるにつれて増加する傾向があります。
日本の65歳以上の高齢者の方の、認知症の方の数は2020年の段階で約602万人に達しているとされます。
つまり、65歳以上の人口の約6人に1人が認知症であるとされています。

これは今後も増加すると予測され、2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人、全日本国民に換算すると、17人に1人が認知症を発症すると考えられています。

世界的にみても認知症になる比率は高まっているから、国際的な問題といってもいいだろうね!
WHOもこの問題には積極的に取り組んでいますからね!

認知症の種類

認知症は大きく分けると次の4つに分けられます。

  • アルツハイマー型認知症
  • 脳血管性認知症
  • レビー小体型認知症
  • 前頭側頭型認知症

以下にそれぞれ解説します。

アルツハイマー型認知症

脳内のアミロイドβというタンパク質が異常に蓄積することで引き起こされます。
アミロイドβは、正常な場合には分解されるのですが、アルツハイマー型認知症の場合には、分解されずに蓄積してしまいます。
また、タウというタンパク質も異常に蓄積することがあります。

アルツハイマー型認知症は、物忘れや見当識障害から始まり、徐々に認知機能が低下していきます。
症状が進行すると、妄想や徘徊などの行動異常が現れることがあります5.

脳血管性認知症

脳血管型認知症は、脳の血管が詰まったり、破れたりすることで、脳細胞が死滅することが原因です。
高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が原因となることが多いです。
脳血管性認知症は、物忘れや判断力の低下、運動障害などの症状が現れます。
症状が進行すると、幻覚や妄想、不安感などの精神症状が現れることがあります5.

レビー小体型認知症

脳内にレビー小体という異常なたんぱく質が蓄積することで引き起こされます。
レビー小体型認知症は、物忘れや幻覚、パーキンソン症状などの症状が現れます。
症状が進行すると、徘徊や暴力などの行動異常が現れることがあります。

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症の原因は、前頭葉や側頭葉が萎縮することによって引き起こされます。
これにはピック病とFTLD-U/ユビキチン陽性封入体を伴う前頭側頭葉変性症の2つの病気が含まれます。
しかし現時点では明確な原因が分かっておらず、治療方法も確立していないのが現状です。

前頭側頭型認知症は、人格の変化や異常行動が現れることが多く、物忘れはあまり見られません。
症状が進行すると、失語症や失行症、失認症などの症状が現れることがあります。

認知症といってもその種類は複数あるから、症状や対策も異なる場合があるからね!
この種類や違いについてもセラピストはきちんと理解しておく必要があるでしょうね!

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