クライアントの日常生活の状態についての評価法は様々です。
本記事では日常生活や行動の観察によって認知症の兆候をみつける評価法である”OLD(Observation List for early signs of Dementia)”について解説します。
OLDとは?
OLD(Observation List for early signs of Dementia)は”初期認知症兆候観察リスト”とも呼ばれます。
オランダでかかりつけ医のために作成されたスケールです。
クライアントの日常生活や行動を観察して、認知症の兆候を見つけることができます。
<2>OLDの15項目
OLDには次の項目があります。
項目 | 症状 |
---|---|
記憶・忘れっぽさ | ①いつも日にちを忘れている |
②少し前のことをしばしば忘れる | |
③最近聞いた話を繰り返すことができない | |
語彙・会話内容の繰り返し | ④同じことを言うことがしばしばある |
⑤いつも同じ話を繰り返す | |
会話の組み立て能力と文脈理解 | ⑥特定の単語や言葉が出てこない |
⑦話の脈絡をすぐに失う | |
⑧質問を理解していないことが答えからわかる | |
⑨会話を理解することがかなり困難 | |
見当識障害・作話・依存など | ⑩時間の概念がない |
⑪話のつじつまをあわせようとする | |
⑫家族に依存する様子がある |
OLDの採点方法
OLDの採点方法ですが、上記の項目それぞれに「はい」「いいえ」「わからない」の3つの回答を選択します。
また、対象となるクライアントの生活状況をよく知っている方…家族や介護者などへの質問で行われます。
OLDのカットオフ値
OLDのスコアは、15項目のうち「はい」と回答した数を合計したものです。
スコアが0~2点の場合は正常3~5点の場合は要注意、6点以上の場合は認知症の可能性が高いとされています
OLDのカットオフ値についてですが、12項目のうち4項目以上が明らかにあれば認知症を疑う…という意見もあります。
大事なのは診断からどう進行予防と生活支援へつなげるか?だろうね!
評価し点数化した後、どう行動化し生活に落とし込むか?が重要ですからね!