半側空間無視とは? – 定義・症状について

高次脳機能障害の一つである”半側空間無視”はリハビリの臨床でも非常に多く目にします。
本記事では、この半側空間無視の定義や症状について解説します。

半側空間無視とは?

半側空間無視(USN:Unilateral Spatial Neglect)は、脳の半球損傷によって引き起こされる障害の一つです。
主に一方の半側(左側または右側)の空間に注意を向けることができない状態を指します。

具体的な特徴としては、患者はその半側の外界の刺激や情報を無視するか、意識的に認識しないことがあげられます。

半側空間無視を最初に報告したのは?

1979年の”KM Heilman”による”Mechanisms underlying hemispatial neglect”という報告が、学術的な半側空間無視についての論文かと思われます1)
被引用数も1000を超えているので、基本はこの論文が現在までの半側空間無視の研究に影響を与えているといえます。

半側空間無視の発生率

半側空間無視は、急性期では70〜80%、慢性期では約40%の患者に見られると報告されています。
一方、左半球による無視…つまり右方向への無視は稀で、0〜38%の範囲内で発症するとされています。

これは左右の脳半球が異なる注意機能を担当しているためのようです。

半側空間無視と同名半盲との違いは?

臨床でよく間違いやすいのが同名半盲との違いについてです。
結論から言えば、半側空間無視は周囲の空間の一方の側面を無視する状態であり、視覚的、感覚的、またはその両方の情報に影響を及ぼします。

一方、同名半盲は一方の視野が失われる状態であり、視覚的な損失に関連しています。

参考

1)Mechanisms underlying hemispatial neglect

半側空間無視も同名半盲も似たような症状に見えるから注意が必要だね!
半側空間無視は患者さん自身が気付かず修正できないのに対して、同名半盲は自分で気づくことができるので修正や代償ができるって点でも異なりますね!

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