Canadian Neurological Scale (CNS)- 脳卒中急性期の評価法の方法・検査項目・カットオフ値について

Canadian Neurological Scale (CNS)- 脳卒中急性期の評価法の方法・検査項目・カットオフ値について 検査

脳卒中において、発症直後や急性期の段階でのクライアントの状態評価として“Canadian Neurological Scale(CNS)”が評価方法の一つとしてあげられます。
今回はこのCNSの検査項目や方法、カットオフ値についての捉え方などについて解説します。


Canadian Neurological Scale(CNS)とは?

Canadian Neurological Scale(CNS)は、脳卒中や頭部外傷などの急性期における神経学的状態を定量的に評価するために使用されるスケールです。
1986年にCoteらによって開発され、特に急性期脳卒中患者の神経機能の低下を簡便かつ迅速に評価できる点が特徴です。
CNSは、意識状態、言語機能、運動機能などの評価項目から構成され、スコアが低いほど神経障害が重度であることを示します。

このスケールは、神経学的状態の変化をモニタリングするためにも利用され、医療従事者が適切な治療方針を決定する際に役立つんだ!
簡便さと信頼性から、急性期の診療現場で広く使用されているんだね!

CNSの実施時間

Canadian Neurological Scale(CNS)の実施時間は、通常約5-10分程度です。
短時間で評価が可能なため、急性期の脳卒中患者の状態を迅速に把握するのに適しています。

CNSの検査項目

CNSの検査項目としては大きく以下の2つの項目に分かれています。

  • 精神作用(意識,姿勢,言語レベル)
  • 運動機能(顔,腕,脚)

以下にそれぞれ解説します。

精神作用

精神作用の項目では、意識レベル、見当識、言語について検査します。

意識レベル(Level Consciousness)
まずはクライアントの覚醒の状態を判断します。

覚醒状態 点数
覚醒している 3.0
覚醒していない 1.5

見当識(Orientation)
ここでは、クライアントは自らの反応を話したり、書いたり、身振りで表現することができます。

1.ここはどこですか?(場所:都市または病院)
2.いまはいつですか?(時間:月or年)

これらの質問に対して、の回答状態と点数は以下のとおりになります。

回答状態 点数
場所、月、年の両方を正確に記述する 1.0点
1つまたはすべての回答が間違っている 0.0点

言語(Speech)

クライアントに次のような質問を行います。

  • 1.目を閉じてください
  • 2.天井を指してください

これらの質問に対して、

回数 点数 
2つとも従命可能 1.0点
1つだけ従命可能 0.5
不可 0.0点

そして“不可”の場合は後述するA2の検査へ移ります。

運動機能

運動機能においてはさらに

  • A1:説明を理解し、実行できる場合に実施される
  • A2:理解の欠如がある状態で実施される

といった二つのセクションに分類されて評価されます。

A1、A2セクションのどちらの場合でも、

  • 上肢近位部
  • 上肢遠位部
  • 下肢近位部
  • 下肢遠位部

の4つの部位に刺激を与えて検査を行います。

A1セクション

クライアントが説明を理解できる状態である“A1セクション”では上記4つの部位に対して以下のような項目と配点になります。

部位 刺激の強度 配点
笑顔をつくるように指示した際の左右差なし 0.5
  笑顔をつくるように指示した際の左右差あり 0.0
上肢近位部 左右差なし 1.5
  ROM問題なし、負荷に抵抗できない 1.0
  ROMと動きに問題あり 0.5
  完全に運動消失 0.0
上肢遠位部 左右差なし 1.5
  ROM問題なし、負荷に抵抗できない 1.0
  ROMと動きに問題あり 0.5
  完全に運動消失 0.0
下肢近位部 左右差なし 1.5
  ROM問題なし、負荷に抵抗できない 1.0
  ROMと動きに問題あり 0.5
  完全に運動消失 0.0
下肢遠位部 左右差なし 1.5
  ROM問題なし、負荷に抵抗できない 1.0
  ROMと動きに問題あり 0.5
  完全に運動消失 0.0

A2セクション

クライアントが説明を理解できない状態である“A2セクション”では次の対して以下のような項目と配点になります。

部位 刺激の強度 配点
笑顔の模倣が左右対称 0.5
  笑顔の模倣が左右非対称 0.0
上肢 90°まで拳上が左右同等レベルまで5秒維持可能 1.5
  90°まで拳上が左右同等レベルまで5秒維持不可 0.0
下肢 90°まで股関節を持ち上げ維持することが左右同等レベルまで5秒維持可能 1.5
  90°まで股関節を持ち上げ維持することが左右同等レベルまで5秒維持可能 0.0

CNSのカットオフ値について

CNSの各セクションの合計点数は11.5になります。
カットオフ値での判断というよりは、この11.5点という合計点内でより点数が低い状態は重症度が高いという判別になるようです。

なぜカットオフ値が明確に定まっていないのか?

Canadian Neurological Scale(CNS)には明確なカットオフ値が定まっていない理由としては…

  • 重症度の連続性
  • 患者の状態の多様性
  • 評価項目の多様性
  • 評価目的の多様性
  • 他の評価スケールとの併用
  • 神経系の複雑性

…などがあげられます。
それぞれ解説します。

重症度の連続性

CNSは、スコアが低いほど重症度が高いことを示しますが、重症度は連続的な変化を持つため、特定のカットオフ値を設けることが難しいです。
特に、急性期の患者では、状態が刻々と変化することが多いため、カットオフ値に依存せず、連続的なスコアをもとに患者の状態を評価することが重要です。

この連続性を重視するアプローチにより、より細やかな治療方針の決定が可能になります。

患者の状態の多様性

脳卒中や頭部外傷の患者は、年齢、病歴、損傷の部位や程度などが非常に多様であり、同じスコアであっても患者ごとに異なる臨床像を示すことがあります。
このため、CNSのスコアだけで一律のカットオフ値を設定することは適切ではありません。

各患者の個別の状態を考慮し、医療従事者が臨床的な判断を加味して評価することが求められます。

評価項目の多様性

CNSは、意識レベル、運動機能、感覚機能など、様々な神経学的機能を評価する多岐にわたる項目で構成されています。
各項目の重み付けや重要性は、患者の状態や評価の目的によって異なるため、全体を通して単一のカットオフ値を設定することが難しいです。

したがって、各項目の結果を総合的に考慮し、患者ごとに異なる臨床的な判断が必要となります。

評価目的の多様性

CNSの使用目的は、重症度評価、治療効果の判定、予後予測など多岐にわたり、目的に応じて重視すべきスコア範囲や評価項目が異なります。こ
のため、単一のカットオフ値を設定することは、評価の多様な目的に対応する上で適切ではありません。

各目的に応じて、適切な評価基準を選択することが重要であり、総合的な視点から患者を評価することが求められます。

他の評価スケールとの併用

CNSは、NIHSSやGCSなどの他の評価スケールと併用されることが多く、これらとの関連性を考慮する必要があります。
他のスケールの結果と組み合わせて総合的に判断するため、CNS単独でのカットオフ値に固執することは適切ではありません。

これにより、医療従事者はより総合的な評価を行い、適切な治療やケアを提供できるようになります。

神経系の複雑性

神経系は非常に複雑で、神経損傷が及ぼす影響も多岐にわたるため、CNSの単一のスコアで全ての神経機能を完全に評価することは困難です。
このため、特定のカットオフ値に頼らず、複数の評価項目を通じて神経機能の様々な側面を評価する必要があります。

神経系の複雑性を考慮し、総合的な判断が必要とされるため、CNSのスコアは慎重に解釈されるべきです。

これらの理由から、CNSには明確なカットオフ値が定まっていないってことだね!
そのため、CNSは他の評価ツールや臨床判断と併用しながら、患者の状態を総合的に評価することが求められますね!

カットオフ値で判断する代わりの臨床的対処方法

では、カットオフ値で判断する代わりに、Canadian Neurological Scale(CNS)の結果をどのように対応すればよいのでしょうか?
その対処方法として、ここでは…

  • 経時的な変化の観察
  • 他の評価スケールとの併用
  • 臨床症状との関連付け
  • 画像検査との連携
  • 多職種との連携
  • 患者背景の考慮
  • 機能的評価

…について解説します。

経時的な変化の観察

患者のCNSスコアを定期的に評価し、スコアの推移を記録することで、病状の改善や悪化を視覚的に捉えることが可能です。
スコアの絶対値に固執するのではなく、スコアがどのように変化しているかに注目することで、治療効果の有無を評価できます。

これにより、急性期から慢性期への移行時など、病状の変化に応じた適切な介入が行いやすくなります。

他の評価スケールとの併用

CNS単独では把握しきれない患者の詳細な状態を把握するために、NIHSSやGCSなど他の神経学的評価スケールとの併用が効果的です。
各スケールにはそれぞれ特有の強みがあり、それらを組み合わせることで、患者の状態を多角的に評価できます。

このアプローチにより、より包括的な診断と治療計画が可能になります。

臨床症状との関連付け

CNSスコアだけでなく、麻痺や感覚障害、言語障害などの臨床症状との関連性を考察することで、評価の精度を高めることができます。
臨床症状の変化がCNSスコアの変動と一致しているかを確認することで、治療の効果や病状の進行をより正確に把握できます。

この方法により、スコアの数値以上に、患者の実際の生活や機能にどのような影響があるかを評価できます。

画像検査との連携

MRIやCTなどの画像検査結果とCNSスコアを照らし合わせることで、神経学的損傷の部位や程度を詳細に把握することが可能です。
スコアと画像検査の結果を総合的に判断することで、病変の場所や重症度に基づいた正確な評価ができ、治療方針の決定にも役立ちます。

この連携は、特に病変の広がりや進行状況を評価する際に重要です。

多職種との連携

神経内科医やリハビリテーション医など、各分野の専門家と連携しながら評価結果について議論することで、より適切な治療計画を立てることができます。
多職種の意見を取り入れることで、異なる視点から患者の状態を総合的に評価でき、患者に最適なケアが提供されます。

この協働は、複雑な病態を持つ患者に対して特に有効です。

患者背景の考慮

患者の年齢や既往歴、基礎疾患などの背景情報を考慮することで、CNSスコアをより個別化された評価に結びつけることができます。
これにより、単純な数値評価だけでは見逃されがちな要素を把握し、個々の患者に合わせた治療やリハビリテーション計画を策定できます。

このアプローチは、特に多様な症例を持つ患者のケアにおいて重要です。

機能的評価

日常生活動作(ADL)や認知機能などの機能的評価をCNS評価に加えることで、患者の生活における実際の能力を把握することができます。
これにより、CNSスコアが示す神経学的状態に加えて、患者がどの程度自立して生活できるかを評価でき、より実用的な情報を得ることができます。

これらの機能的評価は、患者のリハビリテーションや退院計画の立案に役立ちます。

CNSに明確なカットオフ値がない場合でも、上記の対応策を組み合わせることで、患者の状態をより詳細かつ正確に評価することができるんだ!
重要なのは、スコアそのものよりも、スコアが何を意味しているのかを理解し、他の情報と総合的に判断することなんだろうね!

CNSと併用されることが多い評価スケール

CNS(Canadian Neurological Scale)は、脳卒中や頭部外傷の評価において非常に有用なツールですが、他の評価スケールと併用することで、より詳細かつ包括的な評価を行うことができます。
ここでは…

  • NIH Stroke Scale (NIHSS)
  • Glasgow Coma Scale (GCS)
  • Barthel Index
  • Functional Independence Measure (FIM)
  • Modified Rankin Scale (mRS)

…について解説します。

NIH Stroke Scale (NIHSS)

NIH Stroke Scale (NIHSS)は、脳卒中の重症度を評価するために最も広く使用されているスケールの一つで、運動機能や感覚機能、言語機能などを詳細に評価します。
CNSと併用することで、脳卒中の種類や部位、重症度をより具体的に捉えることができ、包括的な診断が可能となります。
これにより、治療方針の決定や予後の予測がより正確に行えるようになります。

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Glasgow Coma Scale (GCS)

Glasgow Coma Scale (GCS)は、眼の開閉、言語反応、運動反応の3つの項目で意識レベルを数値化して評価するスケールです。
CNSでは意識レベルも含まれていますが、GCSを併用することで、特に意識レベルの変動をより詳細に捉えることが可能です。
この組み合わせにより、神経学的評価が一層精密になり、意識状態の経過観察において重要な役割を果たします。

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Barthel Index

Barthel Indexは、食事、着替え、排泄などの日常生活動作(ADL)の自立度を評価するスケールです。
CNSと併用することで、神経学的障害が患者の日常生活にどの程度影響を与えているかをより詳細に評価することができます。
この評価は、リハビリテーション計画の立案や患者の社会復帰を支援する上で重要な情報を提供します。

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Functional Independence Measure (FIM)

Functional Independence Measure (FIM)は、日常生活動作に加えて、認知機能や社会性などの高次脳機能も評価するスケールです。
CNSとFIMを併用することで、患者の全人的な機能状態をより包括的に評価することができ、リハビリテーションやケアの計画において重要な役割を果たします。
これにより、患者の生活の質を高めるための効果的な介入が可能になります。

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Modified Rankin Scale (mRS)

Modified Rankin Scale (mRS)は、患者の機能的な独立度を評価するためのスケールで、日常生活動作の能力を評価します。
CNSとmRSを併用することで、神経学的な状態とそれが日常生活に与える影響を総合的に捉えることができます。
この評価により、患者のリハビリテーションの進捗や予後の評価がより正確に行えるようになります。

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CNSのメリット

Canadian Neurological Scale(CNS)は、脳卒中や頭部外傷などの神経疾患患者の状態を評価する上で、非常に有用なツールです。
その主なメリットは以下の通りです。

  • 簡便性
  • 客観性
  • 信頼性
  • 臨床的有用性

それぞれ解説します。

簡便性

CNSの最大のメリットの一つは、その簡便性にあります。
評価は5-10分程度で完了するため、急性期の忙しい医療現場でも迅速に実施可能です。
評価項目が明確で簡潔なため、医療従事者が短期間で習得でき、日常業務に容易に組み込むことができます。
また、シンプルな設計により、評価の実施に特別な訓練や機器が不要です。

これにより、幅広い医療現場で効率的に使用され、患者の状態をすばやく評価できます。

客観性

CNSは、数値化されたスコアを用いることで、評価者間のばらつきを抑え、客観性を保つことができます。
各項目が具体的な数値で評価されるため、異なる医療従事者が評価しても、一貫した結果を得ることができます。
また、定量的な評価により、患者の状態を時間の経過とともに正確に追跡し、変化を捉えることが可能です。

この客観性は、診断の信頼性を高め、治療の効果を客観的に評価する上で重要な役割を果たします。

信頼性

CNSは、繰り返し評価することで、患者の状態を経時的に正確に把握できる信頼性の高いツールです。
標準化された評価方法により、異なる医療機関間でも一貫した結果が得られ、診療の質を向上させます。
この信頼性は、特に脳卒中患者の評価において重要であり、適切な治療計画の立案に貢献します。

また、定期的に評価を繰り返すことで、病状の悪化や改善を早期に検出することが可能です。

臨床的有用性

CNSは、患者の治療効果を評価するための重要な指標として機能します。
評価結果に基づいて、治療の効果や予後を予測し、適切な治療方針を迅速に決定できます。
また、点数が低いほど重症度が高いと判断されるため、医療チームは患者の状態を即座に把握し、必要な介入を迅速に行うことができます。

このように、CNSは臨床現場での実践的なツールとして、治療計画の立案や患者の経過観察に広く利用されています。

CNSは、簡便性、客観性、信頼性、臨床的有用性といった特徴を備えた神経学的評価スケールなんだ!
脳卒中や頭部外傷などの急性期の患者さんに対して、迅速かつ客観的な評価を行う上で重要なツールとなりますね!

CNSのデメリット

CNSは非常に有用な評価ツールですが、他の評価ツールと同様にいくつかの制限やデメリットが存在します。
ここでは…

  • 特異性の欠如
  • 評価者の主観性
  • 動的な状態の評価
  • 非言語的なコミュニケーションの困難
  • 他の要因の影響

…について解説します。

特異性の欠如

CNSは、主に脳卒中や頭部外傷の評価に有効である一方で、他の神経疾患に対する適用性は限定的です。
特に、変性疾患や炎症性疾患など、異なる病態を持つ神経疾患に対しては、その有効性や信頼性が十分に検証されていません。
このため、CNSだけでは、全ての神経疾患に対して包括的な評価を行うことが難しく、他の評価ツールや診断法との併用が必要です。
また、神経疾患の症状は多様であり、CNSの評価項目だけでは全ての症状を網羅できない可能性があります。

このような特異性の欠如は、CNSの適用範囲を制限し、特定の疾患に対しては補完的な評価が必要となることがあります。

評価者の主観性

CNSの評価は、評価者の経験やスキルに大きく依存し、結果にばらつきが生じる可能性があります。
特に、微妙な神経学的徴候の評価においては、評価者の主観が影響を与えることがあります。
さらに、評価が行われる環境(騒音や照明など)も結果に影響を与え、同一の患者であっても評価環境が異なる場合に異なるスコアが得られる可能性があります。
このように、CNSの評価には一定の主観性が含まれており、評価者間での一貫性を確保するためには、標準化された手順やトレーニングが重要です。

主観性の影響を最小限に抑える努力が必要です。

動的な状態の評価

脳卒中などの急性期においては、患者の状態が急速に変化するため、一回のCNS評価だけではその後の経過を正確に予測できない場合があります。
特に、急性期の患者では、短期間での状態の悪化や改善が見られるため、繰り返し評価を行う必要があります。
また、慢性期の患者においては、CNSのスコアが変化しない場合でも、患者の機能的な状態が徐々に変化している可能性があります。

このため、CNSは患者の動的な状態を評価するための補助ツールとして使用されるべきであり、定期的な評価と他の診断手法の併用が推奨されます。

非言語的なコミュニケーションの困難

CNSは、言語障害や意識レベルの低下がある患者に対して評価の困難さが生じることがあります。
特に、言語障害を持つ患者では、質問に対する正確な応答が得られず、評価が難しくなる場合があります。
また、意識レベルが低下している患者では、一部の評価項目を実施できず、正確なスコアを得ることが困難になることがあります。
これにより、CNSのスコアが実際の患者の状態を完全には反映しない可能性があります。

非言語的なコミュニケーションが難しい患者に対しては、他の評価手法や補助的なコミュニケーション手段が必要です。

他の要因の影響

CNSの評価結果は、患者が使用している薬剤や合併症の影響を受ける可能性があります。
特に、神経機能に影響を与える薬剤を使用している場合、CNSのスコアが実際の病状を正確に反映しないことがあります。
また、他の疾患や合併症が神経機能に影響を及ぼしている場合、CNSのスコアだけではこれらの影響を分離して評価することが難しくなります。

このような場合、CNSのスコアはあくまで一つの指標として捉え、他の診断手法や臨床判断と併せて総合的に評価する必要があります。

CNSは脳卒中や頭部外傷の評価に有用ですが、限界もあり、他の評価ツールや検査結果との併用が重要なんだ!
また、評価者のスキルや環境が結果に影響する可能性があるため、慎重な判断が求められるだろうね!

参考

関連文献

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