拘縮予防のための4つのポイント

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拘縮は関節の可動域が減少する症状で、予防には定期的なストレッチや適切な体位の確保が重要です。
本記事では拘縮予防のための4つのポイントについて解説します。


拘縮予防のための4つのポイント

拘縮予防のためのポイントとして、ここでは…

  • 定期的な筋肉のストレッチ
  • 機能的な制限を防ぐための予防策
  • 拘縮の早期発見と治療
  • 体位や装具の使用

…について解説します。

定期的な筋肉のストレッチ

脊髄損傷患者における拘縮の一般的な治療法として、筋肉やその他の軟部組織への定期的なストレッチが挙げられます1)。
ストレッチにより、筋肉や軟部組織の柔軟性を保ち、関節の可動範囲を維持することができます。

脊髄損傷患者の場合、拘縮予防のためのストレッチは、一般的に長時間行われることが推奨されています。
最低でも20分間、場合によっては1日に12時間に及ぶ長時間ストレッチが、拘縮を予防する上で特に効果的とされています。

これには、筋肉の緊張を緩和し、筋肉の短縮を防ぐ効果があります。

機能的な制限を防ぐための予防策

看護施設の入所者において、拘縮は痛み、転倒リスクの増加、機能的能力の低下などの多くの悪影響を及ぼします2)。
拘縮は、関節や筋肉の可動域が制限されることで生じ、痛み、転倒のリスク増加、そして最も重要な機能的能力の低下を招きます。
これらは、入所者の日常生活における自立性や生活の質を著しく低下させる可能性があります。
特に、高齢者や長期間のベッド上での生活を余儀なくされている人々において、これらのリスクは顕著です。

このような状況において、リハビリテーション看護は非常に重要な役割を果たします。
リハビリテーション看護のアプローチには、定期的な体位変換、筋肉のストレッチ、関節の動かし方の指導、適切な運動プログラムの実施などが含まれます。
これらの活動は、拘縮の予防に加えて、全般的な身体機能の維持と改善にも寄与します。

拘縮の早期発見と治療

火傷の後の拘縮を防ぐためには、早期の皮膚移植、持続的なマッサージ、能動的および受動的運動などが必要です3)。

火傷による拘縮は、皮膚や周辺組織の硬直化によって生じるもので、関節の動きの制限や機能障害を引き起こすことがあります。
このような状況を防ぐためには、火傷の治療においていくつかの重要なステップがあります。
まず、早期の皮膚移植が重要です。
これにより、損傷した皮膚を修復し、拘縮のリスクを減らすことができます。

次に、持続的なマッサージが推奨されます。
マッサージは、硬化した組織を柔らかくし、血流を改善するのに役立ちます。
さらに、能動的および受動的運動の実施が不可欠です。
能動的運動は患者自身による動きで、関節の可動範囲を保つのに効果的です。
一方、受動的運動は、他者による支援で行われ、関節の柔軟性を維持します。

これらの治療は、火傷の回復過程で積極的に取り入れることで、拘縮の発生や進行を防ぐことができます。
拘縮の早期発見とこれらの治療法の適用は、火傷患者の生活の質を維持し、長期的な機能障害を防ぐために非常に重要です。

体位や装具の使用

大規模な火傷の治療において、体位、装具、運動、圧迫などによって拘縮の予防が行われます4)。

まず、適切な体位の維持は重要で、関節を適切な位置に保つことで拘縮のリスクを減らします。
次に、装具の使用が効果的です。これらは関節を安定した状態に保ち、正しい位置での治癒を助けます。

さらに、適切な運動療法の実施も不可欠です。
これには能動的および受動的な運動が含まれ、関節の可動範囲を保つのに役立ちます。
また、圧迫療法は、火傷部位の腫れを減少させ、皮膚の修復を促進するのに有効です。

これらの手法を組み合わせることで、大規模な火傷の患者における拘縮の予防と管理が可能になります。
それぞれの患者の状態に応じて、これらの治療法を適切に調整し適用することが、効果的なリハビリテーションと回復への鍵となります。

拘縮予防は、適切な体位、装具の使用、運動療法、および圧迫療法の組み合わせによって行われるってことだね!
これらの手法は、患者の関節の可動範囲を維持し、効果的なリハビリになるんですね!

関連文献

参考

  • 1)Harvey, L., & Herbert, R. (2002). Muscle stretching for treatment and prevention of contracture in people with spinal cord injury. Spinal Cord, 40, 1-9. https://doi.org/10.1038/sj.sc.3101241.
  • 2)Wagner, L., & Clevenger, C. (2010). Contractures in nursing home residents.. Journal of the American Medical Directors Association, 11 2, 94-9 . https://doi.org/10.1016/j.jamda.2009.04.010.
  • 3)Coakley, W. (1937). Burns: A discussion on their treatment, both immediate and remote, with special emphasis on the prevention of scars and contractures. American Journal of Surgery, 36, 50-53. https://doi.org/10.1016/S0002-9610(37)90784-0.
  • 4)Hjellestad M. Fysioterapi ved store brannskader [Physical therapy of extensive burns]. Tidsskr Nor Laegeforen. 1989 Nov 10;109(31):3200-2. Norwegian. PMID: 2595680.
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