拘縮などを可動域制限がある場所へ関節可動域訓練を行うにはどういう方法があるのでしょうか?
本記事ではROM訓練について解説します。
ROM訓練とは?
ROM訓練は「関節可動域訓練」の略であり、患者が関節を正常な可動域で動かすための運動療法の一環です。
これは、関節の柔軟性や可動域を維持・向上させるために行われる身体活動であり、特に拘縮や関節の制限を防ぐ効果があります。
ROM訓練の目的
ROM訓練の主な目的は、関節の柔軟性や可動域を維持・向上させ、患者が正常な生活を送るために必要な動作や姿勢を確保することです。
また、怪我や手術後の回復過程においても、ROM訓練は機能回復を促進する重要な手段となります。
ROM訓練の方法と種類
ROM訓練には…
- 自動的ROM訓練
- 自動介助的ROM訓練
- 他動的ROM訓練
…の3つの主要な種類があります。
以下にそれぞれ解説します。
自動的ROM訓練
自動的ROM訓練は、患者が自身の筋肉を使って、関節を動かす運動療法です。
例えば、手首を曲げ伸ばしするなど、患者が自力で行う範囲の可動域訓練が含まれます。
この訓練は患者が自分のペースで動作でき、日常の動作の改善に寄与します。
患者の主体的な参加が求められ、自発的な動きを引き出すことが特徴です。
自動介助的ROM訓練
自動介助的ROM訓練は、患者が自力で動かせる範囲を外力を利用して広げる訓練です。
セラピストからのサポートを受けながら、患者が限定された力で動作することで、徐々に可動域を向上させます。
患者の努力に外部の支援が組み合わさり、安全かつ効果的な訓練を可能にします。
他動的ROM訓練
他動的ROM訓練は、患者がリラックスした状態でセラピストの外力によって関節を動かす訓練です。
患者が自ら力を加えずに、外部からの刺激によって可動域を広げます。
これは患者が動けない状態や急性の炎症がある場合に適しており、徐々に柔軟性を回復させる役割を果たします。
ROM訓練の注意点
ROM訓練においては、関節のアライメントに注意が払われ、急激な負荷や過大な動作は避けられます。
患者の状態に合わせて適切な種類の訓練が選択され、持続的な痛みが回避されるように調整されることが重要です。