大腰筋(だいようきん)- 起始・停止・支配神経・血液供給・主な働きや作用

大腰筋は、脊柱のすぐ外側に位置する重要な筋肉で、股関節の動きや体幹の安定に不可欠です。
本記事では大腰筋(だいようきん)について解説します。


大腰筋の起始・停止

起始 T12-L4の椎体、T12-L4間の椎間板、L1-L5椎骨の横突起
停止 腸腰筋腱としての大腿骨小転子

大腰筋は、脊柱のすぐ横に位置する長い筋肉です。
この筋肉の起始は…

T12(第12胸椎)からL5(第5腰椎)の椎体
T12-L4間の椎間板
L1-L5椎骨の横突起

…になります。

大腰筋の繊維は、下方・外側に伸びて、小骨盤を通って太ももに向かいます。
これらの繊維は骨盤の縁を経て、鼠径靱帯の下を通り太ももの前部に合流して挿入します。

その経路の中で、大腰筋の最も外側の繊維は腸骨筋の繊維と融合して腸腰筋を形成します。
腸腰筋は鼠径靱帯の深部を通り、股関節の関節包の前を通って、大腿骨の小転子に停止します。

この筋肉群は、下半身の動き、特に腿の挙上や体幹の屈曲に重要な役割を果たしているんだ!
また、立ち上がる動作や歩行など日常生活の多くの動作にも影響を与えますね!

大腰筋の支配神経

神経支配 脊髄神経前枝L1~L3

大腰筋は腰神経叢(lumbar plexus)の枝によって神経支配されています。
腰神経叢は、脊髄の第1腰椎(L1)から第3腰椎(L3)の前枝から形成されます。
これらの神経は、大腰筋を含む下半身の筋肉に命令を送る役割を持っています。

具体的には、腰神経叢から分岐する神経が大腰筋へと伸び、筋肉の収縮を調節することで、体のさまざまな動きをサポートします。
たとえば、大腰筋は腿を持ち上げる動作や体幹の前屈などに関与しており、これらの動作は大腰筋に神経信号が適切に伝わることによって行われます。

大腰筋の神経支配は、腰部の安定性と下肢の動作において重要といえるね!
この神経の機能不全は腰痛や歩行障害などの問題を引き起こす可能性がありますからね!

大腰筋の血液供給

血液供給 腸腰動脈の腰枝

大腰筋は主に内腸骨動脈の腸腰枝によって血液供給されています。
さらに、大動脈の腰部枝や内腸骨動脈の閉鎖枝、外腸骨動脈および大腿動脈の枝も大腰筋への血流に寄与しています。

大腰筋の静脈の排出は動脈の供給を反映しており、血液は大腿静脈、外腸骨静脈、内腸骨静脈を通じて戻ります。
さらに、一部の血液は下大静脈にも直接流れ込むことがあります。
このように、筋肉からの代謝産物が効率的に除去され、再び心臓に戻されることで、筋肉の回復と再生が促されます。

この複雑な血管ネットワークは、大腰筋が持続的に高い機能を保つために非常に重要であり、筋肉の健康維持と機能の維持に不可欠なんだ!
またこのような血管の配置は、手術や介入時に注意が必要な領域となるんですね!

大腰筋の機能・作用

機能 股関節:大腿・体幹の屈曲、大腿部の外旋、体幹の側屈

大腰筋の主な作用は、股関節での大腿の屈曲と外旋です。
また、股関節での体幹の屈曲や体幹の側方屈曲も行います。
大腰筋は姿勢を保持する筋肉としても機能しています。

立っている時には、正常な腰椎の前弯(腰椎前弯)と間接的な胸椎の後弯(胸椎後弯)を維持することで、脊柱を安定させます。
これにより、立位姿勢を保持し、脊柱にかかる負荷を適切に分散させることができます。

大腰筋は、歩行や走る際などの下肢の動作だけでなく、座ったり立ったりする動作や体を前方に曲げる動作など、日常生活のさまざまな動作において重要な役割を果たすんだ!
また、長時間の立ち仕事や座りっぱなしの状態でも、脊柱の健康を支えるために重要なんですね!

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