患者情報の一つとして、現病歴というものがあります。
今回はこの現病歴の…
- 収集する目的
- 既往歴との違い
- 現症との違い
- 書き方
…などについて解説します。
現病歴とは?
現病歴とは、端的に言えば…
患者が現在抱えている病気や症状についての記録
…となります。
この現病歴には、病気の始まりや経過、症状の内容や程度、治療法や薬物の使用などが含まれます。
セラピストが現病歴を把握する目的とは?
つまり、セラピストが面接で、現病歴を調べることの目的とは…
患者の病気の経過や現在の状態を把握すること
…になります。
これにより、患者さんの病気の原因や症状を正確に把握し、適切な治療法を提供することができます。
また、現病歴を調べることで、患者の生活習慣や職業などの情報も得ることができます。
これにより、患者に合ったリハビリテーションプログラムを作成することができます。
現病歴と既往歴の違いとは?
現病歴に似た用語で”既往歴”があります。
臨床では、現病歴と既往歴とを間違って把握していることがよくあるようです。
それぞれ端的に解説すれば…
現病歴:患者が現在抱えている病気や症状についての記録。
例としては…病気の始まりや経過、症状の内容や程度、治療法や薬物の使用など
既往歴:患者が過去に罹患したことのある病気や手術、アレルギーなどについての記録。
過去にどのような健康問題を抱えていたかを示すもので、医師が診断や治療にあたる際に重要な情報となります。
つまり…
- 現病歴は現在の健康問題に焦点を当てたもの
- 既往歴は過去の健康問題に焦点を当てたもの
…ということになります。
現病歴と現症との違いについて
また、よく現病歴と現症も混同して使われることもちらほらみられます。
そもそもこの2つは異なる概念です。
現症とは…
患者が現在抱えている症状のこと
…を指します。
現症は、患者が診察時に訴える症状であり、診断や治療にあたる際に重要な情報です。
つまり…
- 現病歴は現在の健康問題についての記録
- 現症は現在抱えている具体的な症状
…を指します。
現病歴の書き方について
ではセラピストが現病歴を報告書などに書く際には、どのような点に注意する必要があるでしょうか?
一般的には、次のような情報を含めるとよいとされています。
- 病気の始まり
- 病気の経過
- 現在の状態
以下にそれぞれ解説します。
病気の始まり
病気がいつ始まったか、どのような症状があったかなどを記録します。
病気の経過
病気がどのように進行してきたか、治療法や薬物の使用がどのように効果を発揮したかなどを記録します。
現在の状態
現在の症状や体調、治療法や薬物の使用などを記録します。
現病歴は、患者の治療にあたる際に重要な情報となるため、正確かつ詳細に記録することが重要です。
また、現病歴は定期的に更新することで、患者さんの健康状態の変化を正確に把握することができます。
まとめ
今回は患者の現病歴について、情報収集としての目的や既往歴、現症との違いについて解説しました。
リハビリはチーム医療になります。
そのためには情報を正しく共有する必要があります。
現病歴もクラアイントの重要な情報ですので、目的をもって情報収集し、また提供するように心がける必要があります。