FQテスト(手指機能指数テスト)- 検査項目・目的・方法・所要時間・デメリットについて

検査

手指の機能を検査する方法の一つに“FQテスト(手指機能指数テスト)”というものがあります。
本記事では、このFQテストについて概要ですが解説します。


FQテストとは?

FQテスト(手指機能指数テスト)とは、上肢機能を総合的かつ詳細に検査したい場合に使用する方法になります。
つまり、手指の機能障害や治療の改善程度を評価するため、知能指数のような標準化された指数を得ることを目的に開発されたテストです。

テスト結果は手指機能指数(finger functional quotient)によって表示されるのが特徴です。

FQテストのサブテストについて

FQテストの下位検査は次のような大項目で構成されています。

  • 動作的機能
  • 補助的機能
  • 調節的機能

また、その下位検査項目としては次のようになります。

大項目 制限
動作的機能検査 指腹つまみ検査 時間制限|正確つまみ:50gおもり2子の交互つまみ 
側面つまみ検査 時間制限|力量つまみ:1および2kg抵抗のホッチキス型つまみの反復 
回外検査 時間制限|ボルトナット回し(φ110×20mm)、肘台付 
フィンガーローリング 時間制限|ボルトナット回し(φ25×20mm)、肘台付
グリップ検査 時間制限|血圧計用送気球の急速反復プレス(0~1000cc) 
補助手機能 手掌面固定検査 作業制限|利き手作業との連関による手掌で平板押え(0~10kg、10mm移動)*作業対象の支持固定
調節的機能 間隔維持検査 作業制限|空間での運動バランス、50g、100g、200g,おもりを一定位持ち上げ溝を平行移動 *重量知覚力の調節
タイミング検査 作業制限|メトロノームの順次速度を変えるリズムに合わせ、駒をつかんで運び落す *速度の調節
格子模様検査 作業制限|フェルトペンで所定の点間をフリーハンドで結び、格子模様を描く *方向の調節
両手協調検査 作業制限|20本の紐,300mmを1回結びする 

FQテストの評定について

FQテストの評定は、それぞれ10段階であり、健常者で最も低水準の機能(不器用)がFQ=100となります。
また、ADLがかろうじて自立可能な機能は、20~30となるように設定されています。

FQテストの所要時間

テストの所要時間は、重度障害者でも1時間以内のようです。

FQテストのデメリットについて

このFQテストは次のようなデメリットあります。

  • 検査器具の費用
  • 収納スペースと故障の問題
  • FQ算出に時間がかかる

以下にそれぞれ解説します。

検査器具の費用

FQテストに使用される検査器具は高価であることが多く、特に小規模な医療施設やリハビリテーションセンターでは導入が困難な場合があります。
これは、最先端の技術や特殊な装置を必要とするため、初期投資が大きくなる傾向があります。

また、この高額なコストは、特に予算に制限がある施設にとっては、テストの普及やアクセスを制限する要因となり得ます。

収納スペースと故障の問題

FQテスト装置は通常、サイズが大きく、適切な収納スペースを必要とします。
これは特にスペースが限られている医療施設やクリニックでは大きな問題となることがあります。
さらに、これらの機器は故障しやすいことがあり、定期的なメンテナンスや修理が必要になることがあります。

これは、運用コストの増加や、機器が使用不可になるリスクを意味し、患者へのサービス提供に影響を与える可能性があります。

FQ算出に時間がかかる

FQテストの実施と結果の算出には時間がかかることがあります。
詳細かつ正確な視覚機能の分析を行うためには、様々なテストを実施し、その結果を総合してFQ(機能的視覚)スコアを計算する必要があります。
このプロセスは時間がかかり、特に多くの患者を迅速に診察する必要がある場合、診療の効率を低下させる可能性があります。

また、この時間のかかるプロセスは、患者の待ち時間の増加や、クリニックのスケジューリングに影響を及ぼす可能性があります。

FQテストの素晴らしい点はやっぱり手指の運動機能を“数値化”しようとしている事だろうね!
作業療法の現場では定量化することって結構苦手とされていますからね!

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