圧痛 – 原因・疼痛との違いなどについて

圧痛 - 原因・疼痛との違いなどについて 用語

圧痛とは、特定の部位に外部から圧力が加わると感じる痛みであり、主に触診によって確認されます。
炎症や外傷、内臓疾患などが原因で発生し、適切な治療が必要です。

本記事では圧痛の原因や疼痛との違いなどについて解説します。


圧痛とは

圧痛とは、医師が診察時に行う触診の一つで、押さえた際に痛みを感じることを指します。
これは患者が自覚する症状であり、皮膚や筋肉、内臓などに炎症や異常がある場合に発生することがあります。

圧痛の原因や範囲を特定するためには圧痛点検査や叩打痛検査が用いられ、必要に応じて薬物治療や手術が行われることがあります。

圧痛は英語で “tenderness” と表現されるんだ!
医学的な文脈では、特定の体の部位が触れられたり圧力を受けたりしたときに感じる痛みや不快感を指すんですね!

圧痛の原因

圧痛の原因として考えられるものは次のとおりになります。

  • 外傷や感染による炎症
  • 機械的刺激
  • 温度刺激
  • 化学的な刺激
  • 細菌の侵入
  • 筋肉の使いすぎ
  • 内臓疾患
  • 神経障害

それぞれ解説します。

外傷や感染による炎症

圧痛の原因として考えられるものは、外傷や感染による炎症です。
けがややけどなどの外傷が組織にダメージを与えると、その部位で炎症が起こります。
炎症は、体の自然な防御反応であり、損傷を受けた組織の修復を助けるために血液や免疫細胞が集まります。
この過程で、炎症部位に存在する神経終末が刺激され、痛みを感じるようになります。
さらに、感染が加わると、細菌やウイルスによって炎症が悪化し、圧痛がより強くなることがあります。

このような場合、抗炎症薬や抗生物質などの治療が必要です。

機械的刺激

機械的刺激も圧痛の一因となります。
例えば、物理的な圧力や摩擦が皮膚や筋肉に加わると、圧痛を引き起こすことがあります。
長時間の圧迫や繰り返しの摩擦によって、組織が損傷し、炎症が発生します。
例えば、狭い靴を長時間履き続けると、足の特定の部位に圧力がかかり、痛みが生じることがあります。
また、重い物を持ち続けることも、同様に筋肉や関節に過度の負担をかけ、圧痛を引き起こします。

これらの機械的刺激による圧痛は、負担を軽減することで改善されることが多いです。

温度刺激

温度刺激も圧痛の原因となります。
熱や寒さなどの急激な温度変化が、痛みを感じる侵害受容器を刺激し、圧痛を引き起こすことがあります。
例えば、熱湯に触れると皮膚が熱によって損傷を受け、強い痛みを感じることがあります。
寒冷も同様に、極端な寒さが神経を刺激し、痛みを引き起こすことがあります。
温度刺激による圧痛は、適切な温度管理と保護によって予防することが可能です。

やけどや凍傷の場合には、迅速な治療が必要です。

化学的な刺激

化学的な刺激も圧痛を引き起こす要因です。
化学物質による刺激が皮膚や組織に直接影響を与え、痛みを感じることがあります。
例えば、酸やアルカリ性の物質が皮膚に接触すると、組織が損傷を受け、炎症とともに圧痛が生じます。
また、一部の化学物質は神経終末を直接刺激し、痛みを引き起こすこともあります。
化学的刺激による圧痛を防ぐためには、化学物質を取り扱う際の適切な防護が重要です。

万が一、化学物質に触れて痛みを感じた場合には、すぐに洗い流し、必要に応じて医療機関を受診することが推奨されます。

細菌の侵入

細菌やウイルスなどの微生物が体内に侵入することも、圧痛の原因となります。
これらの微生物が組織に感染すると、免疫反応が引き起こされ、炎症が生じます。
炎症に伴う免疫細胞の活動が神経終末を刺激し、痛みを感じるようになります。
例えば、膿瘍や蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの感染症では、感染部位に圧痛が生じることがあります。
このような感染症による圧痛は、抗生物質などの適切な治療によって改善されます。

感染の兆候がある場合は、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

筋肉の使いすぎ

筋肉の使いすぎも圧痛を引き起こす要因です。
過度な運動や長時間の筋肉の使用によって、筋肉や筋膜に負担がかかると、痛覚受容器が刺激されて圧痛が生じます。
例えば、激しい運動の後に筋肉痛を感じるのは、筋繊維が微細な損傷を受けた結果です。
このような筋肉性の圧痛は、休息や適切なストレッチ、冷却などのケアによって軽減されます。
しかし、長期間にわたる過度の筋肉使用が続くと、慢性的な痛みや筋膜炎などの問題が発生することがあります。

適切なトレーニングと休息を取ることが、筋肉の使いすぎによる圧痛の予防につながります。

内臓疾患

内臓疾患も圧痛の原因となることがあります。
例えば、胃や十二指腸の潰瘍、膵炎、胆石、胆嚢炎などの内臓疾患では、該当する臓器が圧迫された際に痛みを感じます。
これらの疾患では、臓器の炎症や損傷が神経を刺激し、圧痛が生じます。
内臓疾患による圧痛は、通常、深部に位置する臓器に関連しているため、痛みの場所や強さが異なることがあります。
このような場合には、専門医による診断と適切な治療が必要です。

内臓疾患が疑われる場合は、迅速に医療機関を受診することが重要です。

神経障害

神経障害も圧痛の原因となります。
例えば、坐骨神経痛などの神経自体の圧迫や神経伝達の障害が圧痛を引き起こすことがあります。
神経障害による痛みは、神経の経路に沿って広がることがあり、鋭い痛みや刺すような痛みを感じることがあります。
神経障害は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、脊椎に関連する問題が原因であることが多いです。
神経障害による圧痛は、薬物治療や理学療法、場合によっては外科的治療が必要です。

早期に診断と治療を受けることで、症状の悪化を防ぐことができます。

圧痛は、外傷や炎症、内臓疾患、神経障害などさまざまな原因で発生し、体の特定の部位に圧力が加わることで痛みを感じる現象なんだ!
適切な診断と治療が重要であり、痛みが続く場合は医療機関を受診することが推奨されますね!

圧痛と疼痛の違い

圧痛と疼痛は、痛みを感じる状況や原因によって異なります。
ここでは…

  • 発生源
  • 痛みの種類
  • 痛みの反応
  • 治療への反応
  • 管理と予防

…について解説します。

発生源

圧痛は外部からの圧力によって特定の部位が押されたときに感じる痛みです。
例えば、医師が診察時に患者の痛みを訴える部位を押すと、その部位に圧痛があるかどうかを確認できます。
この圧痛は、物理的な力が直接皮膚や筋肉、または内部の臓器に加わることで生じます。

一方、疼痛は内部の組織損傷やそれが起こりそうな状況、または神経障害によって生じる痛みです。
例えば、腰痛や関節痛、内臓の痛みなどがこれに該当します。
疼痛は外部からの圧力がなくても自然に発生し、神経や組織の異常が原因となることが多いです。

痛みの種類

圧痛は、触診によって確認される痛みで、押さえると痛む症状を指します。
これは物理的な刺激に対する直接的な反応であり、例えば、打撲や炎症、腫瘍などがある部位を押すと痛みが生じます。

疼痛は、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛に分けられ、それぞれ異なる原因によって痛みが起こります。
侵害受容性疼痛は、組織の損傷や炎症によって引き起こされ、例えば、切り傷ややけど、炎症性疾患などがこれに該当します。
神経障害性疼痛は、神経自体の障害や損傷によって生じ、例えば、坐骨神経痛や帯状疱疹後神経痛などがこれに該当します。

痛みの反応

圧痛は、物理的な刺激に対する直接的な反応として現れます。
例えば、押さえた部分にすぐに痛みが生じるため、触診によって痛みの有無や程度を確認することが容易です。

疼痛は、慢性的になることがあり、治療が難しい場合もあります。
例えば、慢性腰痛や神経障害性疼痛は、長期間にわたって持続し、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
慢性疼痛は、単なる一時的な痛みではなく、持続的で、患者の生活の質を著しく低下させることがあります。

治療への反応

圧痛は、原因となる病気の治療によって改善されることが多いです。
例えば、打撲や炎症が原因であれば、抗炎症薬や適切な休息によって圧痛は軽減します。

一方、疼痛は、非ステロイド性鎮痛薬(NSAIDs)が効きにくい場合があり、鎮痛補助薬を併用することがあります。
例えば、神経障害性疼痛では、抗うつ薬や抗けいれん薬が痛みの緩和に用いられることがあります。
疼痛の治療は個別に調整される必要があり、痛みの原因や患者の状態に応じて適切な薬物療法が選択されます。

管理と予防

圧痛は、適切な診断と治療によって比較的短期間で改善されることが多いです。
例えば、物理的な圧力を避ける、炎症を抑える薬を使用する、などの対策が有効です。

疼痛は、慢性的になることが多く、長期的な管理が必要です。
疼痛管理には、薬物療法に加えて理学療法や心理療法、生活習慣の改善などが含まれます。
例えば、定期的な運動やストレス管理、適切な姿勢の維持などが疼痛の予防に役立ちます。
疼痛は患者の生活の質に大きく影響するため、包括的なアプローチが求められます。

圧痛は原因を特定し治療すれば比較的早く改善するけど、疼痛は慢性的になることが多く、包括的なアプローチが必要なんだ!
疼痛管理には薬物療法に加えて理学療法や心理療法、生活習慣の改善が効果的でしょうね!

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