Neer’s test(ニアー検査)は、肩関節の痛みを調べるための検査方法の一つです。
本記事ではその方法や目的、対象などについて解説します。
Neer’s testとは?
Neer’s testとは、肩峰下インピンジメントの徒手的評価方法になります。
Neer’s testの検査方法
Neer’s testの検査方法ですが、大まかな流れとしては次のようになります。
- 立位姿勢で検査肢位をとる
- 肩関節内旋位に保持する
- 肩関節内旋位のまま屈曲させる
- 肩関節前外側面の痛みを訴えれば陽性とする
以下にそれぞれ詳しく解説します。
1.立位姿勢で検査肢位をとる
被験者は立位姿勢で、検査肢位(肩関節20度屈曲位・最大内旋位・肘関節伸展位)になります。
2.肩関節内旋位に保持する
検者は肩甲骨を固定して回旋を抑えたうえで、肩関節内旋位を保持します。
3.肩関節内旋位のまま屈曲させる
他動的に肩関節を最終域まで屈曲させます。
4.肩関節前外側面の痛みを訴えれば陽性とする
肩関節屈曲により、肩関節前外側面の痛みを訴えれば陽性とします。
屈曲90度から140度の範囲内で痛みを訴えることが多くあります。
Neer’s testの診断学的有用性
著者 | 信頼性 | 感度 | 特異度 | 陽性尤度比 | 陰性尤度比 |
---|---|---|---|---|---|
Michener LA,et al(2009) | kappa=0.40 | 81 | 54 | 1.76 | 0.35 |
Park HB,et al(2005) | NR | 68 | 68.7 | 2.17 | 3.51 |
滑液包炎 | NR | 85.7 | 49.2 | 1.69 | 0.62 |
回旋筋腱板部分損傷 | NR | 75.4 | 47.5 | 1.44 | 0.58 |
回旋筋腱板全層損傷 | NR | 59.3 | 47.2 | 1.12 | 0.80 |
Calis M,et al(2000) | NR | 88.7 | 30.5 | 1.28 | 0.37 |
MacDonald PB,et al(2000) 滑液包炎 | NR | 75 | 47.5 | 1.43 | 0.53 |
回旋筋腱板損傷 | NR | 83.3 | 50.8 | 1.69 | 0.33 |
滑液法炎または回旋筋腱板損傷 | NR | 77 | 62.5 | 2.05 | 0.37 |
痛みを伴う可能性があるから、患者さんには事前の許可が求められるだろうね!
患者さんの様子にも配慮して行うべきでしょうね!