褥瘡の評価方法として日本褥瘡学会で制定されたDESIGN-R®があげられます。
本記事ではこのDESIGN-R®について解説します。
DESIGN-R®について
褥瘡の治療過程を評価するためのツールであるDESIGN-R®ですが、端的にまとめると次の項目を評価します。
- Depth(深さ):創内の一番深い部分
- Exudate(滲出液):ドレッシング交換の回数
- Size(大きさ):褥瘡の皮膚損傷部の大きさ
- Inflammation/Infection(炎症/感染):局所の感染徴候の有無
- Granulation tissue(肉芽組織):良性肉芽の割合
- Necrotic tissue(壊死組織):壊死組織の有無
- Pocket(ポケット):ポケットの有無
以下にそれぞれ解説します。
Depth(深さ)
「Depth」は褥瘡の深さを評価する指標で、創内の一番深い部分を測定します。
この評価は褥瘡の重症度を示す重要な要素であり、治療の進行度や治癒過程を判断するのに役立ちます。
深さによって、褥瘡の治療法や必要なケアの種類が異なるため、定期的な測定が必要です。
Exudate(滲出液)
「Exudate」は褥瘡からの滲出液の量を評価します。
ドレッシング交換の回数や滲出液の性質は、創傷の状態や感染の有無を示す重要な指標です。
適切な滲出液の管理は、感染防止と創傷環境の改善に不可欠であり、治療計画の調整に役立ちます。
Size(大きさ)
「Size」は褥瘡の皮膚損傷部の大きさを測定します。
この大きさは褥瘡の重症度を判断するための基本的な指標であり、治療の進行度を評価する上で重要です。
褥瘡の大きさの変化は、治療の有効性を判断するための指標として使用されます。
Inflammation/Infection(炎症/感染)
「Inflammation/Infection」は、褥瘡部位の局所的な炎症や感染の有無を評価します。
感染の徴候には赤み、腫れ、熱感、痛みなどがあり、感染の存在は治療計画や抗生物質の使用に影響を与えます。
炎症や感染の管理は、褥瘡の治癒過程において重要です。
Granulation tissue(肉芽組織)
「Granulation tissue」は、褥瘡内の良性肉芽組織の割合を評価します。
肉芽組織の出現は創傷治癒の進行を示し、その色や質感は治療の進行状況を反映します。
肉芽組織の状態は、治療計画の調整に役立ちます。
Necrotic tissue(壊死組織)
「Necrotic tissue」は、褥瘡内の壊死組織の有無を評価します。
壊死組織の存在は褥瘡の治癒を遅らせる原因となり、創傷の清浄化が必要です。
壊死組織の管理は、褥瘡の治癒過程において非常に重要です。
Pocket(ポケット)
「Pocket」は、褥瘡内に形成されるポケット状の空間の有無を評価します。
ポケットの存在は、褥瘡の深さや感染のリスクを高める可能性があり、治療計画において特別な注意を要します。
ポケットの管理は、褥瘡の治癒過程において重要な側面です。
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