褥瘡が発生しやすい人ってある程度予想がつきます。
この褥瘡発生のリスクを点数化した評価ツールとして”OHスケール”というものがあります。
今回はこのOHスケールについて解説します。
OHスケールについて
“OHスケールは”は褥瘡ができやすい人の特徴を基に、褥瘡発生の危険要因を点数化し評価ツールです。
大浦武彦氏、堀田由浩氏によって開発された“OHスケール”になります。
対象
OHスケールは主に寝たきりの高齢者や虚弱高齢者を対象としています。
分類について
OHスケールは次のように褥瘡発生リスクを分類します。
危険要因 | 自立度 | 点数 |
---|---|---|
自力体位変換能力 | できる | 0 |
どちらでもない | 1.5 | |
できない | 3 | |
病的骨突出 | なし | 0 |
軽度・中等度 | 1.5 | |
高度 | 3 | |
浮腫 | なし | 0 |
あり | 3 | |
関節拘縮 | なし | 0 |
あり | 1 |
点数とカットオフについて
OHスケールには合計点数でリスク評価を行います。
合計点数が…
- 1~3点:軽度レベル
- 4~6点:中等度レベル
- 7~10点:高度レベル
…となります。
褥瘡になりやすい疾患について
褥瘡を併発しやすい疾患については様々ですが、代表的なものとしては…
- うっ血性心不全
- 骨盤骨折
- 脊髄損傷
- 糖尿病
- 脳血管疾患
- 慢性閉塞性肺疾患
…があげられます。
加えて高度ではないものの、褥瘡発生のリスクが高まる可能性がある疾患としては…
- 悪性腫瘍
- アルツハイマー病
- 関節リウマチ
- 骨粗鬆症
- 深部静脈血栓症
- パーキンソン病
- 末梢血管疾患
- 尿路感染症
…などがあげられます。
褥瘡の好発部位
上述したように、褥瘡は骨が隆起している部位(骨突出部)にできやすいとされています。
基本的に耐圧がかかりやすい部位としては…
- 仙骨部
- 背部
- 腸骨部
- 大転子部
- 下腿部
- 踵部
- 頭部
- 肩部
- 耳部
…などがあげられます。
ただし、この好発部位は仰臥位や側臥位、座位などの姿勢によって変化します。
姿勢別で褥瘡の好発部位をあげると…
- 仰臥位:仙骨部・踵骨部
- 座位:尾骨部
- 側臥位:大転子部
…になります。
OHスケールのようにしっかりと数値化することで明確にできるし、対応の優先順位などにも役立つことができるはずだからね!
経験からイメージできそうですけど、OHスケールを使用して定量化することも重要でしょうね!