ADLの評価方法は様々です。
本記事では“生田宗博”氏らが1978年に発表した“ADL-T”という方法について解説します。
生田らによるADL-Tとは?
“ADL-T”は厚生労働省・脳脊髄損傷者の総合機能研究におけるADL評価法に関する分担研究で作成・紹介された評価法です。
日本の作業療法士として初めて医学博士となった”生田宗博”氏によって作成されました。
検査対象項目について
ADL-Tの検査対象項目についてですが、
- 食事
- 整容
- 更衣
- 排泄
- 入浴
…の5つの大項目を選定しており、それぞれに下位項目を設定して動作遂行能力を評価します。
特徴
ADL-Tはフローチャート形式の評価様式である点が特徴と言えます。
この特徴は様々な文献や論文で作業療法の共通評価としてふさわしいと紹介されているようです。
判定について
ADL-Tの判定についてですが、
- 正常
- 自立
- 介助少
- 介助多
- 全介助
…の5段階で判定します。
判定の基準
ADL-Tの判定基準ですが、
ADL総合判定 | 項目別判定点総計 |
---|---|
正常 | 24~25点 |
自立 | 21~23点 |
介助少 | 18~20点 |
介助多 | 14~17点 |
全介助 | 5~13点 |
…となります。
大項目別判定値
ADL-Tの大項目別判定値についてですが、以下のとおりになります。
大項目別判定値 | 最小限身辺動作得点 | 動作得点合計 | 総合得点 |
---|---|---|---|
1:全面介助 | 7点以下 | ||
2:一部介助 | 11点以下 | ||
3:最小限身辺動作可 | 12点以下 | 15点以下 | |
4:身辺動作可 | 12点以下 | 16点以上 | 18点以下 |
5:正常に可 | 12点以下 | 16点以上 | 19点以上 |
動作項目の判定と判定基準について
ADL-Tにおける動作項目の判定と判定基準については以下のとおりになります。
- ×(不可):全面介助または一部介助または要監視、指示、あるいはできない
- 〇(可):自立(補装具、自助具の使用も可)して動作を行える
![](https://therabby.com/wp-content/uploads/2023/12/rabby-ot.png)
ADLをフローチャートの図でも表現する点に特徴があるといえるね!
図式で表現する評価だとわかりやすいかもしれませんね!
![](https://therabby.com/wp-content/uploads/2023/12/rabby-pt.png)