共同偏視 – 定義・原因・症状・斜視との違い

脳血管障害の患者の中には共同偏視を呈している方もいらっしゃいます。
本記事では、この共同偏視の定義や原因、症状の違いなどについて解説します。

共同偏視(conjugate deviation)とは?

共同偏視は、脳に障害が生じることで両目が同じ方向または対称性を持ち、偏って位置する状態を指します。

共同偏視(conjugate deviation)の原因と症状の特徴

一側の脳病変(出血・梗塞)によって生じる共同偏視は、出血の場合は被殻出血では患側に、小脳出血では健側に、視床出血では内下方に偏位するなど、部位によって特徴があります。
これは脳梗塞や脳出血、てんかんなどの病気によって現れる非常に特徴的な所見であり、障害される脳の部位に応じて偏視の方向も変化します。

共同偏視と交叉性眼筋麻痺(IVth nerve palsy)の違い

共同偏視と間違いやすいものとして、交叉性眼筋麻痺(IVth nerve palsy)があげられます。
交叉性眼筋麻痺とは、第4脳神経の麻痺により、下方向への斜視が生じる状態です。
一方、共同偏視は上述したように一側の脳病変が原因であること、そしてその出血部位によって眼球偏位に特徴があること。
これらが両者の違いとしてあげられます。

共同偏視と斜視(strabismus)の違い

また同様に”斜視”ともよく混同されて使われることがあります。
もちろん共同偏視と斜視も、異なる病態を示す眼球運動障害です。

斜視は、眼筋のバランスが悪くなることによって生じる眼球運動障害であり、両眼の視線が一致しない状態を指します。

共同偏視(conjugate deviation)の治療について

共同偏視の治療法は、原因となる疾患の治療が最優先です。
共同偏視は、脳梗塞や脳出血などの病気によって出現する非常に特徴的な所見であり、両目が同じ方向または対称性を持ち、偏って位置する状態があります。
治療には、原因となる疾患の治療が最優先であり、薬物療法や手術などが行われる場合があります。

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