円回内筋(えんかいないきん)- 起始・停止・支配神経・血液供給・主な働きや作用

円回内筋は前腕の回内と屈曲を支援する筋肉で、上腕骨と尺骨から起始し、橈骨に挿入します。
本記事では円回内筋について解説します。


円回内筋の起始・停止

起始 上腕骨頭:上腕骨の内側顆上顆
尺骨頭:尺骨の鉤状突起
停止 橈骨の側面(回外筋の遠位)

円回内筋(pronator teres muscle)は、上腕の回内、つまり手首を内側に向ける動作を助ける筋肉です。
この筋肉は特に2つの異なる起始部位…

上腕骨頭(表層頭)
尺骨頭(深頭)

…から始まる二頭筋です。
それぞれの頭は異なる骨に由来し、特定の部位からその機能を開始します。

いかにそれぞれ解説します。

上腕骨頭(表層頭)

この頭は上腕骨の内側顆上顆から起始します。
上腕骨の内側上顆は、肘の内側部にある骨の突出部です。

この頭は上腕筋の付着部よりも下に位置します。

尺骨頭(深頭)

尺骨頭は尺骨の鉤状突起から始まります。
尺骨は前腕の二つの骨のうちの一つで、内側に位置しています。

この頭は上腕筋と浅指屈筋の付着部の間、および長母指屈筋の起始部より上に位置します。

これら2つの筋頭は、起始点から下外側に向かって伸び、腕橈骨筋(brachioradialis muscle)の下を通過します。
筋頭は途中で合流し、最終的に単一の筋肉腹部になります。

この筋肉腹部は平らな腱を介して、橈骨の側面にある「回内結節」と呼ばれる中央の粗い領域に挿入されます。
この挿入部は、回外筋の停止部よりも遠位に位置します。

円回内筋は上腕骨と尺骨の特定の部位から起始し、手首を内側に回転させる重要な役割を担うんだ!
この筋肉は前腕の動きを制御することで、様々な手作業や日常活動を支援しているんですね!

円回内筋の神経支配

神経支配 正中神経(C6、C7)

円回内筋は、腕神経叢からの枝である正中神経によって神経支配されています。
腕神経叢は、首の部分から出ている神経の束で、特にC5からT1までの神経節から構成されています。

円回内筋への具体的な神経支配は、この叢の中のC6およびC7の神経根から来る信号によって行われます。

この神経の支配を通じて、円回内筋は適切に動作することができるんだ!
前腕の回内動作を可能にするための適切な神経信号を受け取るんですね!

円回内筋の血液供給

血液供給 上腕動脈、橈骨動脈、尺骨動脈の枝

円回内筋の血供給は…

  • 尺骨動脈の枝
  • 橈骨動脈の枝
  • 上腕動脈の枝

…といった三つの主要な動脈からの枝によって確保されています。
これらの動脈は、筋肉に必要な酸素と栄養を提供し、筋肉活動を支える重要な役割を担っています。
それぞれ解説します。

尺骨動脈の枝

尺骨動脈からは、総骨間動脈と前尺骨反回動脈が分岐します。
これらは前腕の筋肉、特に筋肉の内側部分へ血液を供給します。

橈骨動脈の枝

橈骨動脈からは橈骨反回動脈が分岐し、これが前腕の外側および筋肉の側面に血液を供給します。

上腕動脈の枝

上腕動脈からは下尺骨側副動脈が出ており、これが主に筋肉の上部や内側に血液を供給します。

円回内筋の血供給は尺骨動脈の枝、橈骨動脈の枝、および上腕動脈の枝から成り立っているんだ!
これにより筋肉に十分な酸素と栄養が供給され、健康的な機能と回復が保たれるんですね!

円回内筋の主な働き

機能 近位橈尺関節における前腕の回内
肘関節における前腕の屈曲

円回内筋は、その名前が示す通り、主に前腕を内側に回す(回内する)役割を持っています。
この筋肉が収縮することで、橈骨は内側に引っ張られ、近位橈尺関節で尺骨の周りを回転します。
この動作により、手のひらが下向きに回転し、地面に面するようになります。

さらに、円回内筋は肘関節を横切る位置にあるため、肘関節を屈曲させる動作にも寄与します。
つまり、この筋肉は前腕を曲げる力も助けることができるのです。

手の操作性を高めるためには、回内と肘関節の屈曲運動が必要になるからね!
この二重の機能により、円回内筋は手や腕のさまざまな動きを可能にする重要な筋肉となっているんですね!

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