ライフタスクとは? – アドラー心理学から学ぶ

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人生には様々な課題があります。
本記事ではこの課題…ライフタスクについてアドラー心理学の考え方より解説します。


ライフタスクについて

“ライフタスク”とは人生で直面する課題のことで、これは逆に言えば人生を豊かに送るためのものと捉えられます。

ライフタスクは次の5つに分類することができます。

  • 仕事(ビジネスタスク):生活活動についての課題
  • 交友(フレンドシップタスク):他者との付き合い方の課題
  • 愛(ラブタスク):異性や家族関係においての課題
  • 精神(スピリチュアルタスク):なぜ人間は生きているのか?といったもの。宗教に関わる
  • 自己(セルフタスク):自分自身と向き合う課題

以下にそれぞれ解説します。

仕事(ビジネスタスク)

仕事のタスクは、生活を維持し、社会に貢献するための職業活動に関連する課題です。
これには、キャリアの選択、職業上の成長、職場での人間関係などが含まれます。
仕事を通じて、個人は自己実現を図るとともに、社会に価値ある貢献を行うことができます。

また、仕事は個人のアイデンティティの形成に重要な役割を果たし、経済的安定や社会的地位を獲得する手段としても機能します。

交友(フレンドシップタスク)

交友のタスクは、他者との関係構築と維持に関する課題です。
これには友情、社会的ネットワーク、コミュニティへの参加などが含まれます。
友人や知人との関係は、支援、共感、楽しみを提供し、人生の質を向上させます。

交友関係は、社会的スキルの発達や個人の幸福感に大きく寄与し、孤立感を減少させる効果があります。

愛(ラブタスク)

愛のタスクは、恋愛関係、家族関係、親子関係など、親密な人間関係における課題です。
これには、愛情の表現、信頼の構築、コミュニケーションの維持などが含まれます。
愛情深い関係は、安心感、愛される喜び、人生の満足度を高めます。

また、家族やパートナーとの関係は、個人の成長や癒しに重要な役割を果たします。

精神(スピリチュアルタスク)

精神のタスクは、人生の意味や目的、宗教的・哲学的な問いに対する探求です。
これには、宇宙や人間存在の本質に関する思索、倫理的・道徳的価値観の形成などが含まれます。
精神的な探求は、個人の内面的平和や人生の充足感を高めることができます。

また、宗教や哲学は、個人の人生観や価値観に深い影響を与え、人生の指針となることがあります。

自己(セルフタスク)

自己のタスクは、自己認識、自己受容、自己成長に関する課題です。
これには、自己理解、自己肯定、自己実現などが含まれます。
自己と向き合うことは、自己の強みと弱みを理解し、自己の可能性を最大限に発揮するための基盤となります。

自己認識は、個人の幸福感や生きがいを高めることができ、自己実現は人生の満足度を向上させる効果があります。

病気も障害もライフタスク?

そうなると病気や障害をライフタスクとして捉えることも可能なのかもしれません。

病気や障害は、その人の人生において特別な挑戦を提供します。
これらの状況は、個人に自己の強さと弱さを認識させ、新たな生き方や価値観を見つける機会を与えることがあります。

例えば、健康上の問題に直面することは、自己の身体や精神に対する理解を深めることにつながることがあります。
また、障害を持つことは、異なる視点から世界を見る機会を提供し、新しい能力や興味を発見するきっかけとなることがあります。

病気や障害に対処するプロセスは、自己受容、適応能力、レジリエンス(回復力)の発達を促すことがあります。
これらの経験を通じて、個人はより深い自己理解と共感能力を育むことができ、他者とのより深いつながりを築くことが可能です。

病気や障害は、困難で挑戦的な経験ではありますが、それらをライフタスクとして捉え、乗り越えることで、個人はより豊かで意味のある人生を歩むことができる…というとらえ方もできます。

なんとなくスピリチュアルな印象を持たれる分類ですが、実際これらの分類はクライアントの抱える課題を分析する際に非常に重要なテーマともいえるね!
これらのタスク同士は相互に関わり合い、決して一つだけを完璧にこなすことはできないということも、セラピストは知っておかなければなりませんね!

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