アドラー心理学からリハビリの臨床を考えると非常に臨床や現場で有効だということが分かっています。
障害受容をどのように導き出すかにもリンクしてきますし、なによりセラピストとしての自身の技術としても役立つと思うんです。
今回は臨床で役立つアドラー心理学の考え方について解説します。
アドラー心理学の考え方
アドラーは素質や才能、目的について以下のような考えを基本にしています。
つまり生まれ持っている気質や才能がすばらしいのではなく、それをどのような目標に向けて利用するか?という点に重きを置いているということです。
原因論と目的論
アドラー心理学において、”原因論”と”目的論”は人間の行動や思考に対する異なるアプローチを示します。
これらは人間の行動の理解と解釈において重要な役割を果たします。
- 原因論:うまくいかないのは自分のせいだ
- 目的論:うまくいかないのは、目標の立て方が適切でないために、自分の素質が正しく使えてないから
それぞれ解説します。
原因論
原因論は、人間の行動や思考が過去の経験や外部の条件によって引き起こされるという考え方です。
この視点では、うまくいかないことは個人の過去の失敗や欠陥、外部環境の影響が原因とされます。
原因論は、問題の根源を過去の出来事や他者、環境のせいにすることが多く、これにより個人は被害者意識や無力感を感じることがあります。
また、原因論的なアプローチは、自己の行動や状況を変えることに対して消極的な態度を生むことがあり、個人が自己責任を取ることを避ける傾向に繋がることがあります。
目的論
目的論は、人間の行動や思考は現在の目標や意図に基づいているという考え方です。
この視点では、うまくいかないことは、目標の立て方が適切でないため、あるいは自分の能力や素質が正しく使われていないためと考えられます。
目的論的なアプローチは、個人が自分の目標や願望に向けて積極的に行動することを促し、自己実現の機会を提供します。
また、目的論は、個人が自己の行動や状況に対して主体的になることを奨励し、問題解決や個人的成長を促進する可能性があります。
このアプローチは、現在と未来に焦点を当て、自己の可能性を最大限に活用することを目指します。