最近は“生きにくさ”を感じている人って多いようです。
そして多くの場合は、自己評価やセルフイメージが低い…なんて理由があげられます。
ましてやセラピストなんて仕事をしていると、どうやったら相手のセルフイメージを上げることができるか?という視点で考える機会が多くあります。
そこで今回は、相手のセルフイメージの向上とラポール形成のためにアドラー心理学の“他者への勇気づけ”という観点で解説します。
相手を勇気づける5つの方法
患者さんを勇気づける方法としては次の5つがあげられます。
- 長所を探して伝える
- 加点主義でみる
- プロセスを重視する
- 失敗を受け入れる
- 感謝を伝える
それぞれ解説します。
長所を探して伝える
他者を勇気づけるきっかけとしては、相手の長所を伸ばしていくことを先行して介入する…という視点が重要だったりします。
相手はどうしても自分のできない部分、苦手な部分である“短所”にフォーカスしがちです。
先行的に長所を探しそれを伝える事で、この負の連鎖からの脱却を図ることが重要になってきます。
また相手とのラポール形成にも必要なプロセスとも言えます。
加点主義でみる
“加点主義”とは組織における人事の評価方法の一つで、意欲的な姿勢や優れた成果に注目して点数をつけていくこと…を言います。
相手の取り組む姿勢や成果などに注目し、ゼロを起点にプラス要素を加算して評価していくことが相手のセルフイメージの好転化につながっていきます。
もちろんこれも、相手とのラポールの形成にも必要なことといえます。
プロセスを重視する
物事を続ける能力…継続力を維持するには、結果よりもプロセスにフォーカスすることが重要です。
どうしても結果にこだわってしまうと「できたorできない」の2択で大別することになってしまいます。
それではストレス耐性が低い状態である相手にとっては細かな配慮ができなくなる場合が多いといえます。
この「できた」に向うプロセスを評価することで、たとえ遠回りになったとしても最終的には良い結果につながることになる…という考え方が重要です。
失敗を受け入れる
他者を勇気づける際に必要なことの一つとして、この“失敗を受け入れる”ということがあげられます。
相手は失敗することへの恐怖心から行動につながらない場合が多くあります。
そこで、支援する側としては“失敗することも織り込み済みで介入する”という意識も必要と言えます。
社会生活では失敗しないようにする「予防策」も重要ですが、失敗してから立て直す「修正力」のほうが重要な場面が多い気もしますからね!
感謝を伝える
これ、人間関係を形成するうえでは非常に重要になってきます。
感謝を伝える目的としては、相手のその行動、広く言えば相手のその存在を肯定的に受け入れたことを伝えるフィードバックと言えます。
相手のセルフイメージを高めるためにも、支援する側は多くこの感謝のフィードバックを行う必要があります。