共同体感覚とは? -アドラー心理学から学ぶ所属感の重要性

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アドラー心理学における”共同体感覚”とはどんなものでしょうか?
本記事ではこの共同体感覚について解説します。


共同体感覚とは?

共同体感覚とは、自分と他者との関係や所属感を大切にすること…とされています。
共同体感覚を持つ人は、自分の生命と他の対象との結合や和解を求める傾向にあるようです。

また、共同体にいる仲間たちに関心を持ち、信頼し、貢献しようともします。
つまり共同体感覚は、個人の幸せや成長にも影響することになります。

生きるには共同体感覚が必要

そうなると共同体感覚とは幸福を手にするための感覚…と解釈できます。
つまり何事も自分主体ではなく、共同体として考えようということですね。

アドラーは、「仲間の人間に関心を持ち、全体の一部になること」が共同体感覚の基本としています。
また、私的論理から離れ「他者も共通して意味のあること」を目的にするべきだと言います。

ちなみに共同体感覚を構成する4つの感覚は…

  • 貢献感:私は役にたてる
  • 所属感:ここにいてもいいんだ
  • 自己受容:ありのままでいい
  • 信頼感:無条件に信じる

…になります。
以下にそれぞれ解説します。

貢献感(私は役に立てる)

貢献感は、自分が社会や共同体に価値ある貢献をしていると感じることです。
この感覚は、自己のスキルや能力が他人や社会の役に立っていると認識することから生まれます。
貢献感は自己価値感や充足感を高め、社会的結びつきを強化する重要な要素です。
人は、自分が他者や共同体に有用であると感じることで、より積極的に社会参加を行い、自己実現を果たすことができます。

貢献感は、自分の行動が他人の幸福や共同体の発展に寄与しているという意識に基づいています。

所属感(ここにいてもいいんだ)

所属感は、個人が特定の集団や共同体に属することによって得られる安心感や満足感です。
これは、集団に受け入れられ、自分の存在が認められていると感じることから生じます。
所属感は、人間関係の安定や社会的サポートの感覚をもたらし、孤独感や排除感を減少させます。
集団や共同体に属することで、個人は安全感や自己肯定感を高めることができ、社会的なつながりを深めることができます。

所属感は、集団内での自分の位置づけや役割を認識することにも関連しています。

自己受容(ありのままでいい)

自己受容は、自分自身をありのままに受け入れることです。
これは、自己の長所と短所を認め、自分自身に対して肯定的な態度を持つことを意味します。
自己受容は、自己肯定感や自尊心の基礎となり、心の健康や幸福感に直接影響します。
自己受容を持つことで、個人は自己批判や過度な自己要求から解放され、より自由に自己表現を行うことができます。

自己受容は、自分の強みと弱みを同時に認識し、それらを自己成長のための材料として利用することにつながります。

信頼感(無条件に信じる)

信頼感は、他者や社会、世界に対する無条件の信頼を意味します。
これは、他人や社会が自分の期待に応えてくれるという確信に基づいています。
信頼感は、対人関係の安定や協調性を高める重要な要素であり、社会的なつながりを深める助けとなります。
信頼感を持つことで、個人は不安や疑念を減らし、他者との関係をよりスムーズに築くことができます。

信頼感は、他者への信頼を通じて自己の信頼感を高め、より健全な人間関係を構築するための基盤となります。

人間は社会的な生物だからこそ、所属感が重要になるんだろうね!
高齢の方は、特にこの所属感が希薄になっていくとされていますからね。

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