リハビリの臨床での筋緊張の検査では”触診”も重要な方法の一つです。
本記事では筋緊張の触診の方法について解説します。
筋緊張の触診
筋緊張の触診の方法をステップ別で解説すると…
- 筋肉の触診準備
- 触診の方法
- 左右の比較
- 筋緊張低下の評価(hypotonicity)
- 筋緊張亢進の評価(hypertonicity)
- 特別な状況の考慮
- 評価の重要性
…について解説します。
筋肉の触診準備
検者は被検者の身体部位の骨格筋や筋膨隆部を触診するための準備をします。
触診は安静時と運動時の両方で行われます。
触診の方法
筋肉の触診は、手指を使って筋肉の中心部を触れて行います。
この際、指先を用いて筋肉の表面をなぞるように触れます。
左右の比較
検者は必ず左右の上肢と下肢を比較して評価します。
左右の差や非対称性を確認することが重要です。
筋緊張低下の評価(hypotonicity)
筋肉を触れた際に、指先で感じる筋肉が「ふにゃふにゃ」としている場合、これは筋緊張の低下を示しています。
これを「筋緊張低下」と判断します。
筋緊張亢進の評価(hypertonicity)
一方、筋肉が触れた際に、指腹で感じる筋肉が硬く、「firmness」が増しているように感じられる場合、これは筋緊張の亢進を示しています。
この状態を「筋緊張亢進」と判断します。
特別な状況の考慮
筋肉の触診は、被検者の特別な状況に応じて解釈されます。
例えば、健常な選手やアスリートの場合、筋肉が発達しているため、リラックスした状態でも筋肉が硬く感じることがあります。
一方、後期高齢者や特定の疾患の患者では異常な筋緊張が異なる要因により引き起こされることがあります。
評価の重要性
筋肉の触診は、神経系や筋肉疾患の診断に寄与し、適切な医療判断を支援する重要な手法です。
異常な筋緊張を評価することで、適切な治療計画やリハビリテーションの方針を立てるのに役立ちます。