褥瘡の予防とは? – 必要な4つの方法について

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リハビリセラピストにとって褥瘡の予防に貢献することは臨床で非常に重要といえます。
本記事では褥瘡の予防について解説します。


褥瘡の予防について

こういった褥瘡を予防するためにはどのような対応が必要になるのでしょうか?
褥瘡予防のために重要な項目としてここでは…

  • 体位変換の方法と時間間隔
  • 耐圧分散寝具
  • 栄養
  • スキンケア

…の4つについて解説します。

体位変換の方法と時間間隔

圧迫力やズレ力が発生するのを防止するためには、一定時間ごとに体位変換をすることが求められます。
注意点としては…

  • 体位変換時は転落や摩擦、ずれを軽減するために2人介助で行う
  • 病衣などのしわによる圧迫をさけるため体位変換後はきちんと整える
  • ギャッジアップの後は“背抜き”を行い、ズレ力を解消しておく
  • 時間の間隔としては、基本的に2時間を超えない範囲で行う(個人差はあります)
  • 褥瘡対策に特化したマットレスを使用している場合は、体位変換の間隔は4時間を超えない範囲で行ってもよいとされています

…などがあげられます。
また、長時間の同じ部位への圧迫を避けやすいポジショニングとして、“30度側臥位”という方法もあります。
このポジショニングによって、臀部で体重を受けることができるため骨の隆起部への圧迫を比較的さけることができます。
この姿勢を取る場合は、クッションなどを利用し、できる限り広い接触面積で姿勢を保つようにします。

耐圧分散寝具

褥瘡の発生予防のためには耐圧分散寝具を使用するのも一つの方法になります。
この目的としては、

  • 身体の接触面を増やし、突出部への圧力を低くするため
  • 接触部位を変えることで、接触圧を低くするため

…とされています。
また、耐圧分散寝具も様々な種類があるためその利用者の状態や好み、ケアの状況や環境によって選択する必要があります。

栄養

褥瘡発生の原因でも触れたように、低栄養状態にあると褥瘡の発生リスクを高めるだけでなく、治癒の時間を遅くしてしまうリスクも伴います。
この低栄養状態を確認するためには…

  • 炎症の状態
  • 脱水の状態
  • 血清アルブミン値
  • 体重減少率
  • 食事摂取量

…などを指標とします。
低栄養状態にあるクライアントに対しては、高エネルギー、高蛋白質のサプリメントによる補給が行われたり、経口摂取が困難な場合は経管栄養や経腸栄養などの方法をとる場合もあります。

スキンケア

褥瘡の予防として皮膚を良好な状態に保っておくという“スキンケア”の視点も重要になります。
褥瘡になりやすい皮膚の特徴としてあげられるものに、尿や便失禁による湿潤(皮膚のふやけ)があります。
尿や便失禁によって排泄物が臀部周囲の皮膚に付着し、その状態が長時間継続することで、皮膚への刺激となりスキントラブルが発生します。
このスキントラブルが褥瘡発生につながりやすくなります。

尿、便失禁へのケアを徹底することも必要ですが、いかにオムツ内失禁しないで済む排泄方法を検討するか?というリハビリテーションによる支援も求められてきます。

もちろんこれらはセラピストだけでは十分な対応はできない部分だからね!
だからこそ看護師や栄養士と一緒に対応する必要があるんでしょうね!

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